Home  > The THREE STOOGES 1940 FORD SEDAN DELIVERY (amt 1/25)> 特集 温故知新>2021年3月号

特集 温故知新

The THREE STOOGES 1940 FORD SEDAN DELIVERY (amt 1/25)

by 五六式(TYPE-56)



 特集”温故知新”に合わせて「3ばか大将 」1940フォードセダン デリバリーを製作しました。キット自体は,発売後10年も経っていませんが,初版発売は,50年以上前だし,実車も,五六式が今まで製作したプラモの自動車のなかでは最古のものとなっています。

<「3ばか大将」と1940 FORD SEDAN DELIVERYについて>
 「3ばか大将 (The THREE STOOGES)」は,1930年代のアメリカの喜劇映画とそれから派生したTV番組。戦後,日本でTV放送が始まったとき,番組不足を補うため(別の意図もあったようだが,詳しくは言及しない),多くのアメリカのTV番組が放送された。そういう経緯で,「3ばか大将」も,日本で何度か放送されたことがある(1963年~)。

 3人の主人公は,以下の通り

カーリー 丸坊主で太っちょ。いつもおばかなことをして騒動を起こす。
モー おかっぱ頭のカーリーの兄。リーダー面をしてカーリーをどつく。
ラリー(ポンコツ) カーリー達の巻き添えをくってひどい目に遭う。

 The THREE STOOGESを和訳すると「おとぼけ3人組」(「お笑い3人組」っていう番組があったなぁ・・・温故知新・・・。)ぐらいになるのに「3ばか大将」は,言い過ぎではないのかな?



1940年型フォードは,V8エンジンを搭載した戦前のアメリカの人気大衆車(V8エンジン搭載で大衆車・・・汗・・・。当時のエンジンの技術では,大排気量でないと必要な出力が得られなかったということもあるのだろう。)。2ドアクーペ,4ドアセダン,デリバリーバン,トラックなど,豊富なバリエーションがある。2020年の時点で,80年も前の車であるが,レストアされて走行可能な個体もあるという。それにしても,日本の農家では,牛や馬を使って農作業していた時代に,アメリカの農家では,V8エンジン搭載のトラックに乗っていたのかと思うとちょっと悲しい・・・涙・・・。

<キットについて>


 本国での発売は2012年で,日本での発売は,2013年・・・ということで,21世紀の近代的なキットかと思ったら大間違い。その起源は,1968年までに遡る(Web サイト“SCALE MATES”調べ)・・・うわぁ・・・。

 1940年型フォードが「3ばか大将」の劇中に登場したということらしいが,詳細は不明。専用のデカールが「3ばか大将」対応ということになっている。ホイールが2種から選択でき,エンジンが3種類に作り分けられる,タコメーターなどのオプションの部品も入っているなど,様々なカスタムが可能で「3ばか大将」にこだわらなければ,製作者個人の好みの1台に組み上げることが可能なキットである。



※ デカールには,豊富にステンシルが用意されている。箱絵の塗装のために切り取った後もいろいろ使えそう。

<製作>
 プラッツによる輸入品で定価が5000円超のキット(某密林で4~5倍で絶賛転売中)なのでドジってお釈迦にしてしまわないように仮組みを行いながらの製作となります。シャーシなどにバリがありますが,部品の精度自体は,かなりよいと思います。もし,もう一つ製作する機会があれば,すらすら組むことができるでしょう。

 キットは,様々なカスタムタイプに組むことができますが,劇中に登場した車は,ノーマルな車であるはずですから,そのように部品を選択します。

 メッキ部品には,押し出しピンの跡のあるものもあり,ホイル周りの部品以外は,マジックリンの原液につけてメッキを剥がすことにしました。メッキの金属が剥がれると,その下に樹脂系のコーティング層が現れ,除去に手間取りました。



塗装の指定が全くないので,箱絵と他の旧車のキットの塗装指定を参考に自分勝手に色を決めます。現存車の写真もネットで検索すれば出てきますが,フルオリジナルのままの個体の写真はないと考えてよいでしょう。また,商用車であるデリバリーバンと乗用車であるセダンとでは内装が異なっているはずなので,塗り分けの正解は,なおさら分からなくなります。ただ,内装にはプラスチックの部品は無かったのではないかと思うので,それを反映させて塗っています。ダッシュボードの白いのは時計じゃないのかな?という解釈です。



版権取得の記載を残しました。また,左ドア横に給油口をつけるために,小径ドリルとやすりで開口し,ボディの裏側にプラ板を貼って接着代を確保しました。



リアゲートの透明部品は,キットを間違ったのかと思うぐらいリアゲートの窓より大きいものになっています(もしかしたら,本当に間違っているのかも・・・)。運転席の透明部品も,窓にぴったりでは無いので,まぁそういうものかと割り切った方がよいようです。超絶技巧を持ち合わせていない一般モデラーは,努々,開口部に合わせて透明部品を削ることの無いように。それゆえ,リアゲートは,開けないという選択になってしまいます。そのリアゲートは,取り付けがゆるゆるで,閉じるにしても接着面が小さすぎて取り付けが困難です。ボディ裏側にプラ板を貼って接着代を確保し,隙間は,ゼリー状瞬間接着剤とプラパテで埋めて整形しました。



ボンネットは,カスタムオプションのため,裏側に切り抜き用の凹モールドが入っています。この凹モールドが,透けて見えるのでそうならないように最初に黒く塗っておきました。真っ黒にしたボンネットを見ていたら,モールを金にしたら霊柩車になるんじゃないの・・・?・・・湧き上がる欲望を抑えながら製作を進めました。

 ボンネットの左側のモールのモールドが,(型抜きの都合か)不明瞭だったのでプラ板の細切りを貼り付けてくっきりさせました。サフ吹きをすると,今度は,右側のモールドが物足りなくなったので結局,右側にもプラ板を貼ることに・・・涙・・・。

<完成>


車体の色は,わずかに緑が入ったライトブルーですが,タミヤのTS-41コーラルブルーが近い(ほんの少し明るい方がBEST)のでこれをスプレーしました。古いFENDERのエレキギターは,車用の塗料で塗装してあったということから,1950~1960年代のストラトキャスターやムスタング(マスタング)などの色が参考になるかもしれません。



劇中仕様といっても,実車には,デカールのような「3ばか大将」のステッカーを貼っていなかったと思います。しかし,貼っていなければ誰にも「3ばか大将」だよとアピールできないので,キットの箱絵の通りに作りました。



完成後も,ボンネットを開けてエンジンやラジエーター,バッテリーなどを見ることができます。しかし,ボンネットを閉じたとき,隙間がかなり目立ちます。これは,可動のためのマージンを確保するという設計になっているのでしょう。他のモデラーのWeb記事を見ると,散々苦労して調整した人もいるようです。もし,隙間が気になるようなら,可動は諦めた方がよいかもしれません。



メンテナンスのことを考えてボディはシャーシに接着していません。あちこちの隙間が気になりますが,雰囲気が楽しめればよいということにしました。


  Home>The THREE STOOGES 1940 FORD SEDAN DELIVERY (amt 1/25)> 特集 温故知新>2021年3月号
Vol.151  2021 March.     www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
                    editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず/リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」

プラモデル模型製作特集2


TOTAL PAGE