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フルスクラッチビルド & ソリッドモデルの製作

Bf108 (ソリッドモデル 1/50)

  by 小山新一




 このBf108のソリッド、2011年の 秋に木取りをし、翌2012年3月に完成しています。

 以前にも書いたと思いますが、プラモデルでキットが出ていない機種をソリッドで作り、さりげなくプラモデルと並べたい。これが私のソリッドを作る大きな動機になっています。いわゆるニッチな機種ねらいですが、プラモデルの市場の成熟もあり、キットが出ていない機種は探すのが大変な時代になってきました。
 そんな中、番号が一つ上がったBf109はサブ・タイプも含め、星の数ほどもキットが発売されているのに、Bf108はわずかに1/72のエレールのキットがあったぐらいという、まことに恵まれない状況にありました(ソリッド完成後エデュアルドが1/48のキットを出しましたが)。スラットつきの主翼や、外 側引き込みの主脚、片側1本の支柱で支えられた水平尾翼など、随所にBf109との類似がみて取れるこの機体、もっと注目されてもいい存在だと思うのですが・・・。


製作

 資料はモノグラムの「Ciose-up」シリーズの「5 TAIFUN」1冊でほぼ必要十分で、図面もこの中の4面図を拡大、コピーして使用しました。   木取りとそれに続く荒削りの状態をご覧下さい。単座のBf109と違い並列4座席をおおうキャノピーの木型が大きいのがお分かりでしょうか。

木取り


荒削り



  あとは図面と写真をみながら整形、並行して機体内の小物、タイヤなどを作っていきます。 外形、納得がいったところでサフェーサーを吹きます。Mrカラーの缶スプレータイプが、均等に塗れて便 利です。

Me108全体


Bf108サフェーサー


 キャノピーは、木型と胴体との合わせを調整し、ほぼ満足がいったら瞬間接着剤を数度にわたって塗りかため、乾いたのちペーパーとコンパウンドでガラスのように磨いてのち、塩ビ板またはアクリル板をヒート・プレスします。1回で満足のいくものはまず出来ず、切り出して合わせと形を確認し、木型を修正したりしたのちまたプレスです。このあたりが、面倒くさくもあり、楽しくもありでしょうか。プラモデルの開発スタッフもかくやの心境ですね。   結局固定することになるのですが、初めのうち、キャノピーの可動をもくろんでいたので、しぼり出したキャノピーを3分割に切り分けました。ちなみに、このBf108のキャノピー、どのように可動するかを、実機 写真でご覧下さい。

タイフンキャノピほぼ完成


タイフン実機 キャノピ 開閉



  サフェーサーを塗ったのち、ペーパーで磨きます。番数をあげ、プラモの表面仕上げに負けないほどになったら、各翼の舵面の太い筋彫りから始め,外板の継ぎ目のような細い筋彫りを入れていきます。 今回は舵面、切り離さず掘り込みだけで表現しました。可動にしなくても切り離し、再接着した方が実感が出るのですが。 


 ここまでうまくいけば塗装にかかります。プラモデルだと筆塗りが多いのですが、一品生産のソリッドの場合、ムラのない塗装で仕上げるべく、広い部分は吹き付けでやってきました。ことにこのBf1 08、主翼上・下面が黄色で、筆塗りがしにくい色でしたので。 もっともその吹き付けの機材たるや、Mr.カラーから出ている「プロスプレーMk2」という初心者向けのものです。これで、主翼上・下面の黄と、胴体のグレーを塗りました。




 後のコード・レターは手描きで記入しました。図面にきちんと製図したものをコピーし型紙に使って、一字ずつ面相筆で外枠を書き、少し太い筆で塗りつぶします。垂直尾翼の赤帯、ハーケン・クロイツなども手描きで、近くでみるとアラが見えるのですが、何とか見られるレベルで妥協します。 プラモデルで、デカールが割れたりすると腹を立てるところですが、ソリッドだと手描きしかないのであせらずやるしかありません。




  かくして 完成となります。もう少し途中の写真も撮ってあったのですが、古いパソコンから移すのが面倒なので、以下、完成写真のみのご披露になります。
 ちなみに、この塗装の機体についたClose-up の説明がこうあります。

 「Bf108 B-1 Operated by the German Embassy in London, 1939」
すなわち、イギリスはロンドンにおけるドイツ大使館所属の機体なのですね。風雲急を告げる、大戦直前のロンドンで、この機体は大使館員たちの連絡用に使われていたのでしょうか。かのメッサーシュミット博士が設計した軽快な多用途機で、やがて敵国となるかも知れない国の空を飛び回る大使館員たち。彼らの気持を想像すると、心がときめきます。




 追伸 のちに発売されたエデュアルドのキットを軍用バージョンで作りました。そのツーショットを一枚添えておきます。 優劣はにわかに論じがたいのですが、座席部の断面が実機はゆるいM、つまり真ん中がへこんでいるのですが(実機のキャノピー開の写真参照)、エデュアルドのは直線になっています。この点は 私のソリッドが忠実です。




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