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特集 タミヤの航空機プラモデル

パフィンMk.Ⅱa(三菱A6M3援英供与機)(タミヤ1/72)

  by 寿



 「パフィンMk.Ⅱaてなんじゃい」
 それは二次大戦劈頭、近代的な空母艦載機が無かった英国に供与されたゼロ戦の32型です。
 なにそれ聞いたこと無いよと思うのは当然至極。わたくし寿の妄想なんだから当然です。史実ではそんなもの全く全然影も形もありません。
 今も新作が出ているのかどうか知らないけれど「提督の決断」という名のシミュレーションゲーム(バージョンは忘れちゃった)がありまして、そこで用意されていた「もし日英同盟が続いていたら」というifシナリオが今回の元ネタです。



 おお、なんかそれってそそるシチュエーションじゃね。対米戦に友軍として英国が加わってくれるなんて心強い限りだよ。でもイギリスは装甲空母や新鋭の戦艦巡洋艦と艦船郡は実に立派なんだけれども艦載機が極めてショボい。ワイルドキャットやデバステーター相手にバトルやソードフィッシュで正面切ってってのは辛すぎる。
実際ぼこすかにやられちゃったし。惜しい、惜し過ぎるよ。英国空母にゼロ戦や97艦攻が乗っていればと歯噛みしたのは一度や二度じゃなかったからね(ゲームの設定で無理だったのよ)。だもんで「じゃあこういうこともある、否、あるに違いないってか普通そうするだろ」と発奮しちゃったというのが事の次第。



 でも何で32型なの?って疑問は出て来るでしょう、やっぱり。いやぁ~そこら辺もちょびっとね色々と妄想しちゃった訳ですよ。
 実際に日英同盟が続いていたら英国得意の政治的なアレやコレやらで日米開戦が少し遠のいていただろうし真珠湾攻撃じゃなくって別のやり方で開戦したんじゃないかしら。中国に関しては日本も英国も米国も帝国主義バリバリだったし妥協があってもきっと何処かで衝突したと思うしね。だったら危機感は有りつつも時間的余裕が生まれて史実よりもたくさん生産出来た訳でそれなら英国に供与出来るかもしんない。そして時期的にも艦載機は二号戦(32型のことだね)が主力だろうって理屈です。
 ニュージーランドやオーストラリア界隈は英連邦の影響下だからその協力で基地の設営能力が補填(同盟国の基地に間借りって手もあるな)されれば「二号戦問題」は発生しなくなっちゃう。そうなると22型そのものが存在しなくなるから最新鋭機は32型一本って訳ですよ。史実よりも南方が安定するから統治下の台湾あたりに工場新設って手もあるしねぇ~



 まぁ単純に32型を英国空母に乗せたいとただそれだけのことなんですけどね。タミヤのゼロ戦がすんごく出来が良いもんだから「いつものように塗るのはもったいない。なんかちょびっと毛色の変わったモノを」って思っちゃった訳です。
 
そこでね「日の丸以外のゼロ戦ともなればやっぱ蛇の目か」と。「そういや昔やったゲームにああいう設定があったな」と。思い出しちゃった訳ですよ。
 あの頃の渇望を。
 あの時の願望を。
 やらずにはいられなかった訳なのです。「もうこれしかない」って感じで。誰しもそんな衝動はあるよね?ね!(たのむ、あると言ってくれぇ~)



 ちなみにパフィンというのはヨーロッパ北部や北極圏などに住むちょびっとペンギン似の海鳥です。でも似ているのは姿形だけで飛ぶのは上手いし潜水だって出来ちゃう。和名はニシツノメドリというそうです。カラフルなクチバシと愛嬌ある姿でわりとツボ。 マートレット(イワツバメ:英国的ワイルドキャット)だのターポン(イセゴイ:英国的アベンジャー)だの空母運用機には水にちなんだ生き物の名前をつけるようなんで「エゲレスのゼロはコイツじゃ」と付けてみました(Mk.Ⅰaは21型ね。補給なんぞの問題で99式20ミリをイスパノ20ミリに換装したら多分それはMk.Ⅰb)。個人的には割と気に入ってます。戦闘機っぽくない?ん~聞こえんなぁ。そこら辺も含めて英国風味ってことで



製作の詳細

(写真1)いつものようにランナーに付いた状態で塗れる所だけ塗っていきます。ヒケやらバリやら一切ないクリーンで緻密なパーツたち。総パーツの9割がわずか二枚のランナーにまとまっております。見慣れちゃったけれどやっぱり「凄い」の一言に尽きるよね。

(写真2) コクピット左右のパネルを塗れば胴体は貼り合わせる事が可。床面や計器板が後はめってのは地味だけれどもやっぱり嬉しいパーツ分割じゃね。組み立てがぐいぐい進んじゃうよ。


(写真3) 組めばまぁこんな感じ。シートベルトは何も考えずにデカールをぺたり。「デカールのシートベルトを貼るくらいなら何も無い方がマシ!」って吼える人(友人のグスタフ氏だ)も居るけれど、どーせキャノピー付けたら見分けなんて付かないんだから別にいーぢゃん。お手軽さも大切なキットの資質だよ?てな訳でコクピットはこれで終了です。

(写真4)脚庫を塗ったら赤褐色でスミ入れして三菱系コクピット色でだーっと下塗り。この状態だとなんだか鮮やかに過ぎて目に痛い感じだ。確かイタリアの艦底色がこんな色合いだったよーな。


(写真5) この時期のエゲレス艦載機は下面色がほぼダッグエッググリーンだからゼロ戦の灰緑色でも無問題。だもんで二層目は中島系コクピット色で塗り進めていきます。とーぜん上塗りはエアブラシで灰緑色ね。

(写真6) 下面が塗れたら上面に移行。基本塗り分けはモノホンの援英機F4Fマートレットに準ずるから色合いもそのように。寿的にはこれが下地となります。


(写真7) 基本色が塗れたらてきとーに明度を上げた色でグレーとオリーブドラブ的な迷彩をちまちまと補填。塗りつぶすんじゃなくってむしろムラを残すようにしておくのがツボじゃね。

(写真8) 迷彩ごとに下地と中間色との混色を作ってエアブラシでぷーと吹く。薄目に作っておくのがミソで筆目を残すようにしとくのが寿クオリティ。後はエナメルでスミ入れした後にデカール貼ればこれこのたうり。エンジンの出来がすんごく良くってカウリングで隠れるのが惜しいよ。だもんでこの状態で一枚パチリ。おおぅ、なんかメカニカルで良い感じじゃ。このままペラ付けて「カウリング無しのゼロ戦」ってのを作りたくなっちゃうね。空気抵抗や冷却には不利(カウリングはエンジンまわりの空気を整流して冷却性を向上させてくれる)なんだろうけれどこれはこれでかっちょよくね?


(写真9) そんなこんなで完成であります。32型って翼端ちょん切ってあるぶん日本機らしくないシルエットなもんだからこっちの塗装の方が似合うような気がする。そう思うはわたしの欲目?あるいは32型のファンとしての願望なのかしらん。どっちにしても「またかっちょええヒコーキを作ってしまった」と自画自賛することに変わりはないんだけどねw





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