Home  > ノースアメリカンF-100Dスーパーセイバー (ハセガワ 1/72)> 特集 ハセガワ72>2021年5月号

特集 ハセガワ 72

ノースアメリカンF-100Dスーパーセイバー (ハセガワ 1/72)

 by  田口博通 Hiromichi Taguchi



 先月掲載のハセガワの1/72 RF-101Cブードー ベトナム迷彩の流れで、F-100Dベトナム迷彩を作りました。
 ハセガワの1/72シリーズはほとんどのセンチュリーシリーズが網羅されていますが、いずれも1/72ジェット機シリーズ初期の1960年代から1970年代に製品化されたため、今では往年のキットになっています。
中でも、F-100D,RF-101CとF-106は 当時からしっかりした設計で、現在でも遜色の無い仕上がりになります。
F-104は嬉しいことに1989年に新金型の凹彫でリリースされました。
F-105DとF-102は国産プラモとしては唯一の製品だけに、キャノピーだけでも再設計していただければ、現在でも通用するのではないかと思います。



 さて、ハセガワのF-100DのキットはRF-101C同様、1968年リリースの古いキットで、製作記事がモデルアート1969年1月号に掲載されていました。
 部品点数も少なく 簡単な構成ですが、表面は繊細な凸パネルラインが施されており、発売当初は銀色モールドがなんともかっこよく、高校生の時にそのまま無塗装で作った記憶があります。オイルショック以降 味気ないグレープラスチックのモールドに変わってしまい、つまらなくなってしまいました。
 スタイルも抜群で、しゃきっと美人です。私は特にF-100D専用の燃タンの曲線美が大好きでした。


製作

 ハセガワのサイトを見ると、定番品から現在はずれていますが、2016年に限定品2機コンボで発売中ですので、入手は可能と思います。私はこの最近の2機コンボを含めて、何機かストックしており、昔から大切に保存していた銀モールドのキットをおろして製作しました。

銀色モールドのキット

 テイルヘビーなので、機首にはしっかりとオモリをつめこんでおきます。


 胴体左右、主翼上下を接着するだけで形になります。主翼後縁も薄く、かっこいいです。垂直尾翼と水平尾翼は1枚成型でシャキッとしています。
古いキットゆえ、機首に段差、胴体下面にも隙間ができるので、パテを盛り、整形します。



 今回はベトナム迷彩のつもりなので、サフェーサーを吹いた後、再度目立つ傷を修正し 塗装にかかります。



 ベトナム迷彩は、Mrカラーを使用。先月のRF-101Cと同様 手間はかかりますが、テープでマスキングしながらベトナム迷彩をすることにしました。
 まず、下面に特色No.311 FS36622グレーを吹きテープでマスキング。次に、上面にNo.310 FS30219タンを全面に吹いておきます。透明低粘着フイルムでタン部をマスキングし、No.303 FS34102ベトナムグリーンを吹きます。またマスキングして、最後にNo.309 FS34079グリーンを塗り分けます。 
マスキングを取り 塗り分けラインの上をエアブラシのノズルを細く絞って同色でぼかし、迷彩塗装は完了です。



 デカールは黄変して使えなくなっていたので、自作となりました。以前 ご紹介したインクジェットプリンターによる方法です。テイルレターが白文字なので、白ベース用紙を使いますが、印刷の際にバックを3色迷彩の地色にしておくと、切り抜きが楽になります。



 自作デカールを貼ります。周囲の余計な部分があるので、そこを切り取らなければなりません。



 マーク周囲をカミソリで丁寧に切り取ります。地色を合わせておくと、細かい切り取りを省略でき楽です。
最後に、艶消しクリアを保護を兼ねて吹き機体は完成です。 



 ウェザリングにはMrウェザリングカラー グランドブラウンを使用。全面にウォッシングすることで、しっとりとした落ち着いたベトナム迷彩になりました。
 キットのコクピットは床板、計器板、シートだけの簡単な構成です。シートはシートベルトを板鉛で追加しただけでそのまま使用しました。


完成

 脚、燃料タンクなどを注意深くとりつけて、完成です。脚扉がイモづけとなっているので、アルミテープで補強しました。曲線美抜群の燃タンはどうしても取り付けたく、金属ピンで補強して主翼に取り付けています。
 40年以上の時を経て、「完成」の二文字を見ることができ 思いが成仏できました。



 ハセガワの1/72シリーズは魅力的な機体が揃っていますので ハセガワファンとしては末永くシリーズを続けて行っていただきたいものです。ファンとしては、エアフィックスのように新設計金型にリニューアルしていただくのがもちろん望ましいのですが、メーカーさんにはメーカーさんの事情もおありと思います。フィギュアやキャラクターなどのスケールモデル以外の製品ラインで日々を生き残ることも重要でしょう。
スケールモデルではメーカーさんには激戦区のファントムとかF-35等に精力をそそぎ過ぎずに、既にある資産を見直して、それにどのように手を入れれば 最小限の投資で有効活用できるか、少し考えていただければと思っております。







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