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特集 絶版キットを おしげもなく作り倒す

  三菱キ-51九九式軍偵察機 (ニチモ 1/48)

by クラキン



 2013年にニチモがプラモデルから撤退した事により絶版となってしまった「ニチモ1/48 三菱キ-51九九式軍偵察機」を製作いたしました。
4月末には完成していたので7月号の「電動電飾」に寄稿しようと思っていましたが、9月号で「絶版キットを おしげもなく作り倒す」の特集が組まれることが判ったので延期しました。
従って、電動・電飾でもあります。



【実機について】
 三菱によって設計開発された九九式襲撃機から派生した偵察型です。
日本機には珍しく、単純で頑丈な機体で汎用性と実用性が高かったため、日中戦争後期から太平洋戦争全期に渡って襲撃機、偵察機としては勿論、対潜哨戒機、高等練習機や連絡機、要人輸送機としても活躍しました。
1945年8月6日には米海軍潜水艦ブルヘッドを60kg爆弾で撃沈した記録があります。


【キットについて】
 キットは隼Ⅰ型や九七艦攻、屠龍などと同じく、ニチモ全盛時代の傑作キットです。
完成後は見えなくなるコックピット内部やエンジンの細部に至るまで再現されています。
更に機体表面は筋彫りだけではなく凹リベットがビッシリと再現されています。
パーツ精度も最新の国産キットと比べても遜色ないくらいです。
CADなど無い時代にこれだけのキットを出していたニチモの心意気に敬服です。
唯一の欠点はキャノピーパーツが分厚くて、透明度もイマイチですし、胴体との合いもあまり良くない事です。
搭乗員のフィギュアが2体付いていますが、今の水準からすると「それなり」ですし、同時期のモノグラムなどと比べると見劣りします。


【製作について】
 キットは襲撃機と偵察機の両方が作れるようになっていますが、偵察機で作成しました。
(同じキットをもう一つストックしているので、そちらを作るときには襲撃機にしたいと思います。)

出撃直前のシーンを再現するイメージで製作しました。
これに沿って、手を加えたのは以下の通りです。
◆モールド表現になっている翼端灯と前照灯をクリアパーツ(クリアパーツのランナーを流用)に置き換え、LEDと光ファイバーで電飾



◆プロペラを4mmマイクロモーターで電動
◆出撃前のエンジン始動状態に合わせてカウルフラップを切り離し、全閉→開状態に変更



◆全閉状態の操縦席部分のキャノピーを塩ビで絞り、開状態に変更


その他のディテールアップ
◆主翼機銃を真鍮パイプで自作して交換
◆排気管をプラパイプに交換
◆パイロットのシートベルト追加(マスキングテープ)
電飾と電動の電源は展示台(お皿が入っていた桐箱)の中に仕込んであり、固定式の主脚の中を通って機内のLEDとモーターに繋がっています。


  マーキングは独立飛行機第49中隊のものにしました。
下面はクレオス126番の灰緑色です。
上面色は資料が無いのでインストを参考に自分の想像で5番ブルーに白、黒、赤を若干加えて調色した色を使用しました。(真偽の程は定かではありません・・・)
キットの素晴らしいモールドを活かすために、垂直尾翼の部隊マークも含めてマーキングは全て塗装にしてデカールは使いませんでした。
コックピット内の塗り分けと搭乗員フィギュア塗装はVICホビーとアーミーペインターの水性塗料を使いました。



機体のウェザリングは以下の通りです。
◆墨入れがクレオスウェザリングカラーのマルチブラック
◆ハゲチョロは8番シルバーを面相筆とスポンジで表現
◆退色表現は油絵の具4色を点付けしてターペンタインで拭取り(AFVでよく使われる方法)
◆主脚タイヤはタミヤウェザリングマスターのサンドで汚し
◆排気汚れは同じくウェザリングマスターのオイルとススを擦り付け
退色表現の効果に自分でもちょっとビックリです。



タミヤ1/48のくろがねと一緒に写真を撮ってみました。
更にそのうちの1枚をセピア加工してみました。







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