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特集 民間機 

(Photo) de Havilland DH.104 Dove/Devon

by  コルディッツ
博物館実機写真

 栃木県の国道400号に沿いに「塩原ファミリー牧場」というアミューズメント・パークがあり、温泉にレストラン、ミ二ゴルフ場を備えていますが、国道に面した駐車場奥に、デ・ハビランドDH.104 ダブ双発旅客機が鎮座しています。
 このダブはJA5007号機で、1953年に極東航空が導入して国内の定期路線に投入しました。1958年に極東航空は日本ヘリコプター輸送(同社もダブを運航)と合併し、全日空となり、ダブも転籍しています。
 その後JA5007号機は東亜航空に移籍し、沖縄エアラインズへの移籍話もありましたが、東亜航空機のまま1968年に除籍になりました。
 残念ながら私はDH.104が日本の空を飛ぶのを見たことがなく、極東航空も「歴史」ですが、戦後の民間航空史を飾るヒコーキを、しかも英国製という日本ではお目にかかることの稀なヒコーキを、拝観出来たのは幸いでした。
 なおダブ(Dove)は鳩で、後継のヘロン(Heron)は水鳥のサギです。
 本稿はWikipediaと「旅客機」(K・マンソン著、湯浅謙三訳、野沢正監修、鶴書房 昭和46年2月20日発行)を参照しました。

   デ・ハビランド DH104-1B JA5007 4408  東亜航空
 塩原ファミリー牧場(那須塩原市)にて     2019年8月撮影
 DH,104は、第二次世界大戦終結後の大英帝国の民間航空機計画を提言したブラバゾン委員会が、今後必要になるとした5種類の航空機の一つで、デ・ハビランド社が開発しました。戦前から就航していたデ・ハビランドDH89ドラゴン・ラピート(乗客8名)の、更新を狙った短距離路線用のピストン・エンジン機で、全金属製で乗客は11名となっています。
 最初のダブ1は、340hpのデ・ハビランド ジプシークィーン 70-4エンジン装備でしたが、1Bは380hpのジプシークィーン 70-2にパワーアップした機体です。




 デ・ハビランド DH-104-1B CR-TAG
 ダーウィン航空博物館(ダーウィン)にて     2002年2月撮影
 見えづらいのですが胴体上部に「TRANSPORTES AEREOS OF TIMOR」と書かれているようです。ティモール航空輸送会社が拙訳ですが、果たして?


デ・ハビランド DH-104 PH-MAD
 航空博物館(レイスタッド、オランダ)にて      2007年7月撮影
 こちらは「MARTIN`S AIR CHARTER LTD.」、マーチン・エアチャーター(株) となるのでしょうか。「続 飛べヒコーキ」(講談社)の一章「小バトと大バト」で、故佐貫亦男教授は「野球帽をあみだにかぶったような乗員二名の操縦席に特徴があり、客室も大きい窓が各席について感じがよかった」と書いていますが、実機を見るとなるほど、と思います。  


 デ・ハビランド DH-104 6 G-ALFU
 戦争博物館ダックスフォードにて        2008年7月撮影
 6型は2型と同じく乗客6名のビジネス機で、2型は340hp、6型は380hpのデ・ハビランド ジプシークィーン エンジンを装備しています。


デ・ハビランド DH-104 5 OE-BVM
 技術博物館(ウィーン)にて         2016年12月撮影
 5型は380hpのジプシークィーンを装備しました。
 一見液冷エンジンに見えますが、空冷倒立V型です。








デ・ハビランド DH-104 デボン C2 1813/13 ニュージーランド空軍
 交通博物館(オークランド)にて      2017年9月撮影
 軍に採用されたダブはデボン(Devon)と名を変えました、C1は空軍用で、C2はエンジンを380hp のジプシークイーン 70-2に換装したタイプです。





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