コックピットはバスタブ型で、これに上部の見えるところだけの計器盤でオシマイ。私は、こんなに小さい風防ならば中は見えないと知っているので、バスタブは塗りもしないで組み込み、あとで筆を突っ込んで塗ることにした。そうすると、すぐに左右胴体を接着できる。もちろん、計器盤は省略した。
カウリングは、僅かだがカウルフラップ附近に金型の疲れがみられる。軽く整形し、カウルフラップの筋彫りを整えた。
主翼は脚庫をちょっと窪ませた平面で塞いでいる。深さは異なるものの、実機に似ていなくもない。というよりも、これは機内まで見えることを塞ぐ蓋であって、主翼の上下パーツをすぐに接着して組み上げられることを優先した工夫だ。この時代は下面から胴体内部が見えてしまうようなキットが多かったから、明らかな改善なのだ。私は、これで全く問題なし。完成品を置いたときに下面の脚庫内部まで見える人は、日本人に少ない。 |
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それよりも、前縁の丸め方がいい。主翼っぽい。尾翼断面もいい。それっぽいのだ。見えるところを大切にしている。細部再現は凄いが、肝心な飛行機としての基本の形が疑問の製品が少なくないなかで、数十年前のキット制作者は分っていたのだ。
おもしろいのは脚カバーで、閉状態で成形してあり、開状態にするには溝に沿って切断して使う。これも時代性がある考え方で、当時のキット水準では、バラバラでパーツ化すると閉状態にしたときにガタガタだった。一体成型は他社にも見られたもので、ハセガワの前向きな提案だった。 |