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特集 日の丸 

(Photo) Pilatus PC-6 B2-H2 Turbo Porter

by  コルディッツ
博物館実機写真

 我が国の南極観測隊での小型航空機運用史の掉尾を飾ったのは、スイスのピラトゥス社開発のPC-6/B2-H2ターボポーターです。
 元は1959年開発のレシプロエンジン搭載の高翼STOL機で、名称はPC-6ポーターです。同機は1960年にスイスのタウラギリ調査隊で使用され、固定翼機高所着陸記録(5,750m)を記録しています。
 1961年にターボプロップエンジンに換装して性能を向上させ、名称もターボポーターに変わり、21世紀に入っても生産継続のヒット機になりました。米国のフェアチャイルド社がライセンス生産を行い、COIN機に改造した機体はAU-23ミニ・ガンシップ機として、ベトナム戦争で活躍しています。
 最初のターボプロップエンジンはチュルボメカ・アスタズーでしたが、その後 P&W カナダPT6A-6Aに転換し、PT6A-27を搭載した機体はPC-6/B2-H2の型番になり、このタイプが南極観測隊で運用されました。2機導入され、第21次観測隊(1979年~1981年)から1号機の運用開始し、第30次観測隊(1989年~1990年)からは2号機も南極に運ばれて、同一機種の2機の運用になりましたが、観測終了後は1号機は日本に帰還します。そして第45次観測隊(2003年~2005年)を最後に、南極観測隊の小型航空機の運用は終了しました。日本に帰還した第1号機(JA8221)は現在「石川県立 航空プラザ」(小松市)に展示されています。
※ 本稿は石川県のホームページと日本極地研究振興会のホーム
ページ、Alpine-Airlinesのホームページを参照しました。  

   Pilatus PC-6 Turbo Porter  JA8221
 石川県立航空プラザ(小松市)にて     2016年2月撮影



   ターボプロップエンジンを搭載したので機首が延びて
「長っ鼻」になり、2本の排気筒が突き出します。




   日の丸に赤い機体は、南極ではさぞ目立つかと。
全長:11m 全幅:15.87m 全高:3.20m 自重:1,270kg
最大離陸重量:2,800kg 乗客・乗員:最大11名
最大速度:213km/h 失速速度:96km/h 上昇限度:7,620m
航続距離:1,503km 最大上昇率:287m/分
離陸滑走距離:197m 着陸滑走距離:127m




   増加燃料タンク?に八木・宇田アンテナでしょうか。





   降着装置にスキー板を装備。









  垂直尾翼と水平尾翼は互換性ありとする説明も、他の
文献で読みましたが、真偽の確認は出来ませんでした。 




 「会社の名ピラトゥスは湖の西に聳える2,000メートルあまりの山で、頂上まで鉄道がかかり、ホテルがあるから、私はわざと一度もいったことがない」と佐貫亦男教授は書いていました。(「続・ヒコーキのこころ」
光人社 2003年)でも鉄道とは、傾斜度48%の世界一の急勾配のラックレール登山鉄道なので、私は乗らずには居られませんでした。

 Pilatus Railway
 ビラトゥス駅前にて           2013年10月撮影  



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