Home  > GUNプラモデル製作 > ル ガーP.08 (サンエイ 1/1)  

特集 ザ リジェンド the legend

 ル ガーP.08 (サンエイ 1/1)

  by KOZY商店

1.はじめに
 こんにちは。KOZY商店です。サンエイの1/1「ル ガーP.08」です。組み立て式プラモデル拳銃になります。銃器関係の模型といいますと、現在ではガラスケース内に陳列された高価な完成品がほとんどです。しかし30年ほど前は、安価な組み立て式の形態でも数多く販売されており、プラモデルのジャンルとして一つの勢力を形成していました。  プラキットガンの主なメーカーとしてはサンエイ、LS、東京マルイ、クラウンなどです。拳銃なら自動式やリボルバーの有名どころは一通り揃っていたでしょうか。しかしより高性能なエアソフトガン完成品の台頭により、ジャンルじたいが消滅しています。ちなみに旧LSのナイフや手榴弾のプラモもこれらの関連商品だったと思います。

図1 完成図



2.キット内容
 ではキットを見ましょう。まずは箱絵です。絵というより写真ですが。銃プラモのほとんどは写真箱の体裁になっています。サンエイのシリーズは塗装した完成品と小物類を配置し、なかなか凝った演出です。 箱のサイズは350×200×60で、ウエイトが入っているため風袋重量は530gほど有ります。対象年齢は12歳以上。弾の飛距離は25mを謳っておりますが…、これはちょっと怪しそうです(図2)。

図2 ボックス表面



 ボックスサイドにはシリーズ商品が載っています。アイテム選定も通好みです。 ブローニングHPやウッズマンはマルイのエアコキでも出ていなかったでしょうか(図3)。

図3 シリーズ展開



 キットの中身です。黒い成型部品はABS樹脂で白い部品はナイロン樹脂です。計32パーツありますが、コンパチなので実質26個しか使いません。その他はバネ、オモリ等の金属部品。マガジンキャッチとロッキングボルトはフレームと一体成型で、可動しません。グリスと接着材、BB弾が100発付属しており、箱の中身だけでも一応完結できます(図4)。 書類はインストの他、サバイバルゲームの基本的なルールを記述したチラシとターゲット用紙が添付されています。トイガンとはいえ弾の出るものなので、誤使用による事故防止に気を遣っている様子が伺えます(図5)。

図4 パーツ構成

図5 インストその他



3.製作
 製作に掛ります。今回は別途ABS専用接着剤を用意しました。PS樹脂が主流のスケールモデルには無用の物ですが、プラキットガンやラジコンの用途を見込んでのことでしょうか、銃プラモが絶滅した現在でもしぶとく継続販売されています。(図6)

図6 ABS専用接着剤ボディ
 製作方針は今回、ボックス風に仕上げてみました。本来この手のプラキットガンは年少者向けの商品であり、買ったその日の内に組み上げて、野外でペシペシ撃って遊び倒すのが王道です。しかし面倒なマスキング作業もありませんし、せっかくなので塗装してみましょう。


 はじめにハンマーケースです。白い棒(ハンマー)の先端でBB弾をビリヤードのように突いて飛ばす仕組みです。これは「スプリングガン」とか「ストライカー方式」と呼ばれ、サンエイや東京マルイの低価格ガンの主流でした(図7)。   マガジンです。低価格ガンでおなじみの細身タイプで、割りばしマガジンなどと呼称されています。計26発の6㎜BB弾を納めます(図8)。


図7 ハンマーケース
図8 割り箸マガジン



 トグルや引き金などの可動部品類は組み付ける前にあらかじめ艶消し黒で塗っておきます(図9)。  グリップは茶色に黒を少々混ぜたものを塗り、ツヤ消しクリアーでオーバーコート。仕上げにエナメル黒でウオッシングするとぐっと凄みが出ます。グリップ内側には何か座右の銘でも書き込んでおくと面白いでしょう(図10)。

図9 可動部品類
図10 グリップ



 左フレームに可動部品類を組み付けます。トグルを引いてハンマーを後退させ、引き金でバネを解除するという仕組みです(図11)。シンプルながら良く考えられています。 メカを組み付けたら左右フレームを合わせてネジ止めします。この段階で2、3発試射して動作確認をします(図12)。

図11 内部メカ組み付け

図12 フレーム接着



 あとはフレームの合わせ目をパテで処理し、全体をツヤ消し黒で塗装。外装小物類とグリップを付ければ完成です。 仕上げにエナメルの銀を布に少々付けて磨き込み、軽くウェザリングを施しました。


4.完成 
 完成したルガー。使い込まれた感がハードボイルドな雰囲気です。高級モデルガンほどではないにしろ、塗装することでそこそこリアルになりました。気になる実射性能はせいぜい15mくらいで、25mも飛びません。しかも狙った方向に弾が飛ばないので、変な意味で「凶銃」です。性能面では傑作と名高いマルイのルガーにまず太刀打ちできないでしょう。
 しかしカタチの方は悪くはなさそうです。あちらの業界のメーカーは出自別に系統が幾つかあって、一般にモデルガン系は外観のリアルさを重視、玩具系は実射性能重視の傾向があるようです。これはどちらかというと前者に属するのかもしれません。
 今回製作したキットは楽しんで作りながら内部のメカや動作を学べるという「教材」としての側面を持っています。銃器である必要はありませんが、こうしたプラモデルならではの長所を活かしたキットは再評価されても良いのではないでしょうか。

図13 左側面



図14 右側面




  Home>GUNプラモデル製作 > ル ガーP.08 (サンエイ 1/1)  
Vol.102 2017 February.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /  
         editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」

プラモデル模型製作特集1

TOTAL PAGE