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特集 ハセガワのプラモデル

 F-105D サンダーチーフ  (ハセガワ 1/72)

  by 加藤 寛之




 サンダーチーフは、米軍横田基地の離着陸ルートの近くに住んでいる私にとって、子供のときに馴染んだジェット機です。しばらく前にハセガワが2機入りで再販しましたが、2機は要らないし、マトモな値段で2機分を支払いたくないので、買っていません。その後にリサイクルショップで古いキットを数機まとめて入手した際、このキットが廉価だったので買ってみました。子供のときに高くて買えなかった記憶が購入の要因で、特に作りたかったのではありません。今回のハセガワ特集にあわせ、彩雲、96艦戦に続いて作ってみました。  『プラモ・ガイド 1966』(酣燈社)の広告によれば、昭和41(1966)年6月ころに発売されたキットらしいです。50年前ですね。ハセガワの1/72シリーズの第4弾だとか。今回組んだキットは1986年以降の生産分です。部品構成は、実に簡単です。「これで出来るの?」と、本当に思いました。「プラモデルって、ジェット機でもこんなに簡単になるんだ!」と。




 胴体は主要な左右パーツに、計器盤・椅子・お人形さんの全3パーツ。私はお人形さんを使わないので、コックピットは僅かに2部品のみ。壁面や椅子を簡単に塗って、機首に錘を入れて、胴体を接着します。その後に垂直尾翼の前縁、後縁の下部を薄くしたのですが、垂直尾翼は内側に空間がないので思い切って削れて助かりました。まあ、無理はせず、とりあえず見栄えが良くなればOKです(実は、これですご~~~く姿がスッキリしました)。  主翼も簡単、基本は上下を接着するだけ。脚収納庫の内側にある脚カバーを閉じる時に使う支えを切取るくらい。ただし外周がクタクタ曲がっているので、これは接着後に整えます。胴体への差し込みが左右同じになるように、見えなくなる根元を思い切って切ったり削ったりして揃えます。軽い下反角がつくように、組図にある正面図で確かめます。




 キャノピーは胴体との調整が必要です。背部には大きな隙間が生じて困りものですが、これは接着後に油粘土(←本当です)を擦りこんで埋めておけばバレません。コックピット部分にある細い隙間は、水性ボンド(←本当です)を流し込んで埋めておけば、バレません。こういった処理で何が「正しい方法」かは分らないのですが、それなりに完成すればOKだと思います。完成写真を見ても、油粘土や水性ボンドって気付かないでしょ?これで、水平尾翼をつければ、ほぼサンダーチーフの形になります。  あとは細かいパーツのバリを取り、型抜きのためのナナメ部分を整形したりすれば、どの部品もちゃんと使えます。前脚カバーは整形時に折ってしまったので、薄いプラ板で作り換えてあります。




 塗装はGSIクレオスMr.カラーの指定色で上面を、下面はグランプリホワイトで塗りました。私の印象では、ベトナム迷彩はとても汚らしい塗りだった記憶があります。子供のときに「プラモデルの方がちゃんと塗ってある」と思ったくらいなので、相当にヒドいのでしょう。 だから、汚らしい&ザツな感じに塗ってみました。私の記憶では、土色はもっとずっと白っぽいように思うのです。実機はヤケて白っぽくなったのかも知れません。とりあえず、私の感じる汚さで塗れたのでOKとします。デカールもな~~んとか使えて、良かったです。




 さて、感想。
 古いキットで、現代の上質な製品に慣れた人には、とても組みにくいと思います。でも、パーツが少ないのでどんどん組み進められるので、箱のなかのパーツがどんどん減って楽しいこと!キャノピーはツバ部分まで含む幅で造ってあるので大きめで、しかもちょっと丸い感じ。結果、マンガ的でオモチャっぽいけれども、許容範囲。細かいパーツの出来がスッキリしないけれども、これも許容範囲。表面のパネルラインは凸線だけれども、全く気にならないので問題ナシ。そんなこまごまとしたことを書くよりも、写真を見てどう感じたでしょうか。結構、イイですよね。50年前ですよ、50年!50年前のキットだと思えば、リッパなものじゃありませんか。
 ちょっと考えてみてください。「出来がいい」とかって、これはメーカーの仕事です。もしかしたら機械の仕事です。私の作業のことではありません。プラモデルは、私が楽しく作ることが肝心で、メーカーや機械による出来のことではありません。私が欲しいのは、私が楽しいキットなのです。だから、ハセガワF‐105サンダーチーフは合格でした。


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