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特集 イタレリ

  フィアットCR42 LW(イタレリ1/48)

  by 平針みなみ Minami Hirabari



フィアットCR42 LWについて
 イタリアが1943年9月に連合軍に降伏すると、ドイツ軍はイタリア軍の装備の接収、自軍への配備を進め、CR42については低空での運動性能などが良好であることから、夜間襲撃機とすることとし、200機をフィアットに発注するも戦況により110機程度しか調達できなかったそうです。
その仕様の外形的な特徴は、消炎排気管の装備、エアインテークの防塵フィルター装備、車輪カバーの短縮、両翼に各1爆弾架ETC50を装備、SC50爆弾を2発搭載など。


イタレリ1/48のCR42のキットについて

  まず「C.R.42 LW」のキットが2006年に出て、2008年には北アフリカ戦線向けの「CR.42 AS」が出ています。またこの年には、スーパーモデル版の「CR.42 LW and AB41 autoblinda」という空陸のコンボキットも出ています。そして2014年には「CR.42 Falco ACES」が出ています。
タミヤからは限定版として、「フィアットCR42 LW 夜間襲撃機 ドイツ空軍」が2007年に出ています。新規パーツとして主脚カバーをすべて取り外した脚柱が入っており、さらにタミヤ製のパーツ(SC50 50kg爆弾2発、ジェリカン・ドラム缶セット)、主脚カバーをすべて取り外した第107戦闘航空団の黒の86番用のデカールが入っています。


製作にあたって

 CR42のコックピットの開口部はかなり狭く、オープンコックピットの割には内部がよく見えないので追加工作は省略。ただ照準器のレフレクター(反射ガラス)のパーツが見当たらなかったので透明プラ板で追加しようとしたら、なんとウインドスクリーンの前面にモールドしてありました。
機内色はグリーン系ではなくライトグレーのとのことで、タミヤ版はXF66、イタレリはモデルマスターのライトゴーストグレーが指定されています。どちらも持っていないので、Mr.カラーのホワイトにニュートラルグレーを混ぜたものを塗っておきました。その後見つけた資料によると1942年からGrigio Azzurio Chiaro 1(ライトブルーグレー)になっているようです。細部の塗装指示は両社で食い違いもあったので、タミヤの指定を基本としました。
シートベルトは時間の都合でデカールをそのまま使いました。
ベンチュリー管の前後がわかりにくいが、短い方が前で長い方が後になるように取り付けます。
動翼の作動索は、キットのプラパーツでは太めなので0.2ミリのピアノ線に置き換えました。そうするとアームの方がかなり太く見えてきますが今回はそのままとしました。
主脚スパッツ上部に足かけの滑り止めなのかスジが3本あるので、これも短く切ったピアノ線を貼り付けて再現しました。
キットの組立説明書にはピトー管を上翼前縁に取り付けるようになっていますが、CR42では一番外側の左右の翼間支柱にピトー管が取り付けられていることが多いので、これは使わずに前縁の取り付け穴を埋めておきました。
張り線は、翼間支柱の一番外側の2本に交差させて張られています。
爆弾架ETC50はイタレリのキットにパーツが用意されていますが、爆弾SC50は入っていません。タミヤ限定版の方に入っているタミヤ製の爆弾パーツを取り付けました。キットの爆弾架の凸パーツを削って、爆弾と爆弾架の取り付け間隔を詰め、振れ止めを伸ばしランナーで作って取り付けました。
なお、CR42について「胴体は溶接鋼管骨組みに羽布張り」と説明されていることがあり、誤解される向きがあるようで、ネットでCR42の作例を見ていたら「溶接鋼管骨組みに羽布張り」にこだわってコックピットの側壁のパーツを使わずにプラ棒で鋼管を組んでいたケースがありました。実機の羽布張り部分はコックピットより後方です。


塗装

イタレリとタミヤの指定を付き合わせて塗ってみました。
上側面はMr. カラーC309グリーンFS34079にC117(RLM76)の斑点、もう1色のブラウン系の斑点はタミヤエナメルXF-10フラットブラウンとXF-52フラットアースを半々に、少しホワイトを足したもの、下面はC117(RLM76)にRLM74、RLM75の小さな斑点。プロペラはブラック、スピンナーはC309とタミヤの指定のようにしました。
デカールはキットのものを使用しましたが、イタレリ、タミヤともにスワスチカが入っていなかったので、手元のジャンクデカールから1/72のFw190のものを貼りました。

 塗装し終わってから、CR42 LWの迷彩は「D1A」パターンであると書いてある資料を見つけました。これはフィアットG50やG55にも施されているイタリア機の迷彩パターンで、上側面色はVerde Oliva Scuro 2(ダークオリーブグリーン2、近似色:FS34052)の地にNocciola Chiaro 4(ライトヘーゼルナッツ4、近似色:FS30219)の斑点、下面はGrigio Azzurio Chiaro 1(ライトブルーグレー、近似色:FS36307)。これらのカラーはイタリア機の迷彩でおなじみのものでした。これに上側面はライトグレーの大きな斑点を、翼下面にはグレー、グリーン系の細かい斑点を加えています。これらのカラーについてのはっきりとした情報は得られていませんが、ドイツ側のメカニックがRLM74、75、76を使用して施したという説があります。また、下面についてもRLM76で塗っているとの説があります。


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