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A-4Eスカイホーク (フジミ1/50)
by
田口博通 Hiromichi Taguchi
かなり以前にカタログ落ちしてしまったフジミの1/50 A-4Eスカイホークです。思い切って未完箱から回収し購入から半世紀以上の時空を超えてやっと完成しました。
このフジミの1/50スカイホークは50年以上前の1968年春にリリースされ、かっちりしたモールドと正確なフォルムでリリース当時は各雑誌で名キットと評判が立ったキットです。
発売後すぐ、モデルアート1968年6月号に「A-4Eスカイホーク その組み立てと改造」という筑前太郎氏による製作記事が掲載されました。ここで改造というのは、前縁スロット翼、主翼フラップと胴体後部両側のエアーブレーキを開状態にするというものです。
当時、中坊だった私は、それを読んで、無謀にも自分にもできるに違いないと考え、主翼をカッターナイフでフラップを切り離しました。(当時、現在のNTカッターナイフが四国高松にも出回り始めた頃でした)
主翼のスロット翼を切り離した跡には製作記事に「タミヤの1/72日本戦闘機シリーズのスタンドが寸法といいRといい手頃なのでこれを使用した」とあったので、その通りにやっています。それだけ、当時の製作記事の影響力は大きかったのでした。
エアブレーキも主翼と同様にカッターナイフで苦労して切り離し、内側の箱形のものはセルロイドの下敷きを切って、接着剤が効かないものだから、外側からセロテープで補強して胴体内部に接着しました。(当時はまだタミヤからプラ板が発売されていなかったので)
胴体と主翼を接着し 士の字に、そして完成へ一直線・・・となるはずでしたが、その年を越し、高校受験でプラモデルどころではなくなってしまい、一時保留のつもりで、また 箱にしまい、、、また、あっというまに大学受験がやってきて、、
その後 時代は高度成長、オイルショックと移ろい、1970年代にモノグラム48 A-4E/Fが、また 近代になってハセガワから決定版48 A-4C/E/F,TA-4F とリリースされてきたため 当然ながら目がそちらに向かってしまいました。結果的にフジミ50 そのまま 永い眠りについてしまったのであります。
素晴らしいタッチの箱絵
(1/50表記で 古いフジミのロゴマークが左にあります。発売当時300円でした。)
の
製作の再開
さて、時代は昭和、平成、令和とあっという間に半世紀経過。今年は 経済繁栄を謳歌した平和な令和から一転し、激動のコロナ籠りです。変に時間ができたこともあり、「死ぬまでに作りたいキットリスト100」に入れていたなと思い出し、古い箱を取り出しました。50年以上経過したにかかわらず、状態は比較的よかったものの、前脚が折れ、痛かったのは水平尾翼がどこかに流失したのか無くなっていたことです。完成のためにはしょうがなく、ヤフオクでポチッと1キットを入手しました。(フジミ1/50ジェット機シリーズはいつのまにか絶版になっていてヤフオクで中古キットしか入手できないからであります。)
下は新しく入手した中古キットのモールドです。デカールは残念ながら黄変しておりました。
胴体部品
主翼部品
水平尾翼などの部品
ここ50年の進化として、モデルアート臨時増刊346や世界の傑作機など資料が揃っています。
「フジミキットの欠点は垂直尾翼先端が丸く落ちていることで、必ず修正が必要」など の後年評価も目につくようになりましたので、垂直尾翼が若干短くなることを承知で削って先端を尖らせました。
シートもかなり違う形状なのですが、コクピットとシートは組み込み済みで後加工の方法も無いので、形状はそのままで、つやけし黒に塗ってごまかすことにしました。
上面ガルグレー、下面ホワイトのNAVYカラーをエアブラシで吹いて、インテークリップ、スロット下側とエアブレーキ内部を赤で塗装しました。垂直尾翼先端はグリーンです。
塗装はもちろん箱絵のコーラルシー搭載機としたかったのですが、デカールが黄変して使える状態ではなかったので、インクジェットプリンター用デカール用紙を使って自作することにしました。
デカールの自作は
2019年10月号のA-10サンダーボルト記事
と同様ですので、ご参照ください。
余白が黄変したデカールをスキャンして、画像加工し、インクジェットプリンターで印刷すると 新造デカールが出現します。
余白が黄変したデカール
スキャンデータから画像加工する
インクジェットプリンターで印刷した新造デカール
左はホワイトベース用紙、右は透明ベース用紙を使用。
新造デカールを貼って、50年以上の歳月を経て 見事 完成となりました。
脚関係はしっかりしたモールドで 脚カバーも確実に接着できました。フラップのダウン状態での接着は真鍮線で補強してあります。
主翼前縁スロット、エアブレーキ、フラップダウンしてあるので、あたかも後年のモノグラム48のように見えますが、フジミ50です。
48A-4系はこれまで各社作りましたが、1/50フジミが完成したのは初めてです。武装パーツはパイロンも含めてぶ厚くごつい印象で雰囲気を壊すので今回は省略しました。
機体と翼はスタイルが非常に良く 基本設計がしっかりしていると感じます。
付属デカールが使えなかったので あきらめていた箱絵のコーラルシー塗装ですが、思ったより簡単に実現ができました。
積みプラしている間にデカールが使えなくなり製作をあきらめてしまったキットをたくさんお抱えのご同輩モデラーの皆様、付属デカールのスキャンデータを基にしたデカールの新造 ぜったいお奨めです。
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