Home >アームストロングホイットワース ホイットレイMk.Ⅴ (エアフィックス 1/72) 飛行機プラモデル製作

特集 エアフィックスのプラモデル

 アームストロングホイットワース ホイットレイMk.Ⅴ
 (エアフィックス 1/72)

by 寿



 またかと言うべきか、それともまたしてもと言うべきか。まだまだ続くぞエアフィックスのジミヒコーキ路線。 個人的にはすっげー嬉しいんですけど、こんなんばっか開発してて売り上げは大丈夫なのかと他人事ながら心配になる勢いであります。




 ま、確かにお値段的には結構財布に負担を強いる設定ではありますから、収益度外視って訳じゃなさそうですがそれでも金型の開発費だって莫迦にならないと思うんですけどね。
ある意味、「売れ筋と同時にマイナーで好き者が飛びつきそうな商品も同時に開発して集客力をつけ、尚かつ単品の値段は高めを設定」ってのは中国系メーカーを筆頭にする昨今のトレンドではありますがね~




 なんだかモデラーの腹の中を覗き見られてるみたいでヤな風潮ですが、「モデラーの嗜好をメーカーがくみ取った」  という好意的な解釈の方が精神衛生上よろしいのではないかと・・・・




 しかしエアフィックスのこの珍妙なまでに意固地な「非メジャー系」なラインナップはどーゆーことなんでしょうか。 他のメーカーからエゲレスのドマイナーな機体が次から次へと発売されて「本家本元がこんなこっちゃいかん!」と発奮してるんでしょうかね。




 でもよくよく考えてみれば、昔からエアフィックスのラインナップはどっかふつーのメーカーとは一線を画してました。 唯我独尊というかゴーイング・マイウェイというか。これからもこのままのエアフィックスで居て下さい、是非是非。




 個人的にはヨンパチのバラクーダとかアンソンとかウェルズレーとかが欲しいんですけど。簡易インジェクションだとどーしても制作速度が異様に落ち込んでしまいますので、さくさく作れるキットは大歓迎なのであります。 お願いしますよ、ホント。


製作の詳細

(写真1)いつものようにコクピットを塗る所から始まる模型制作。此所が始まらなきゃ何も始まらない、家を建てる前のお祓いみたいなもんです。

(写真2)「なんでこんなジミヒコーキにこれ程にまで凝ってんの」ってくらいに内部構造が再現されてます。お陰で塗る所がとっても多い。ふつーに組んだら見えなくなっちゃうですけど、このモールド。此所までがんばってくれなくでもイイのに。リキ入ってんなぁ。



(写真3) 桁をくっつけて内部色も塗る。後部銃座まで移動する為の床面まで全部再現されてるのである意味うんざり・・・・じゃなくて作りがいあるなあ、もう!

(写真4)パイロット席の後ろには航法士用の折りたたみテーブルがあって、展開した状態と折り畳んだ状態の選択式。わたくし寿は畳んでしまいましたが、展開した状態だとそこに貼る地図のデカールまで用意されているという偏執設計。「マイリマシタ」(byマッドネス)って感じです。あー、地図のデカールに気付くのがもうちょっと早かったら机は拡げた状態で作ったのに~



(写真5) 唖然とする設計はまだまだ続くぞホイットレイ。見よ、この主翼と胴体の分割。もともとホイットレイはしょぼいエンジンの出力でこのでっかい機体を飛ばそうとするもんだから、主翼の上反角が非常識なまでに大きいのですね。同様の理由か翼も極厚だしね。それをフォローする為だか何だか知らないけれど、その上反角に合わせて胴体を前後に分割。フェアリング上面で二分割された胴体を主翼ごと挟み込むという前代未聞のパーツ構成。びっくりですよ。
 機体内部の再現を望まなかったらもっとシンプルな構成に出来ただろうにねぇ。でもこれはこれで面白いからよし。


(写真6) うーん、何度見ても妙なパーツ構成です。チャレンジャーな設計者だなぁ。しかも機体そのものもでっかくて、これから先にそこはかとない不安が・・・・

(写真7) 脚パーツとエンジン架台も凝ってる。ナセル後部のリブまである。完成したらほとんど見えないってのに・・・・


(写真8) 爆弾には弾底信管まで再現されてます。ここまでされるともう褒めるしかないですね。いったい何がここまでさせるのかエアフィックス、色んな意味でステキすぎ。

(写真9)と、喜び勇んでいるとエンジンカウルの合いの悪さに「あれっ?」てな感じに。でもまぁ、此所で何故かほっとしていることにちょっとバツの悪さを感じたりなんかしてw



(写真10) なんだかんだでヒコーキの形になりましたよ、おっかさん。ええ、左様ですとも。此所からは塗りの独壇場となる訳でありませう。しかしデッカイなぁ、双発機だってのに。

(写真11) パテが乾くまでは小物をチマチマと退治していきます。爆撃機って地味にこの手のパーツが多くてちょびっと厄介。



(写真12) 夜間爆撃機として作る予定だったからセミグロスを一気に吹く、吹きまくる。後々の処理があるから塗膜を厚めにする為、数回に分けて念入りに。うーん、塗料の消費量がハンパないぞ。まるでヨンパチのジェット機並だ。これでナナニイの、しかも双発レシプロ機だっていうんだから何かが間違ってるんじゃないかという気がしないでもない。

(写真13) 後部の回転銃座(魅惑のボールトンポール四連装動力付き♪)の銃身がキャノピーのスリットに合わないもんだから、一旦切り飛ばして付け直してます。



(写真14) 弾庫の扉も切り刻んで塗っておきます。やっぱり爆撃機は開いて見せておきたいじゃないですか。

(写真15) 機首の銃座も丈の尺がキャノピーと合わないので、旋回部分のリブを削って一段低く埋まるように再調整。


(写真16) 塗装してデカール貼ってマスキング剥がしです。そのままだとマスキングと一緒に窓枠の塗膜ももっていかれることがあるので、予め剥がす前に軽くデザインナイフで当たりをとっておきます。あまり強くやるとキャノピーに不要な溝が出来てシルバリングの原因になるので軽~くするのがミソ。

(写真17) 今回はセミグロスの塗装の上に黒と灰色の混色を薄く塗った後に、エナメルでスミ入れ。塗装が完全硬化した後にパネルラインに沿ってエナメルシンナーでウォッシング。すると薄く塗った上塗りもエナメルのスミ入れと共に、ほらこの通り。い~具合に剥がれてちょっとヤレた感じの表面に~♪
 ちなみに、ラッカー系は乾くのは早いですが硬化するまで一日以上かかるので、ウォッシング前には放置プレイが必要です。またエナメルシンナーはプラを侵蝕するので、半端な塗膜では作品崩壊の憂き目を見るので要注意ですね。下塗りが終わった時点でトップコートを吹いておくというのがベストかも。


(写真18) なんだかんだで予定よりも倍の時間が掛かってしまったぞホイットレイ。当初はあと一ヶ月早く完成させるつもりだったのに予想外に手こずったというか、老眼が進んだというか・・・・いやいや見苦しい言い訳ですね。そろそろルーペなり何なり考慮せにゃならんお年頃という訳でしょうか。日常生活には支障ないんだけどなぁ(溜息)
 機首のおねーさんはいつものようにモデルカステン謹製、ノーズアートクイーンシリーズのお一人です。ああ、こうやってまたなんちゃってな機体を増やしてしまうのでありますですよ。でもまあ、趣味は楽しんだ者勝ちってことでw




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