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(Photo) RSOトラクター

by  コルディッツ
博物館実機写真

 RSOはドイツ語のRaupenschlepper Ost の略語で東部用装軌式牽引車を意味します。1941年6月にソビエト侵攻に踏み切ったドイツ軍は、その年の後半、ロシアの深い泥土や雪中のため非装軌車輌による補給が途絶、あわや東部戦線崩壊の危機に陥りました。これに懲りたドイツ軍は、翌年シュタイアー社に戦略物資使用を切り詰めた、低コストの多用途トラクター開発を指示します。 これに応えて開発されたのがRSOで、最大速度は 30km/hと低いものの、広い履帯を使い、泥土や雪による支障を最小限に抑え、補給任務を遂行しました。生産性の良さも作用し3形式25,200輌(27,792輌説あり)が生産されています。東部戦線用に製作されましたが、ドイツ軍の全戦線で運用され、補給用途以外にも牽引重量1.5tを生かし、対戦車砲や重迫撃砲の牽引にも活用されました。
※ 本稿は博物館の表示とWikipediaを参照しました。

 RSO/01型 WH-123727
 自動車・技術博物館(ジンスハイム)にて  2020年3月撮影



 01型は丸みを帯びたキャビンで、愛嬌を感じます。
 シュタイアーV8 ガソリンエンジン(85仏馬力)搭載。




 同博物館にはフィールドグレイ単色のRSO/01 も
展示されていました。ナンバーは不明です。


 ドイツにあるまじき(?)簡素な走行装置とグランド・
クリアランスの大きさ(55cm)は目を惹きます。



 RSO/02型と03型は生産性を高めるため、キャビンを直線に
改良、ドアと天板を外しています。実戦的と思いつつも、どうも
貧相に見えて… 03型はエンジンをドゥーツ(Deutz)社製4気筒
ディーゼル(66仏馬力)に換装しています。

 RSO/03 WH 551162
 軍事史博物館(ウィーン)         2016年12月撮影




  02型に7.5cmPaK40対戦車砲を搭載した自走砲が製作されて
います。
 RSO/PaK40 WH-035175
 ドイツ戦車博物館(ミュンスター)にて   2013年11月撮影





  キャビンを撤去し、運転席周囲に5cmの装甲を施した上部
開放型の自走砲。先行量産型の実地評価は低く、量産には
至りませんでした。 先行量産型は砲を下ろして、装甲装着の
まま、輸送型に戻されました。ドイツ軍はこの様に「こじらせる」
ことがお得意のようで。
 RSO/PaK40 を輸送型に戻した車輌。 No不明
 自動車・技術博物館(ジンスハイム)にて  2020年3月撮影








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