Home  > Bv155 V2 (アートモデル 1/72)> 飛行機プラモデル製作>2021年9月号


  Bv155 V2 (アートモデル 1/72)

  by 加藤 寛之

 WWⅡドイツで試作に終わった高高度戦闘機。私は以前、“主翼の途中に冷却器なんてヘンなの”と思っていたが、飛べば上向きに引っ張られる主翼に錘を下げているのだから、主翼強度が助かることで相対的に軽くできるし、細く弱い主翼のブレ止めにもなるのだろう。それにしても機動性には難がありそうで、そもそも戦闘機に使えるのだろうか。



 キットは簡易金型で、全パーツの整形が必須とはいえ、簡易金型としてはパーツの合わせ精度が高い。また、表面モールドも良好。パーツ分割は途中に冷却器がある主翼が特別なくらいで、いたって普通の分割になっている。結果、簡易金型キットではとても作りやすい製品だった。

 コックピットは床板、背部の目隠し板、正面と両脇の計器類、操縦桿、椅子、頭あて。両脇の計器類のみレジン製で、他はプラ。私はコックピットに興味がないので、床板、背部の目隠し板のみ組み込み、椅子はあとから置くことにした。ドイツ機の場合、コックピットは黒で塗っておけばよいので好き。胴体下面側にある冷却器の内容物はレジンの一体部品を組み込むのみで、手軽。黒鉄色の塗装指定だが、黒く塗ってオシマイにする。要するに、機内は黒を塗っただけ。
垂直尾翼は左右分割の胴体と一体成形。何となく厚いので、内側から少々削っておく。前述の胴体内部を組み込んで左右胴体を接着して固まったら、垂直尾翼の前縁辺りの厚みをおとしておく。本当は大掛かりな工事が必要だが、前縁付近だけでOKとする。
主翼は翼断面形がまるで紡錘形でマズイのだが、これは修正しない。厚みもテキトウで難アリだが、これも修正しない。その結果、全然主翼らしくない形なのだが、長大な主翼でBv155には見えるから、いいことにする。せめて真っ直ぐなところを真っ直ぐに整形し、後縁を薄くしておく。
胴体への主翼組み込みは、胴体側フィレット部分を削ったくらい。パテ使用は少量で済んだ。主翼後縁と胴体の接合部分に“あれ?”と思うところがあるが、もちろんOKとした。
水平尾翼も面白くない翼断面形をしているが、当然、そのままでよいことにした。



  プロペラは楕円系断面でさすがにマズい。強度を考えながら、薄く・捻りがあるように削る。これも、ほどほどでOKとする。スピンナーと胴体前端の径が合わないが、気にしない。
風防は僅かの削りあわせでおさまった。これは助かった。
主脚をどう取り付けるかは製作者の責任範囲で、各自でナントカする。それよりも、脚柱にある捻れ止めの三角を、前にするのか後ろにするのか、書いていない。私は前にしてみたが、ホントはどうなのだろうか。外側にあるタイヤのカバーで思ったことは、冷却器にぶつかって、これでは開閉できない。まあ、いいや。尾輪も・・・ナントカする。箱絵に機銃があったので、ランナーを伸ばした棒で作っておいた。背部のループアンテナはパーツを紛失したので、自作した。ちょっと小さかったかな。
いろいろ書いたが、簡易金型キットとしてはすぐに形になった。



 塗装はいつものようにテキトウ。RLM76・81・82をそれなりの資料で確認したうえで、緑は三菱系の濃緑色、茶色は米軍のオリーブドラブ、下面色は三菱系の明灰白色を塗った。キットの塗装図だが、平面と側面で合っていない。そこで折線パターンはキットの平面塗装図に合わせた。デカールも図と大きさが合わない。まあ、テキトウに貼る。

  まとめ
(1)飛行機として形が面白く、見栄えの観点でオススメできる。
(2)簡易金型キットとしては実に作りやすい。簡易金型キットの入門用に使える。
(3)おおらかに塗装が出来る方でないと悩む。
(4)飛行機とはこうあるべきだ、とこだわる方にも向かない。
(5)WW2ドイツ機が好きな方は、見つけたら購入した方がいいと思いますね。


  Home> Bv155 V2 (アートモデル 1/72)> 飛行機プラモデル製作>2021年9月号
Vol.157 2021 September.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /  
           editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」
 

プラモデル模型製作記事

TOTAL PAGE