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 三菱J8M1試製秋水(ファインモールド1/48) 
三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所資料室復元機

by 福田 道章

 秋水はMe163コメートを参考に製作された日本初のロケット戦闘機です。
最初は輸入してコピーしようとしたようですが、積んだ潜水艦が撃沈され、漸く持ち帰った僅かな資料をもとに陸軍と海軍、民間企業が一丸となって約1年で初飛行に漕ぎ付けました。
 初飛行は上昇中に突然エンジン停止し(設計上の不備や燃料搭載量が過少だったためとも)滑空中に家屋に接触して、不時着大破しました。次回の準備中に終戦を迎えました。
すべての努力は水泡に帰したように思われましたが、このときのロケット開発の基礎研究は今日の商業用ロケット開発の礎となっているそうです。
 戦後土木工事中に偶然製作途上の残骸が発見。その後三菱重工業にてレストア(一部フレーム以外はほぼ新造)され現在は大江時計台航空資料室に展示されています。(入館には要予約で写真撮影ができません)
 
前述の資料館(秋水以外にも零戦五二型復元機や数々の資料、三菱歴代製造機のソリッドモデルが展示)を見学した勢いで製作しました。
実は製作途中まで、この限定生産キットの存在を知らず、初期ロット(1995)のキットと別売りエッチングパーツをベースに製作していました。
ほぼほぼ出来たところで本キットを手にして、資料もディテールアップパーツもキットに入ってることに愕然としました。
まあ今後オレンジイエローの初飛行時か鹵獲機を作ってみたいのでよしとします。



 シンプルなパーツ構成でエンジンも再現されておらず、簡単そうにみえましたがパーツの合いがイマイチで苦労しました。
コクピットはエッチングのシートに見合うようになるべく詰め込みました。ボンベ一本はシート裏に位置替えしました。
キャノピーは厚みが気になりましたので端を薄く削って磨き倒して使用しました。(バキュームフォームする技術が無いため)
羅針儀(照準器左)と30ミリ機銃は新しいキットの物を使用しております。
機銃付け根は塗装後緩くしたパテを塗ってキャンバス地ぽくしてます。
機体にところどころバルジがついていますが控え目なので、合わせ目成型後に伸ばしプラ棒等で作り直しました。 





 エレボン、トリムフラップは切り離して断面をプラ棒とパテで作成し角度をつけました。
フラップは切り取って洋白板とエバーグリーンのプラ材から新規作成しました。
機体側内部色で塗ってますが、明灰色が正しいです。
 エンジンノズルは後でと思ったら形状的に入らず適当なパイプも見つからなかったので、削って仕込みました。アンテナ支柱も然りです。橇もエッチングパーツですがここはプラパーツでもよかったかも。



 機体上面色はキット指定のクレオス312グリーンFS34227イスラエル空軍色です。当時の色がはっきりせずあとで塗り替えるときに邪魔にならないようにとのことですが、これはこれでなんかいいです。暗緑色よりいいです。
下面はクレオス35明灰白色にスカイブルーを足して使用。写真で青っぽくみえるので。
展示機は普通の灰色に見えました。
日の丸はつや消しにしたモンザレッドです。
 コメートは深紅の有名な機体がありますが、秋水、秋草滑空機にも全面赤に塗るプランがあったようです。
練習用重滑空機(エンジンや武装、燃料等を想定したウエイトを搭載したグライダー)の曳航には天山艦攻(彩雲とする資料もあり)が使用されたようですが、曳航機も作ってみたいです。




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