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(Photo) Strv.103

by  コルディッツ
博物館実機写真

Strv.103戦車は小学校低学年の頃に、田宮模型の「バルカン戦車」で知りました。戦車は「旋回砲塔を載せて履帯で動く車」と思い込んでいたので、砲塔のない戦車はショックでした! また同じ頃と思いますが、田宮模型はスウェーデン産のサーブ35や37、魚雷艇ポラリスをプラモ化していたので、スウェーデン贔屓を刷り込まれました! しかるに最近のタミヤさんはフィンランドに奔り、スウェーデンをスルーされているようで…
 スウェーデンは良質な鉄鉱石を有する背景の下、WWⅠ後にドイツの戦車技術を導入し、トーションバー・サスペンションを用いた最初の戦車(L-60)を開発した戦車先進国でしたが、軍備に不熱心でWWⅡで遅れを取りました。
そこでWWⅡ中から武装中立政策を採用し、国土に適した軍備国産化に邁進します。
Strv.103もその一つで、起伏に富む地形を活用した「待ち伏せ戦術」専用の設計なので、極端に車高の低い無砲塔の特異な形状となりました。
 Strv.103のウリは他にも「乗員1人でも操縦と射撃が可能」や「ガスタービンエンジンとディーゼルエンジンの併用」等々ありますが、スウェーデンが先行した少子高齢化と人口減が課題の日本にとって、車体前面にエンジン区画を置いて防御力を増し、乗員保護を折り込んだ設計は、参考になると思います。
逆に参考にならないのは制式番号の付け方で、103はなんと13番目の10cm砲搭載戦車の意味でした。この分類で楽が出来るのは調達担当の公務員だけではないでしょうか? そういえばスウェーデンは公務員大国でした…


               Strv.103A
 戦車博物館(ソミュール)にて    2016年8月撮影
 A型は初期生産型。排土板等は未設置で前照灯の形状が異なります。
 追加生産型(B型、C型)の追加装備は逐次レトロフィットされたので、
純粋のA型は、博物館にしかないようです。ソミュールのフランス語表示
は「Char-S」。直訳の日本語では「戦車ー戦車」?







                Strv.103C
 軍事博物館(ストックホルム)にて   2014年6月撮影
 B型は陣地構築用の排土板を車体前面下部に設置、水上浮上航行用の
防水スクリーンを装備しています。C型は車体側面に増加燃料タンクを設置、
車体前面には対HEAT弾(成型炸薬弾)用の柵状装甲を装備しています。











(おまけ)   IKV.91(91型水陸両用戦車)
 戦車博物館(ボービントン)にて   2010年7月撮影
 IKV.91は戦車駆逐車で、主力戦車Strv.103をサポートしていました。
 ボーフォース90mm低圧砲を装備。無砲塔の主力戦車と旋回砲塔の
支援戦車の組み合わせたスウェーデン人は、やはり変わり者?




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