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 フルアクション零戦21型
(エフトイズ 1/72)

by口博通 Hiromichi Taguchi
 



 エフトイズから 「1/72 フルアクション零戦21型 塗装済み組み立てキット」が発売されました。
 主脚引き込み式、翼端おりたたみ、各舵可動、風防可動、尾輪、着艦フック可動だけでなく、エンジンもカウリングをとりはずして見れるという 少年時代にLSの零戦を組ながら夢みたオール可動モデルが2017年にやっと実現しました。
 といっても、熟練プラモデラー向けの製品ではありません。なんと 塗装済み部品を 接着剤を使わずパチパチで組み立てる方式で、おまけ付きチューインガム(そうです。プラモデルの方が”おまけ”なのです。)として、コンビニ、スーパー、模型店などで 売られています。恐れ入りました。 
 監修がしっかりしているのか 胴体の明白色も、カウリングもかなり良い色合いです。
 エンジンや、コクピットも細かく色分けされていて、これで1000円ですから コスパの良さに率直に驚きました。
 
 組み立てた感じは、精密さを追い過ぎたのか 細かい部品が多く、ピンセットが必要。
 細かい部品をパチパチで組むのは力を入れるのが難しく、コンビニで購入する一般層には組み立てが難しい部分が多いのではないかと感じました。
 一般向けならば 主脚や脚扉、エンジンなどもう少し、一体部品にして、小さい部品を減らした方が良かったのではと思います。
 また、パチパチですが、流し込み接着剤を併用した方が結果的に組み易いでしょう。



箱絵   この製品の名称は”チューインガム”です。


塗装済み部品
胴体、帯と銘板は印刷


デカール
主翼部品


枠が塗装済みのキャノピーと カウリング


 下の部品ランナーはコクピットや機銃なども細かく塗り分けられていて、この1000円の価格で正直 驚き。  




組み立て

 工具は カッターナイフ、プラモデル用ニッパーが最低必要で、それにピンセットがあれば 組み立て易いと思います。
 カッターナイフは標準の他、もう1本 刃先30度の鋭角刃を用意しておけば、格段に組み立てやすくなるでしょう。
 工具

コクピット
 塗装済みの部品をニッパーで切り離し 切り口をカッターナイフで整形します。
そして 各部品を穴(溝)にはめこんで組み立てて行きます。はめ込みがきつい場合はカッターナイフで少し穴(溝)を広げるか、差し込む部分の塗料を削り落として調整します。
組むだけで、かなり精密なコクピットが出来上がります。

 コクピット部品  組みあがったコクピット。 この後 操縦桿をはめこみます。


エンジン
 コクピットと同様に塗装済みのエンジン部品と胴体機銃部品をニッパーで切り離し 切り口をカッターナイフで整形します。
そして 各部品を穴(溝)にはめこんで組み立てて行きます。説明書をよくみて、上下方向を合わせるようにします。
エンジンが組みあがったら、胴体機銃部も組み、コクピットに連結します。エンジン架がわかりずらく 組みづらいので、省略しても良いでしょう。(エンジン架は完成すると見えなくなりますので。)

 エンジン部品  組みあがったエンジンをコクピットに連結する。


胴体
 胴体右側に 先ほどのコクピット部を組み込みます。 胴体後部には、尾輪と着艦フックを組み込みます。いずれも可動です。
そして、胴体左右を合わせます。
その後、胴体機銃を折らないように、胴体機銃カバーをとりつけます。

 胴体右側に 先ほどのコクピット部を組み込む  尾輪と着艦フックを組み込む





主翼   
 主翼下面部品に主脚、主脚根本の小カバー、主翼機銃、可動翼端を組み込みます。
主翼上下をパチッと合わせます。
主翼ができたら、胴体と組み合わせます。
主翼のエルロンは その後でパチッと取り付けます。
 尾翼は、上下尾翼部品で可動の昇降舵をはさみ 組み立てます。
そして、胴体に組みつけます。


 翼下面に主脚、主翼機銃、可動翼端を組み込む

主翼上下をパチッと合わせて主翼完成。
 尾翼は、上下部品で昇降舵をはさみ 組み立てる

胴体と主翼を組み合わせたら、主翼のエルロンをパチッと取り付ける。


タイヤと主脚扉の組み立て   
 主脚を引き出して、タイヤと主脚扉を取り付けます。主脚扉のピン穴が浅いので、すぐはずれる場合は、接着剤を少量つけます。





主脚完成


風防とカウリングとプロペラの取り付け  
 胴体に風防とアンテナ柱を取り付けます。
風防は枠が塗装済みになっています。
中央風防は可動です。
エンジンにカウリングをかぶせます。
プロペラにスピンナーを組み合わせ、エンジンの回転軸にプロペラを取り付けます。

 胴体に風防を取り付ける。

カウリングとエンジン回転軸にプロペラを取り付ける。

これで 機体の完成!


デカール   
 機体が完成しましたので、好みのマークのデカールを貼ります。
 デカールは印刷も良好で、余白も少なく、貼りやすいものになっています。

好みのデカールをはさみで切りとります。


マークデカールを貼って完成!


完成

 一般向けのプラモデルとして構成されていますが、未完成病に悩むモデラーも充分 楽しむことができると思います。
 フルアクションにもかかわらず、フォルムもよく、スタイルにも破綻がありません。
何より塗装せずにゼロ戦21型が完成するというのが貴重で、気楽に組み立てることができます。3DCADが一般的になったこともあり、部品の合いがいいので、これだけ精密なフルアクションモデルが実現できたのでしょう。
 また、「ノルナ」表示や胴体銘板など立体タンポ印刷の精度も進歩しているんですね。
 今回 組み立てに要したのは、3時間。
はずれやすい部品もあったので、胴体と、翼は流し込み接着剤を併用しました。
製作では 一切塗料は使っていません。
 
 塗装済み部品を組み立てるプラモデルというのも最近のトレンドの一つで、プラモデルもここまで進化したのかと正直驚かされました。






   

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