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飛行機プラモデルの製作

 烈風(青島文化教材社 1/72)

  by 加藤 寛之




 このキットも以前に組んで、Webモデラーズへ投稿したことがある。また、作った。
11月は仕事が忙しく、3回続けて土日に仕事が入ってしまい、別稿のフジミのコルセアが10月末に出来ていただけになってしまった。「もう1機、作るかな」と探して、超カンタンなこのキットに決めた。

 このキット、精密感はどこにもなく、大きな凸リベットは時代を感じさせるし、動翼の線まで凸表現。それなのに、出来上がると不思議なほど烈風に見える。つたなかったものの、どこまでも前向きだった時代のプラモデル、って感じだ。このキットは何度も箱換えしているが、作ったキットは1970年代の200円時代のもの。図柄はゼロ戦そっくりの塗装で、組図に塗装図はなく、デカールは日の丸6個のみ。当時の青島的なおおらかさがあって、妙に好ましい。





 胴体はカウリング先端から垂直尾翼まで一体でつながっている。エンジンはない。前から見ると1ミリくらい窪んだ平面にスピンナーが付く構造。もちろんコックピットはなく、お人形さんを乗せる2本の棒が出ているだけ。カンタンでいいや。本来は尾輪を挟んで胴体左右を接着するのだが、これはあとで突っ込むとして一気に胴体を接着してしまう。この時代のキットにすれば、まあOKな合いの状態だ。

 主翼は外翼が折り畳める。今回は速攻でつくるので可動は選ばずに固定する。まあOKくらいに合う。内翼とまっすぐに接着すれば、別にどうこう言わなくてもいいくらいにはなる。ただ、上下の各パーツの前縁・後縁ともクタクタしているので、これは削ってスッキリさせる。後縁の厚さもすごいのだが、ダルく丸まった後縁なので内側から削ったところで薄くみえない。これは下面からナナメに削り上げてOKとする。後縁を見なければよいのだ。当然のことだが、翼断面形がどうのこうのなど、気にしない。





 主脚は可動だが、胴体側カバーは固定というお手軽な構造。可動を調整するのは面倒なので、これも固定。軸をちょっと加工すれば塗装後に差し込めるので、そうする。脚柱はカバーと一体構造で、なんとなくゴテゴテしているだけ。まあ、現代的方向性で評価するものではない。私的には、手軽でイイな、というところ。
 胴体と主翼は、大き目の隙間が開く。下面の胴体部分は、ガリガリ削った削り粉ごと瞬間接着剤で固める工作を3回繰り返せば、埋まる。問題は上面側のフィレット部分で、すごい隙間。そこでプラ板を隙間に入れて瞬間接着剤で固めて胴体と主翼をつなぎ、パテを詰めて溶剤を拭き取る方法でまとめた。特に困難はない。
 水平尾翼は、胴体にある穴へ、左右一体の1枚モノのパーツを差し込む構造。意外なほど、合う。どう「意外」かというと、隙間はカンタンに埋められる程度にしか開かない。
 プロペラは膨らんだ棒が4本並んでいるよりは、多少マシの程度。薄く、かつ捻りが感じられるように削れば、だいぶマシになる。スピンナーはプロペラと一体なので、プロペラ後方にガタつきが見られるものの、充分にOK。似ているか否かは問わない。
 風防は、思ったよりも合う。どう思ったかが問題だが、ちゃんと接着できたし、隙間も簡単に埋められる程度。

 さて、塗装。箱絵を参考に、ゼロ戦のように塗る。実機がどうだ、など気にしない。今日的知識で、赤丸や赤線も画いて考証感を演出した。
 6個の日の丸デカールは、さすがに使用の限界を超えていて、ようやく貼付。割れや欠損は塗装で補正した。垂直尾翼に何を貼ろうかと探していたら、タミヤの雷電の余りデカールがあった。・・・「赤松中尉」・・・これだ、おお、いいぞ! 乾いたら、半光沢のスプレーをプ~~~と吹いて、完成。





   モデルアート社「日本海軍機データベース①」(2014年)のキット評のように「時代の味を楽しみながら気軽に組める人にお勧め」の通りで、パーツ状態では想像できないほどイイカンジに出来上がる。 しかも、完成まで1日。コルセア同様に、食べて・寝て・お風呂に入り・充分に寝て、ついでに上述の3回土日出勤に加えて4週目の土曜も出勤で残業もしてきた。そんな中の時間で、1日。
カンタンは、キットの立派な価値だと思う。



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