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誌上個展

   1/72で綴るソ連レシプロ戦闘機の系譜

   第11回(最終回) La-11 (MPM 1/72)  

by akaihoshi2004

 第二次世界大戦におけるソ連戦闘機は従来、性能が低く見るべきものが無いとされて来ましたが、実は大戦末期にはドイツ機と肩を並べるほどに発展していました。このシリ-ズではソ連の単発レシプロ戦闘機に焦点を当て、1/72の模型を使って概ね年代順に辿って行きます。 


 La-11は第二次世界大戦初期から連綿と続いたラボ-チキンレシプロ戦闘機シリ-ズのアンカ-であり、かつソ連最後のレシプロ戦闘機です。初飛行は戦争が終わった2年後の1947年でした。内容はその前年に初飛行したLa-9の航続距離延伸型で、機内燃料タンクが増積され、翼端に付く増槽と合わせて2,200Kmの飛行が可能でした。しかしその分、飛行性能はLa-9よりいくらか劣っていて、ソ連最後のレシプロ戦闘機ながら、最高峰の座はLa-9に譲っています。



 BOXア-トは滑走路をタキシング中のLa-11と奥にもう1機、離陸直後とおぼしき機体が描かれています。滑走路が濡れていて背景のグレ-部分も雨雲を連想させるから、雨の日の情景を描いたのでしょう。だとすれば全体にコントラストが低く霞んだ様に見えるのも頷けます。実際のパッケ-ジは絵が印刷された紙が白無地の箱に糊貼りされているのですが、その印刷の質が悪くて余計霞んで見えます。機会があったらぜひこれの原画を見てみたいものです。



  La-11はLa-9の派生機であり、外観上の違いは僅かです。そのため模型ではコンバ-ジョンが可能で、実際MPMのキットは1つのパッケ-ジでLa-9か11のどちらかを選択して作る方式になっています。この手のコンバ-ジョンキットでありがちな欠点として、両方の型の相違点の部分がどちらともとれる曖昧な形になっていることがあります。このキットでもそういう部分がありました。



 このキットの曖昧形状部分は機首下面です。La-9では機首下面が主翼下面と一直線に繋がるのに対し、La-11ではそこにオイルク-ラ-があるため膨らんでいます。キットの機首下面は主翼下面から中途半端に出っ張っていて、La-9にするためには出っ張りを削り、La-11にするには逆に盛り上げてやらなければなりません。作例ではプラ板とエポキシパテで2mmほど盛り上げています。



 実機の塗装は全面ライトグレ-という機体が多かった様です。いかにも戦後の機体という感じがしますね。作例ではクレオス#73エアクラフトグレ-をボトルストレ-トで吹付けた後、動翼部を若干暗めに塗ってアクセントを付けています。塗装の剥げは銀ではなく、クレオス#31軍艦色(1)をパネルラインに沿って点描したところ、まずまずの雰囲気が出せたので自分では満足しました。



 キットのデカ-ルは激しく黄ばんでいましたが、黄色なら黄ばんでいても分からないので黄色い機番の「07」のみ使用。赤い星のマ-クは手持ちのストックから大きさの合うものを見つくろって貼りました。


 本シリ-ズ「1/72で綴るソ連レシプロ戦闘機の系譜」は今回で最終回です。11回に渡りお付き合いいただき、ありがとうございました。掲載していただいたwebモデラ-ズ編集部に心から感謝致します。

 下記アドレスは本稿の筆者のホームページです。ご興味がありましたらどうぞご覧下さい。
http://w01.fitcall.net/akaihoshi/


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