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飛行機プラモデルの製作

 Me262 (マッチボックス 1/72)

  by 加藤 寛之




 やたらと多くキットを持っているマッチボックスから、Me262を選んだ。Webモデラーズ誌に作られた方があったので、それに触発された。単純に“ボクも作ろう”となったのである。  箱を開ける。成形色がぼ~っとしているので、今回は全面塗装をする。



 パーツを外しはじめたら、主翼上面パーツが下向きに変形している。素材が柔らかいと反対側に曲げれば矯正できるけれども、マッチボックスは素材が硬くて折れやすい。とりあえず曲げてみたら、瞬時にパチッと折れた。なんだかんだで、左右共に主翼上面が3分割。仕方がないので、修理する。その作業の結果、しっかりと先端まで伸びたカッコイイ主翼が組みあがった。
 エンジンはもうすこし太いのが正しいように見えるが、まあいいや。前方に付けるコーンが奥になりすぎるけれども、これもまあいいや。主翼と合わせてみたら、エンジンが前下がり。主翼の取付角も怪しい。まあいいや。などなど、分っても考えないで組む。子供のときは、そうやって作ったのだから、プラモデルはそれでOKなのだ。上反角も、こんな感じかな、で合格とする。細かいことは気にしない。そういう作り方もアリなのだ。
 隙間はテキトウに埋め、プラモデルとしておかしくないように形にする。これって大事なことで、プラモデルとしてしっかり出来ていると、似ているとか似ていないとかに関係なく、立体造形物として存在感がでる。




 塗装は、いつものように筆塗りでテキトウにやる。塗装概要はキットの箱の裏側に色刷りで示されているので、それのように塗る。実機のパターンは・・・なんて、考えない。マッチボックスの示した図のように塗るのだ。子供のときは、いつもそうだったはず。そのころはどんな飛行機でも、機内は暗い緑色、脚とホイールは銀・・・って調子だったし、超大雑把な塗装図と箱絵を見て塗ったものだ。それで充分に楽しかったし、だからこそプラモデルが面白かったのだと思う。50年も経って多少はマシにするけれども、ほぼそれに回帰するだけのこと。プラモデルはそれで良いのである。

 まず下面と胴体側面の水色を塗る。次は、暗い色の 方をそれらしい色で翼の上面と胴体背部に塗る。続いてその色で、胴体側面のインクスポット(この呼称でイイのだ)の土台となる点々を筆で打つ。“まあ乾いたかな”くらいのタイミングで溶剤を使って周囲を溶かし、これでボカシが完了。このボカシは時間をおかずにやることが大切で、翌日になると簡単には溶けなくなってしまう。次が、翼上面の明るい方の色。「先に暗い色、あとで明るい色」にするとシブい発色になる。Me262にはないが、プロペラ先端の黄色なども同様で、この塗装順にすると安っぽくならない。暗い色と明るい色の境目も、ボカす。これは溶剤を面相筆に含ませ、1mm幅くらいで2~3回ほど境目をなぞるだけ。大雑把でよい。これを丁寧にしすぎるとわざとらしくなって、かえって良くない。



 脚柱とタイヤは黒と銀で済ませた。脚柱は黒でしっかり塗って、チョコチョコっと銀を塗る。タイヤは希釈した黒で塗ると成形色が透けて、黒とは言えない色になる。
ホイールは黒をしっかり塗り、銀で軽~くドライブラシして存在感をだす。黒と銀しか使っていないが、それなりになる。

 脚柱の取り付けは、ちょっと強度不足な造りなので、実機のような支柱を追加して強くする。脚カバーも脚柱を支えるように接着しておく。丈夫がなにより、なのだ。
 デカールは古い製造のキットでも、ちゃんと使える。マッチボックス、凄い。まあ、発色はぼ~としているが、気にしない。完成させるという行為のなかでは、些細なことである。

 とか言っているうちに、完成。ちゃんとMe262になっている。塗装もイイカゲンだが、それなりに見える。「合格!」。




 別稿のタイフーンと並べてみると、どう見ても同じ人(つまり私だ)が作ったように見える。色も形も違うのに、明らかに分る。それならば、同じキットを同じマークで作っても、人が違えば別のものになる、という理屈になる。 違うものが出来てしまうのだから、誰それが作ったからヤメよう、などと考える必要はない。プラモデルって、そんなモノなのだ。




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