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特集 レベルのプラモデル

  四式戦闘機 疾風 (レベル 1/72)

  by  松戸のタカ




 こんにちは松戸のタカです。今回はレベルのいにしえの1/72 四式戦闘機 疾風です。

 そもそもこのモデルとの出会いは昭和45年頃(1970)、トモダチのカトー君の家に遊びに行ったところ、本棚に陳列されていた一連の飛行機プラモを見たときでした。なにがなんだかわからないけれど緑色をしたヒコーキがたくさん並んでおり(塗装をしていないということですね)。
その中の一機がこの「疾風」だったわけです。なぜ記憶しているかというと、当時は機種名などは知りませんでしたが、プロペラの羽根が4枚あり力強そうだったことと、なんといってもカウリングの横からエンジンが見えるということが強烈な印象を残したのでした。
 その後自分でも一度このモデルを作成したことがあり40数年ぶりの作成となりました。


パッケージはB29迎撃中の姿であり、己も被弾しており痛々しくもあるも勇壮な姿です


 さて改めて中身を見るとアンテナ、機銃、ピトー管は別部品ではなく、一体となってモールドされています。しかも結構マトモにできています。さらに組付けの際のガイドとなる穴や突起もきちんと作られています。
驚いたのはエルロンや尾翼のタブですが、とても薄く作られており、最初はバリかと思って削り取ろうとしたくらいです。リベットは凸リベットですが、キメが細かくシャープなものです。


素晴らしいモールドです。極薄のエルロンタブがおわかりでしょうか?


 調べてみるとこのモデルが日本で紹介されたのは昭和40年頃(1965)であり、今から50年以上前のモデルとなります。その当時にこれだけしっかりした構成のプラモを作っていたレベルというか外国メーカーの底力には驚きました。
 加えてコクピットは当時の日本製の多くは2本、棒が突き出して、そこに土偶のようなパイロットを乗せるというものが多かったのに対し、レベルのものは一応きちんと座席が別部品であり、パイロット自体もそれらしく出来ています。いやまいったなあ
 組み立ててみるとバリも少なく、合わせもそれほど悪くありません。サクサクと組み立てていきました。
 さて当時感動した?エンジンはと見てみると、あれれ?何だか妙なライン?があります。よくよく見てみるとこれは吸気管と思われるものでした。オドロキモモノキ。
 普通エンジンパーツといえば良くてシリンダーの再現がせいぜいなのにこのキットは吸気管まで再現されているのです!現代のモデルでも1/72クラスだとここまで再現しているものは少ないです。ああ驚いた。

 そこで決めました。今回のテーマは「一点豪華主義」。そうです、エンジンに手を加えてみました。


各シリンダーに沿って一本ずつ走っているは吸気管ではなかろうか!!

 せっかく吸気管が再現されているのに残念ながら前列のシリンダーまで届いておりません。そこで伸ばしランナーで管を延長してみました

残念ながら前方シリンダーにせっかくの吸気管は届きません!

 ところがこれが難しい。管は不揃いだし前列シリンダーにうまく合わせることが出来ません。何度かやってみましたがうまくいきません。そこで開き直ることにしました。


伸ばしランナーで吸気管を延長してみようとしましたが、、


 「どうせ左半分しか見えないのだから半分だけやればいい」ということにしました。そうすると気分も楽で、前列に合わせた吸気管は3,4本だけで処理はおしまい。右半分は全て取り除きました。

 次にプラグコードの再現ですが、たまたま手元にあった0.3mmの銅線を使用してみることにしました。シリンダーにピンバイスで穴を開けて一本一本繋いでいきます。ところがこれも案外めんどくさい。
なによりも0.3mmは太過ぎで目立ちすぎます。まあ見栄えはするのでこれで良い!とすることにしましたが、このエンジンは18気筒であり、しかもツインプラグ。ということは36本も配線しなくてはならなくなります。とてもこんなことはやっていられないので、これも左半分以下としました。ついでに0.4mmの鉛入り線で排気管をつくりましたが、これも左側の数本のみ作成、しかもプラグコードのほうが目立つというも代物でした。



 銅線でプラグコードの代用。でも太すぎるなあ。右半分は銅線をさして後方に回しておしまい。どうせ見えやしないのですし



グレーの線が排気管のつもり。後で上から目立つように銅色を軽く塗りましたが何がなんだかよくわかりませんな


 まあ、それでもいいやと作ってみました。どうせ、そんな細かいことは気にしません。何となくごちゃごちゃと詰まっていればいいやとテキトーにでっちあげました。  胴体にエンジンを取り付けると、何だか浮き上がっています。これだとカッコ悪いのでカウルフレームのつもりでリング状に覆いをつけます。これも手元にあった輪ゴムを切り取って無理やり付けるという手抜きぶりです。どうも貧乏臭くていけません。


マウントからエンジンが浮いています


輪ゴムを貼り付けてごまかします。身近なもので楽に済ませようとする貧乏根性です


カウルフレームもどきです


エンジンだけ手を加えましたが、あとは全くの素組み。機銃やピトー管などもオリジナルをそのまま使
用しました。


脚収納部はガランドウでコクピットが丸見えだったので例によってハガキを切り抜いて着色したものでフタをしました


 塗装はと言うと、別売のデカールにあった第2輸送隊?所属機としました。当時、果たしてこんな塗装の疾風が存在したのかどうかは知りませんが面白そうなのでやってみました。 ヘロヘロ塗装をどうするか悩みましたが結局上半分をアクリル系濃緑色で塗装し、その上からエナメル銀色塗料でテキトーにラインを描いたものです。、見本とはかなり異なるラインとなりましたが気にしないことにしました。


 さて、完成してみると当時も指摘されていましたがカウリングが先細りで「疾風らしくない」のが一番の欠点ですね。 「疾風」と言うより「キー94ll」に近いものがあるようないでたちです。




ちょっとスリムな「疾風」ですね


 でもこれでいいのです。より完璧なものを求めるのであればハセガワの疾風を作ればよいのです。 なによりもカウリング横から見えるエンジン。これが何よりもこのモデルの最大の魅力と思っています。




何となくごちゃごちゃしてカッコいいような気がします(自己満足)


 そういえば当時(1970年頃)のモデルアート誌の記事で、タミヤの疾風の機首とレベルの胴体を組み合わせれば決定版ができる!と言うものがありました。やってみたことがありましたが表面の質感が全く異なりかえってバランスが悪いものが出来てしまった記憶があります。 これはこのままでいいのだ!
とにかく今回は「一点豪華主義」として他は欲張らずに済ませました


正面から見ると銅線を利用したプラグコードはちょっと目立って良かったりして



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