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特集 改造

UH-1B カットモデル (アカデミー 1/35改造)

 by  田口博通 Hiromichi Taguchi



 アカデミーの1/35 イロコイスヘリをカットモデルにしてみました。今まで、透明彩雲など透明胴体部品を使った内部透視モデルは作ったことはあるのですが、胴体を切り刻むカットモデルはちょっと勇気が必要で、初めての経験でした。

キットについて

 キットはかなり以前に買ったものですが、箱絵は武装ヘリがなんとも勇ましいベトナム戦争の一場面のようです。アカデミーのイロコイスは1/35という大スケールを生かして 外部武装と内蔵エンジンが再現されているだけでなく、コクピットはエッチングの計器盤やシートベルトも付属して完全再現というかなり意欲的な精密モデルですが、それに応えて資料を調べて手を加えだしたら際限がありません。
 私自身は「ストイックに作るのはもういいかな」というお歳に差しかかっており、それよりも死ぬまでになんとか成仏させたいキットをたくさん抱えていますので、何か別の方向性でと昨今考えておりました。
 箱横にコクピットとエンジンがカットされた胴体からかっこよく見える写真があり、作るのならばこの写真を真似してカットモデルで作りたいと考えていました。


製作

 カットモデルでは視線が自然とカットされた部分に導かれます。そのため、コクピットとエンジンさえそれなりに作ってあれば、他はキットストレートでも、大型モデルとはいえなんとかなるのではないかと安易な考えが浮かび後押しをしてくれました。
 胴体の一部をカットした時点で実物再現モデルではなく「置物」ですから、ここは博物館模型のように見栄え重視でいかなくてはなりません。
といった方向性で エンジン、コクピットは 外から見えるので塗装も見栄え重視です。エッチング計器板は塗りやすかったのですが、エッチングのシートベルトが金属が固く作りにくかったこと。ウエザリングも綺麗に見えるように軽めに塗装しておきました。
カーテンですが完成後見ると、存外に目立ち、布で自作しておけば良かったとちょっと後悔しました。


エンジンはシルバーで塗っただけですが、それなりに精密に見えます。さすが1/35大スケールです。


 胴体はコクピットとエンジンを仮組して見栄えがいいようにカット線を下書きをします。そして、コクピットをはずして、胴体左側と天井板をエッチングソーでカットしました。


 胴体下面はプラ板とアルミテープで装甲板、補強板を資料を見ながらどんどん追加していきます。ヘリが強くなっていく実感が湧き、この作業がかなりに楽しいです。

塗装

 透明部だけテープでマスキングし、ボディの塗装はキットの塗装指示に従い、Mrカラー No.38オリーブドラブに艶消し剤を加え、筆塗しました。


 カット断面はお約束のレッドです。ぶら下げているガトリングGUNとロケットチューブはあやふやな設計で接着に一苦労しました。


 水平尾翼は艶消しレッド、胴体バンドはイエローいずれも筆塗。おとなしめにウエザリングをしてからデカールを貼り、デカール保護を兼ねて慎重に艶消しクリアを吹いて機体塗装完了です。


完成

 一応完成したモデルを見ながら最後の調整です。ガラス部の断面が光るので、ガラス周囲もオリーブドラブで塗って隠しました。機首のアンテナ線はシャキッとしているだけでかっこいいので、0.3mmのピアノ線で置きかえました。その他、ローター作動棒、てすり、尾部スキッドも結局、金属線で置き換えました。
カットモデルは初めてですが完成してみると異彩を放ちます。1/35という大きさもありますが、その存在感の大きい事。
 もしコロナが明けた暁の展示会はこんなので攻めたいと思います。



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Vol.157  2021 September.     www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
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