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スピット・ファイヤー、メッサーシュミット
メーカー不詳(尾高産業?) 1/150(?)
by
加藤 寛之
ある日、PC画面にオススメ商品に出て、思わず買ったのがこれ。メッサーシュミットの絵に見覚えがあったのだ。『20世紀飛行機プラモデル 大全平塚コレクションの世界』(文春ユネスコ、2004年)p.15 に、尾高産業の零戦とメッサーシュミットのセット商品でこのメッサーシュミットの絵が紹介されていたのだ。故に、尾高産業由来のキットである可能性が高いが、箱にメーカー名はない。尾高産業由来のキットであるならば、スケールは1/150とある。
凄い箱絵だ。スピット・ファイヤーとメッサーシュミットなのだそうだ。写真を1枚でも見ていたら、もう少し似ていると思う。
中身は、胴体+主翼+水平尾翼+主脚2つ+プロペラ=全パーツ、だ。今回は、整形はするが改修はしない、で作ってみた。
胴体が事後変形でひどく曲がっている。そのまま使う。パーツはバリの中にある。子供がカミソリやナイフで切り出せたとは思えない。主翼は胴体下面に入らないし、入ったとしても隙間ガタガタ。
水平尾翼を垂直尾翼に空いた穴に突っ込むにしてもバリが邪魔している。主脚が取り出せたとしても、主翼に接着できたとは到底思えない。・・・当時の子供に出来たとすれば、当時の子供の工作力は驚異的だ。でも、充分すぎる大人になった今では、組めた。
組んだら塗装。とりあえず、それなりにしっかりと塗る。
スピット・ファイヤー:4枚ペラだから、緑と灰色の雲形迷彩にした。下面は灰色。側面のアルファベットは、当時の知識ならば、蛇の目マークの前に2文字、後ろに1文字が普通。名前に似せて、「KA◎T」にした。
メッサーシュミット:この時代のメッサーシュミットの色は、上面ダークグリーンとブラックグリーンで、下面は水色、側面は水色にインクスポット。これが常識だから、そう塗る。
デカールがないので、マーク類はテキトウにフリーハンドで描いた。
出来た。箱絵ほどではないが、似てはいない。この塗装だから、スピット・ファイヤーとメッサーシュミットに見えるに過ぎない。だが、そもそも「塗る」という行為が、このキットに相応しいのかと思う。まあ、愛情だ。
酷いキットだというのは易しい。だが、この水準からプラモデルは成長したのだ。進化の過程で絶滅した製品だとしても、それは進化に必要だった。
私たちに求められることは、温かく易しい心で作ってあげることだと思う。
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