大戦前半はUボート主力のVII型やIX型に苦しめられた連合国でしたが、後半になると連合国の対潜部隊が強化(護衛空母や対潜哨戒機など)されVII型やIX型等の従来型潜水艦は苦戦を強いられ、大きな損害を出すことになりました。
これを打開するため、水中高速型潜水艦の建造が急がれました。
船体を大型化(全長76.7m、全幅8m)して水中航行用のバッテリー搭載量を増やし、新開発のモーターの組合せと共に、船体そのものを流線型にして甲板上の備砲廃止や流線型カバー付きの対空機関砲(20mm)を採用する等して水中での抵抗を極力減らした結果、最大水中速力は従来の2倍以上の17.5ノットに達し、更に水中航行時間も6ノットで航行した場合48時間(528km)まで飛躍的に伸ばすことができました。(別名、「電気Uボート」とも呼ばれました) |
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1番艦は1944年5月に竣工し、118隻が建造されましたが、燃料不足や、乗員の訓練不足、初期不良の調整に手間取り、実際に出撃できたXXI型は少数で、終戦までの間に目立った戦果は上げられませんでした。
しかし、水中行動を主とする設計思想は、近代潜水艦の基本型として戦後多くの国の潜水艦の設計に影響を与えました。
また、魚雷発射管に初めて自動装填装置を装備し、10分で6門全ての再装填が可能となりました。
水中高速潜水艦の能力を最大限に発揮するために、探知用と攻撃用の2つのソナーから送られたデータを電気信号で自動的に解析することができる魚雷射撃用の指揮装置を搭載し、潜望鏡を用いない全没状態での攻撃でも十分な精度を発揮したようです。
その先進性から、戦後も西ドイツだけではなく、フランス、ソ連、イギリスなどで暫くの間運用されました。 |