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  F-86D セイバードッグ ”U.S.エアフォース”
(ハセガワ 1/72)

  by 出戻 十三浪  Demodori Tomio




 子供の頃、駅の近くに科学館があって庭にはF-86Dやテキサン、D-51や遊覧船など、館内にはJ47ジェットエンジンなどが展示してあり、セイバードッグはとても身近な存在でした。

 70年代末?にHJでエアフィックス(トミー版?)1/72F-86D及びK,Lへの改造記事を読み、「いつか作ろう」と思っていました。その後、80年代半ばにアルカンシェールが再発したマルサンの傑作1/50 F-86Dを今は亡きナカマ模型で買い、整備兵フィギュアやロケット弾車、エンジンと台車、動翼展張など大いに感激したものの、キャノピー透明部に太い開閉軸が立っていてパーツを割ったり傷つけずに除去する自信が持てず積みプラに。
90年代にはサニー?のバーゲンでK型のレジンキットを買いましたが胴体の反りはまだしもレドーム断面が銀杏状なのを見てこれまた棚上げに。で、真打としてハセガワが凹モールドでシャープなD型を出してくれたのはとても嬉しかった。が、バブル崩壊後のデフレ時代に税込1680円!(最賃(当時は600円前後)3時間弱分)はきつく、2,3年待って今は亡き新宿の中古屋で800円(税抜)でようやく入手。デカールはこの日のためにピンバイスのバーゲンで二、三百円で買って置いたマイクロ72-291を使い、有名な”米ユマ空軍基地所属第498戦闘迎撃飛行隊”ガイガー タイガース”1956年 空中射撃大会”参加時仕様で作りました。

組み立て

 ・人形はハセガワのパイロット~セットより。
・アンチグレア部に穴を開けて照準器の投影レンズを埋め込み、極薄透明プラ板で反射板を立てた。レンズはウェーブのレンズセット。透明緑を塗って裏に銀を塗って置くと良く光って目立つ(ロケット弾による弾幕射撃でレーダー・FCSによる半自動攻撃なので、図や写真の通り光学照準器はないかもしれぬ。が、ハッタリは重要だ、ドンッ!なお、Lと機関砲装備のKにはある。)。

・計器盤はデカール仕上げだが、レーダースクリーンには円筒形のフードをプラパイプで付けてみた。左右に小計器盤が付くが上手く接着できず取付を断念。
・座席の後に黄色いボンベがあるので自作した。黒の取付ベルト、パイプも表現。バルブとしてウェーブ辺りのボルトを接着すると、”モアベターよ”
・キャノピー前縁内部にバックミラーを取り付けた。フジミのブリティッシュファントムのエッチングの余剰部品だと思う。
・風防の平面ガラス部の裏から薄めた透明青を塗って分厚い防弾ガラスを表現




・主翼を貼り合わせたら、後縁をシャープに削る。水平尾翼も同様だがナイフのようにサンペの上で研いだら後縁が直線ではなく湾曲したラインになったので、パーツに金ヤスリでも当ててよく見て慎重に削って欲しい。
・ピトー管を0.6㎜真鍮パイプ+金属線で作り変えた。なお、曲がっているのは主翼前縁のスラットとの干渉を避けるためらしく、スラットを廃止した6-3翼(朝鮮戦争で使われたE、F型の多くなど)やスラットを復活したがピトー管取付部のある翼端を延長した6-3延長翼(空自などのF末期型やL型など)では真直ぐである。
一方、スラット復活型6-3翼(ハルトマン乗機で有名なカナディアセイバーMk.6とか)では曲げてある。なお、取付孔はプラパーツに合わせて大きいので伸ばしプラパイプでも仕込んで孔を小さくすると良い。
・翼端灯は、CMKのレジン製翼端灯セットより。




・主脚に鉛線でブレーキパイプを仕込む。
・増槽はフィンをヤスリで薄々攻撃する。タンクと翼を繋ぐ支柱は0.2㎜透明プラ板の細切りだが、ちょっと長過ぎた。
・インテーク直後、前脚前に着陸灯があるので、ウェーブのレンズセットを使って表現。孔を開け凸面に銀を塗ったレンズを平らな面を外にして接着し面一に削って磨く。
・インテークとダクトを接着し、溶きパテを夜な夜な塗って長期養生の後、棒ヤスリなどで内側を整形しておく。
・レドームの中に重りを仕込む。

・胴体とインテークパーツの間に小さな段差が出るのでサフを盛って整形。左右胴体接着時、胴体下の合わせにプラペーパーを挟んで調整する方法もあり。
・胴体と主翼を接合し、テープで養生の後、隙間をパテ埋めサンペ掛けで整形。
・風防は胴体にあらかじめ接着して隙間を埋めて整形した。マスキングはエデュアルドのエクスプレスマスクを奢った。
・ロケット弾パックの前後部品のロケット弾が入る孔をピンバイスで開孔する。
・パックと胴体を繋ぐ足が足りないので、使わないTACAN用バルジ部品で作った。



・胴体後部の赤い燃料投棄管は真鍮パイプをペンチで挟んで翼型に潰したもの。根本は潰さないでおくとピンバイスで開けた丸穴に差し込めて楽である。
・胴体末端にボーテックスジェネレーターの小片が多数並んでいるが、型抜きの関係で一部が省略されているので、
0.2㎜透明プラ板を刻んだものを銀に塗って、合成ゴム系接着剤を溶剤系接着剤で伸ばしたカクテルで接着した。
・胴体末端に尾灯があるのでウェーブの透明リベットで再現。



塗装

・ほぼ全てクレオスのラッカーを使用。
・全面ナチュラルメタルなので数色の銀を使いマスキングを繰り返しながら、資料片手に4色問題よろしくパネルごとに塗分けた。塗りたい色を作って吹付け、遺したい部分に、少し溶剤に弱いのだがスコッチのメンディングテープを貼って余分を切り剥がすことを繰り返した。
メンディングテープはセロテープのような粘りや紙マスキングテープのような腰がなくて切り抜きやすい。マスキングの影響で銀の輝きが落ちるのが怖いので、主翼中央のシルバーグレーから始めて最後はシャインシルバーの吹きっ放しで〆ている。



マーキング

デカールがエアフィックス用でサイズが合わないので垂直尾翼とキャノピーの紺は塗装した。レドームの艶消し黒と機首の反射除けのオリーブドラブもマスクして吹きつけた。
ODは艶をもっと消したかったのでクレオスの水性艶消しクリアースプレーを繰り返し吹いてみた。




・メインのマイクロは二十数年前のものなのでマイクロのリキッドデカールを塗って使用したが肝心のオネエチャンマークが砕け息が止まった。何とか破片を繋ぎ合わせてリカバリー。残ったデカールにあらためてLDを厚塗りして貼った。
・垂直尾翼やキャノピー枠の星はデカールから切り抜いて貼ったが、結構大変だった。




・増槽の前部にもデカールを貼るのだが、軟化剤でも曲面に合わせることが出来ず断念。星だけ使って紺と白のストライプは塗装が無難。
・デカールの縁はマメに切り抜いて貼った。これもきつかった。
・注意書きは資料写真を見ながら足してみた。これは耳なし芳一の全身に書いた呪文のようなものだそうである。朝起きて部品がもげていたら、注意書きを貼るのをサボったせいだったりして(ぞぞぞぞ~)




・垂直尾翼やインテークリップ下に、アンテナ収容部と思しき小さな黒ストライプがあるのだが、デカールを刻んだものを貼って表現した。
・デカール貼りには、軟化剤やデカール糊を使用している。
 私はセイバーの全天候型も好きで1/72はハセガワがもう1機、スペシャルホビーのK,Lを合わせて多分3機、更にレベル1/48のD、デカールも4枚は持っており、まだいくつか組んでみたい。願いとしては赤ストライプと部隊マークのオサレな仏EC1/13のK(MAデカール確保)、飛び掛かる虎と流星のマークが凛々しいタイ空軍第12飛行隊のL(デカールはまだ)、レベルは別売りデカールはあるけど指定塗装でもいいかな、辺り。ハセガワとレジンキットから細部をガメてくればスペホもなんとかなるのではないか?ま、やるのは来年以降だろうけど。

 ではさようなら!




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