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特集 エアフィックス

 ブロムウントフォスBv141B-02(V10)
(エアフィックス 1/72)

  by 翔バナイカイ 栗人@ケータイ



 非対称構成が特徴的な機体のモデルです。本キットは何回もパッケージを変えてリリースされていますが、初版リリースは1971年という古いキットであります。私は中学生時代(50年近く前!)に入手し胴体ブームを接着したところで放ったらかしにしていましたが、コロナ禍の巣ごもり生活の中でお手つきキットの棚卸しを行いほぼ半世紀を経て制作を再開しました。



  半世紀前と比べて現在ではさすがにまとまった資料本もあり、図面等の情報をネットでも入手できるようになっています。今回の制作にあたっては、「The Blohm & Voss Bv141 A Technical Guide (Airframe Detail No.1)」が大いに役にたちました。




  古いキットですがデッサンは適格。図面とのずれもまあ「誤差の範囲」。このような押さえどころがうまいところは、さすがエアフィックスです。そこで「まず形にする」を目標に制作再開。キットを覆うリベットは全面摺り下ろし、パネルラインもスジボリ化しました。



  コクピット周りはちょっと寂しいので資料本を参考にキャビンポッドのデッチアップからスタート。ここでコクピットのサイドコンソールではキットパーツの計器、スイッチ類配列がちゃんと実機どおりであことを発見(少々オーバスケールですが)。ここでもさすがエアフィックスだ、と思った次第。キャビン内部は手持ちのジャンクパーツを色々使ってそれらしく追加工作。しかしクリアパーツとの合いが宜しくありません。やむなくここはまずクリアパーツを接着してから隙間と段差をパテやプラの細片等で埋め、クリア部分も含めて面一に削り込んで研磨しています(クリアパーツの肉厚に感謝)。

キャビンポッド内部の細部工作。


キットの操縦席左側コンソールの計器、スイッチ類の配置は実機どおりでした!


クリアパーツを接着した上でキャビンポッド全体を整形


  胴体ブームでは、エンジンの強制空冷ファンが忘れられていることが以前から指摘されています。カウリング全体も少し前細りのテーパーがかかっており細めの印象。また左右の過給器ダクトのバルジは大きすぎです。今回は、カウリングパーツの前端リップ部分を切断し、その部分から前(前端リング、強制空冷ファン、プロペラ一式)をハセガワのFw190A用のパーツでそっくり置き換えています。大きすぎるダクトのバルジは削り込みましたが、後で見るともう少し「存在を主張」させた方がよかったかも。
(当初はエンジンユニット全体を、ハセガワのJu88用BMW801ユニットで置き換えるつもりでしたが、残念ながら直径が合わず断念。これはエアフィックスの胴体ブームが少し細めのためです)




  主翼ではギアベイの隔壁を追加。これが主翼の強度増大にも貢献。翼面には動翼ヒンジ類等の出っ張りがありますが、後述する塗装の便を考え一旦全部削りおとし、最後に作り直しています。
主翼下面のETCラックとSD50はハセガワFw190A用パーツで置き換え。




  塗装は当時のドイツ空軍標準で上側面RLM70/71のスプリンター迷彩、下面はRLM65。スプリンターパターンはキット指定や他資料等の間でまちまちですが、塗り直し部分の色調差や影を塗り分けパターンと見ているようなものもあり、はっきりとしません。その中でTechnical Guide本のカラーイラストを改めて見ると「これ、ドイツ空軍多発機用の標準パターンでは?」ということに気がつき、今回その標準パターンに近いパターンを採用しました。



  塗装方法はマーキングも含めて全て筆塗りで、短いストロークで色を塗り重ねていくようにしています(これで自然に微妙なクラウドパターンもできてきます)。国籍標識やコードレターは、キットのデカールが半世紀を経た結果使用不能になっていたため、クラブの友人がカッティングしてくれたマスキングシートを使って塗装。その後クリアがけと研ぎ出しを数回繰り返して平滑面を出し、最後に半ツヤクリアーを全体にエアブラシして仕上げています。

BV141完成作品の下面の全体写真。バックは本作品専用の収納箱。


  ところで塗装の準備段階となるキャビンポッドのクリア部分のマスキングについてであります。本キット用のキャノピーフレーム塗装マスキングシートがいくつかのメーカから販売されていますが、先にキャビンポッドの工作で、クリアパーツも組み込んだ上で全体を擦り合わせましたので、各窓の形や位置の全体バランスが微妙に変化し市販のマスキングシートは使えません。なので、ここはマスキングテープの細切りをちくちく貼り合わせてマスキング。しばらくドイツ機のキャノピーマスキングはやりたくない心境です。

キャノピーフレーム塗装用のマスキングに一苦労



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