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特集 エアフィックス

 フォッケウルフFw190D-9 (エアフィックス 1/72)

by Windy Wing 2013




 エアフィックス社は、昔は1/72のFw190ならD型はキット化するがA型はしない、新生なった今日は逆にA型は製品化してもD型はしない、など、大戦ドイツ機というだけで、意識的にそのフルラインアップを避けているようにも見うけられます。会社にとって金型的にはおいしいバリエーション展開のはずなのに、次から次へと新規で発表されるスピットファイア各型とのこの扱いの差は、あるいはいまだ遺恨を忘れぬジョン・ブル魂のなせるわざなのかもしれません。今回はそんな古き良きエアフィックスの代表作である<フォッケウルフFw190D>をD-9として製作しました。



 キットの造型については、例えば側面形でも、今回はカウルフラップ以外にはほとんど手を加えていませんが、機首カウリングのカーブから6インチ延長された垂直尾翼まで、本機の美しいフォルムを実にうまく再現しています。往年のプラモガイドなどでは、旧エアフィックス製品は総じて「パーツは粗いが形はよく出ている」と評されたものですが、久しぶりに製作してみて、あらためてその意味がよくわかりました。



 旧エアフィックスは大戦ドイツ機に対して、デカールをわざと妙なものにする、というイジメもよくやりましたが、本キットでもご多分に漏れず、試作機とも何とも得体の知れない塗装が指定されているだけなので、今回はProfile No.94のカラー図を参考に第54戦闘航空団第III飛行隊コマンドノボトニー所属機として仕上げました。実はこのProfileのカラー図はアンテナ線がキャノピー後部から出ているなど、考証としていささか怪しいところがあるにもかかわらず、1970年ごろには国内書籍やキット解説書などでけっこう有名になっていた塗装例です。私は今日に至るまでこの実機写真を見たことがありませんが、あるいはFw190Dの資料が乏しかった当時、まさに神様扱いされていたProfileの図面を盲信して、一部の出版社や模型屋がそのまま世の中にばらまいていたのではないか、と、その一次資料性には少なからず疑問を感じております。



 真にカッコいい1/72のD-9が欲しければホビーボスの製品を作ればいいわけで、多少素性がいいとは言え、今どき、1960年代の袋詰めキットにムキになって手を入れる意味など何ほどもありますまい。ただ、航空ファン1971年8月号に掲載された模範作品にあこがれてスジボリの第一刀を入れてからちょうど半世紀、まさに記念すべきその年に本機を一応の形にすることができた巡り合わせをもって奇貨としたく思います。


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