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特集 SF・アニメの乗り物

 JOE90 マックスカー(イマイ )

 by  田口博通 Hiromichi Taguchi

 「ジョー90」は「キャプテン スカーレット」同様、ジェリー&シルビア アンダーソンの1968年のスーパーマリオネーション作品である。 
ジョー90 は2013年近未来設定のスパイアクション物で、搭乗人物の描写が単調で、またサンダーバードに比べると登場メカが地味でインパクトに欠け、残念ながらヒットとはならなかった。日本では JOE90シリーズは空陸両用車マックスカーがタミヤから発売されたのみで、発売実績も芳しくなかったようで、後に金型がイマイに転売されている。



 プラモデルでも、翼を展開し、車輪を折りたたみ、飛行姿勢に転換するメカがうまく再現されている。
実車?の資料は「ファンタスティック コレクション スペシャル キャプテンスカーレット&ジョー90アルバム」という本が朝日ソノラマから2005年に出版されていて、参考になる。


キットについて

 作ったのはイマイ版のキットで1/24くらいの大きさで意外とボリュームがある。金型を受け継いだイマイの廃業により当然ながら既に絶版、しかし、かなりヤフオクで出回っており、幸いにも定価以下の値段で手に入った。
絶版とはいえ、人気がないことから「作る人知らずのプラモ」になっているのかもしれない。

イマイ版 JOE90マックスカーの箱絵


 モールド部品は さすが元がタミヤ金型ということでしっかりとはしており、イマイ伝統のサンダーバードシリーズとは少し雰囲気が違っている。操縦席内はごく簡単なもので、タイヤはゴム製が付属。


製作

 前輪は折りたたみ機構がついている。かちゃかちゃと動き、ボディにさくっと収納できるのは 今の目でみてもなかなかのメカ設計だ。




 コクピットは写真のようなごく簡単なもので、窓からそんなに見えないので、箱絵を見ながら、金髪ルックに赤いスーツを着せておいた。 
 さて、箱絵では9歳の少年JOEがマックスカーを運転しているように書かれているが、マックスカーはJOEの養父であるマックレイン教授が開発したジェット・エアカーで実はテレビ作品の中ではマックレイン教授が主に運転している。英国にはもちろん道路交通法があり、9歳の少年は当然ながら運転してはいけないのである。



 ジェットエンジン2機を一体化した飛行用エンジン。簡潔な部品分割でうまく再現されている。

 ボディ後部のエアインテークはキットでは別部品となっており形状に誤解がある。実車?はボディと一体になっている。
 この作品をテレビでみた1960年代の元少年は 21世紀にはとっくに良い歳の大人になってしまっているため、絶版キットでもありちょっとは見栄えのしたいものにしたいと思い、エアインテークはホワイトパテを裏側に盛り、ボディ後部と一体化しておいた。

塗装

 実車?のボディは防熱プラスチックと破壊不能のプルトニウム合金製のボディに、メタリックグリーンの車体色をしているそうだ。
ボディをシルバーで下塗りした上に、MrカラーNo.77メタリックグリーンをきらびやかに塗装した。ジェットエンジンは銅色を混ぜたシルバーで塗装。ボディ正面はマスキングして艶消し黒を塗る。



 翼前縁はミラーフィニッシュを貼ってみた。派手に光り、未来感が少し増強できたかも。


完成

 完成してみると、ごつごつしており、つぶれたカエルのような異様な構成で、これで浮かぶの?といった形だ。
サンダーバードメカのようなスタイリッシュな未来感が薄く、奇をてらい過ぎた感じだが、本国イギリスでの受けはどうだったのだろうか。
1960年代は現在のドローンのようなホバリングメカの発想はなく、ハリアーのようにジェットエアを下面から噴射してホバリングするということしか思いつかなかったようではある。
 サンダーバードメカに比べ、人気がなかったのも納得という感じではあるが、我が家のショーケースにジェリー&シルビア アンダーソン関係の貴重なコレクションが一つ加わった。




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