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ブロム&フォスBV P.178 MK-124 50mm砲搭載案
 (ブロンコモデル1/72)

by 寿




 世に変態ヒコーキは数有れど、その中でも一、二を争う奇抜な機体、ブロム&フォス社のBV P.178。頭文字がPである事からも分かるように計画機で、ナチスドイツの末期に有象 無象のペーパープランが湯水のごとく湧いて出ては泡のように消えて行ったその内の一機のようです。何だかこの辺はどっかの敗戦国とよく似てますね。




 計画機は個性的(言い換えればトンデモ機体)なのが多いけどコイツの変態度は図抜けてます。ジェットとロケットの混成動力機ってだけでもキワモノなのに、それが左右非対称で50㎜対戦車砲を乗せてるってんだからとんでもなさも此所に極まれり。正に設計者の正気を疑うシロモノ。 「何処まで(ヘンなさ加減を)盛れば気が済むの」ってツッコミが聞こえて来そう。確かに戦後のジェット黎明期にはイギリスとかフランスとかアメリカとか、主要各国がジェットとロケットの混成推進機をイロイロと悪食してたけどさぁ~。流石にコレはないよ、コレは。




 実機が作られたのかどうか寡聞にして知りませんが、当機を目の前にしてテストパイロットが尻込みしたとしても、全く責める気にはなりませんね。真っ当な人間として至極当たり前の反応だと思うので。 (あー、でもその辺はトリープフリューゲルとどっちがイヤな感じだったろう・・・・アレと比べればコッチの方がまだマシな部類なのかも。辛うじてヒコーキの形はしてるしねぇ)




 人間追い詰められると何しでかすか分かりませんね。こんなんで戦局挽回出来ると思ったのかしら。溺れる者は藁をも掴むと言いますが、ホントにいいのかコイツで? コレしかないってのなら話は別ですが、他に選択肢が在るのなら掴む藁くらい選ぶんじゃないかと、そう愚考する次第なのであります。




 しかしこれでも、設計者リヒャルト・フォークト博士の案の中では大人しい部類に入ってしまうというのはどーなんでしょうかね。 特に変態飛行艇BV P163などは人外魔境の産物、まさにキワモノ界の磁北極に君臨する存在です。興味のある方はググってみて下さい。多分、唖然とすると思いますよ。




 それはさておき、インジェクションキットでこんな海のものとも山のものともつかぬ機体が出て来る時代になったとは、本っ当に良い時代になったものです。ガレージキットですらお目に掛からないブツが平然としてプラスチックキットになるんですからね。
「これからどうなっちゃうんだろう」という一抹の不安は有るにしても、取り敢えず今は目の前の幸運を喜ぶことにしましょう。取り逃がした好機は二度と訪れないものなのです。いやぁ一期一会ってイイ言葉だよなぁ~。



 その替わりと言っちゃあなんですが機体がトンデモなら値段もトンデモで、思わず二度見してお店でたたら踏んじゃう有様。そして散々迷った挙げ句、「そこまでシンクロしなくってもイイのに」と涙ながらに買ってしまうモデラーの業の深さよ。 正にメーカーの思惑どおりで見事に首根っこ掴まれてます。我ながら溜息しか出て来ません(涙)

製作の詳細

(写真1)兎にも角にも取り敢えずオモリ。でもこの機首の小ささと主脚との距離の短さに軽い頭痛が・・・・先が思いやられます。
(写真2) やっぱどーにもなんないもんだからエンジンポッドにも入れる。でもコレで足りるのかどうかも怪しい。ちょっとテールヘビーに過ぎませんか、フォークト博士!


(写真3) 取り敢えず入れられるだけオモリは入れたので、一気に組み上げる。パーツが少ないので此所まで来るのはホントあっという間。

(写真4) どーせ計画機なので色は適当。脚庫の中もRLM02だろうと勝手に推測して下塗りはみどり色にしておきます。


(写真5) インストではこのちっこい機首に10gのオモリを入れろとある。彼の国には一般家庭に縮退物質や劣化ウランが平然と転がってるんでしょうかね。真っ当な比重の物質ではまず無理。あのー、我が国は一応常識を大切にする国民性なので素っ頓狂な指示は控えめにお願いします。

(写真6) もしもの時の為にフィギュアを用意。使い方は一番最後で。



(写真7) 今回は早々と脚を塗っとく。緩衝シリンダー部はメッキシルバーで塗るので、グロスブラックで下塗りします。

(写真8) 脚庫を塗ったらマスキングしてスミ入れ開始。



(写真9)ニュートラルグレーで下塗りした後に下面色をぷーっと吹いてく。うんまあ、こんなもんじゃね。

(写真10) 最初はブラウンバイオレット単色で行く予定だったけど、あまりの地味さ加減に予定変更。草緑色とのスプリッターで塗っちまいます。



(写真11) マスキングを外せばこんな状態に。うーん、まぁこんなもんかなぁ。

(写真12) デーカル貼ってトップコートを吹いたら完成。ルーマニアへ充当された機体って設定なので、もう機番やら部隊マークやらは好き勝手やってます。大戦末期にはとっくに「解放」されてしまっているので、まず有り得ないんですけどね。ま、模型の楽しみ方の一つと言うことで勘弁して下さい。



(写真13) 主脚の取り付け角度を若干後方にずらしたお陰で、辛うじて自立出来るようになりました。些細な振動であっさりと尻餅ついちゃいますけど、立たないよりはマシってことで。でもこの写真じゃよく分かんないね。

(写真14)どーしても立たない場合はこうやって「機体(というか国籍マーク)に触れる兵士」というヴィネット仕立てにする予定でした。手の部分を接着してしまえば触れるのではなく「支えるヒト」に為ってくれるとゆー一石二鳥のアイデア。実は今もこの路線でいこうかどうしようか、ちょっと迷っている所です。



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