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  F4U-5N コルセア (フジミ 1/72)

  by 加藤 寛之



 フジミのコルセアは、私は過去に2回(だと思う)「Webモデラーズ」に投稿しているし、Webモデラーズ編集長の田口氏も作っている。なぜか本誌で(二人だけだが)人気のプラモなのだ。
 1960年代、レベルのファイターシリーズが全盛だったころにフジミが「ワンハンドシリーズ」№12「F4U-5Nコルセア」として商品化した。その前に「4」型が発売されている。シリーズ名の「ワンハンド」は「100円」ということだろう。発売されたときは1/70だったが、いつのまにか1/72表記になってシリーズ番号も変わっていった。
比べたことはないが、商品としての「4」と「5N」は、カウリング先端とレドームパーツくらいだと思う。それで通用した時代の製品だ。ただし今回は、後述の事情でレドームを接着しなかった。よって、表題の「N」はキットの商品名ということ。
 このキットは、よく見ると(すぐに気づくが)正確さという視点では、実機と相当な差異がある。だが、「コルセアってどんなヒコーキだっけ?」の印象には、なかなかの水準だ。それだけでなく、丈夫でカンタンなのだ。



 部品の合いや構成は、この時代では上出来の水準だ。しっかりと組める胴体の構造は特に素晴らしい。コックピット下面側の、主翼に隠れてしまう部分にまで胴体パーツがあることで、主翼との接着が強固になって上反角がガッチリ決まる(正しいかどうかは別)。水平尾翼は左右一体の1枚モノで、胴体に開いた流線型の穴に差し込むのだが、これまた良く合うし、主翼との関係が捻れない。これらのことで、飛行機としてのカタチが実によく決まる。パーツ毎に多少のずれはあるが、問題になるほどではない。
 今回の製作は、Webモデラーズ編集長の田口氏の製作に刺激をうけてのもの。何も考えずに開封し、灰色塗装と決めて作り始めた。この型式が灰色でいいのか、ということはあるのだが、気にしない。コルセアなら、私はそれでよいのだ。それでも参考にした灰色のコルセアにレドームはなかったので、これは装着しなかった。



 塗装は、『世界の傑作機』№88「ヴォートF4Uコルセア」所収の写真と塗装図を見て、「まあ、これでいいか」で塗った。私の基準では、それなりにまじめに塗ってある。風防周りはガタガタなので、それなりに見えるように塗装でごまかした。デカールはキットデカールと他キットの余りから、色と寸法で選んで超テキトウに貼ってある。 何であるのか知らない機首のマークは、50年前に買ったエッシーデカールを貼った。このデカールの購入から50年経過していて劣化がひどく、貼ったらガタガタボロボロになってしまった。キットの世代に合わせて使ってみただけなのだが、やめればよかった。



 そんなこんなで、完成した。
灰色のコルセアは、子どものころにホークのキットで知って以来、ずっと塗ってみたかったもの。塗装嫌いの私にはメンドウな塗装なのに加えて、何型なのか? 塗装の細部は? マークはどうする? などにとらわれて作っていなかった。
「…なんだ、テキトウに作ってもそう見えるじゃないか。」
 プラモデルは工業製品としての精密とか正確だけが価値ではない。「自分が楽しい」ことは立派な価値だ。


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