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(Photo) ミルスキⅡ

by  コルディッツ
博物館実機写真

 7月にヘルシンキに行きましたが、彼の地も連日気温30℃の猛暑、ホテルはクーラーなどなく、就寝はビール頼りで参りました。職場土産のチョコレートGeishaも暑さに溶けてしまい、顰蹙を買ってしまいました…
 今回のフィンランド行きは、Wikipedia(英文)に「中部フィンランド航空博物館(ティッカコスキ、ユバスクラ近郊)でJG5のBf109Fを展示中(On display)」とあったからですが、残念ながら空振りでした。
 しかしフィンランド国産戦闘機ミルスキⅡが、レストア途中ではありますが、展示されていましたので、ご紹介したいと思います。 同機については小学生の頃に愛読した「第2次大戦戦戦闘機」(鶴書房、K・マンソン著 湯浅謙三訳 野澤正監修)で知りましたが、まさか実物にお目にかかる日が来るとは、思ってもいませんでした。
 ミルスキの意味は「嵐」、国立航空工場(VL)で設計・製作され、1942年に初飛行しました。エンジンはスウェーデン製のP&Wツイン・ワスプ空冷14気筒1,065hpで、ノーライセンスでコピー生産された製品です、スウェーデンの国産戦闘機FFVS J-22にも使用されています。
 最初のミルスキⅠは構造上の欠陥のため4機の生産でしたが、改良したミルスキⅡは47機生産です。しかしデビューは1944年と遅れ、対ソ戦には間に合わず、対独戦に使用されました。武装はカウリング上部に設置した
ブローニング12.7mm機関銃4挺で、プロペラ回転面を通して射撃しました。
なおこの機関銃もun-licensed copyだったようです。


 VL MyrskyⅡ  MY-14
 中部フィンランド航空博物館(ユバスクラ)にて  2018年7月撮影
 胴体は鋼管溶接骨組で前半部は金属製外皮、
後半部は合板外皮で翼は木製合板貼りです。             



 プロペラは木製。エンジンはアメリカ原産のスウェーデン製無断コピー。ただし戦後にライセンス料は支払っています。               



P&W R-1830-SC3-G Twin Wasp エンジン



















ミルスキの座席





(おまけ1)       「第二次大戦戦闘機」のミルスキのカラー三面図




(おまけ2)             FFVS J.22  22280/L
 スウェーデン空軍博物館(リンシェービング)にて     2014年6月撮影
 スウェーデンでは機体構造に、同国に豊富な鋼材と木材を利用しました。



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