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飛行機プラモデルの製作

 L-39 アルバトロス(エアロチ-ム 1/72)

  by 加藤 寛之




 L-39アルバトロスはチェコ国営航空機会社が開発し、1968年初飛行したジェット練習機。いい感じにカッコいいので好き。キット本体はKPのもので、それにタイ軍の特製デカールを組み合わせた限定品のようだ。最近に購入したのだが、ワールドホビーショップはせがわ店主によれば長く棚にあったという。箱の紙は薄いし、説明書もわら半紙的で、東欧キットが次々と輸入され始めたころのものか。KPは東欧製品では日本への輸入が早く、同社のキットは45年くらい前に流通し始めたように思うが、アルバトロスはいつのものか。  同社の古いキットは、拙いながらも雰囲気の再現に優れた製品だ。逆に書けば雰囲気はいいが拙いわけで、合せの精度は相当に低い。適当なところでOKにしないと、完成できない。各パーツはどれも接着面を均す必要があるので、それは個々に書かないことにする。




 胴体は、前後席の間の仕切りを切り落とし、床板と少々の錘を挟んで、左右を接着する。仕切りの切り落としは、風防パーツの接着面を左右揃えて均すのに邪魔だから。均したあとで、切ったパーツで再生し、計器盤を付ければよい。尾部のジェットパイプは、穴を整形してから挿入する。胴体側面のエンジン吸気口は、胴体との段差を多少のパテも使って整形する必要がある。整形は適当なところでやめておく。  主翼は左右一体で上下分割の2部品。脚庫は開いていない。上反角が決まっているので、これは良い。ただし、ガタガタ。前後縁とも平面形を整え、後縁は削り上げて薄く見せる。そのためには、主翼のピトー管は切り落とし、真ちゅう棒に置き換えた。主翼と胴体との合いもキビしい。これらのいろいろな困難を、なんとかまとめる。水平尾翼も似たようなもので、それらしく接着する。平面形や尾端のまとめは、キットの現状優先とする。




 キットの状態では、風防は浮き上がる。胴体側にプラ板を積み上げて、胴体を嵩上げる。幅が広すぎるものの、それほど気にならない。透明パーツにあるキズや泡は、磨けば多少きれいになるだろうけれども、特になにもしないで製作時間を節約する。 脚柱は型ズレが酷い。強度重視なので、段差はあまり整形しない。下面に付くものなので、それでも見えない。主脚は左右で高さがずれて傾いたので、高い方のタイヤ接地面を切り落として対処した。




 塗装は、解説は無視して箱の実機写真に似せて塗る。見栄えを考え上面は、灰色>青>白の順で塗る。白は塗り重ね不足くらいで止め、下地をやや透けさせることで面白みを出す。さらに2000番で全体を軽く擦って、凸線のアタマにキットの成形色だす。これでスミ入れ的表現に代える。尾部胴体の水平尾翼下と胴体側面に膨らんだエンジン吸気口の下側は、塗装後に大いに薄めた黒を軽く塗って凹凸感を強調してある。
翼端のタンク先端にある透明パーツは、機体側
の接着面に黒を塗り、乾いたらそこにビン入りのプラ用接着剤をやや多めに塗る。半乾きになったら透明パーツを押し付けて接着する、という組み立て順にした。デカールはフィルムが極めて薄く、扱い方に慣れないと、添付することが難しい。最後に半光沢の缶スプレーをプ~~~と吹いて完成とした。




 出来上がるとイイ感じの姿だとは思うが、ガタガタを直す作業に多少(多の字の方)のエネルギーを使う。精度は今日の優良キットとは大差がありお薦めできるキットですかと問われれば多少(多の字の方)躊躇するが、「まあ、作ってみてください」とはいえる。「まあ、作ってみてください」とはいえるけれども、商品でありながら不良品寸前ともいえる水準でもある。  でも、イイ感じだ。拙いながらも雰囲気の再現に優れた製品なのだ。



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