Home  > <日本航空史> 日本航空 世界一周線の開設>コラム>2022年1月号 

誌上個展

<日本航空史> 日本航空 世界一周線の開設

  by 加藤 寛之
プラモデル コラム

記念切手


 充分な大人の方には、子どものころに「切手ブーム」というのがあったことを知っていると思う。最盛期は、昭和40年から昭和50年ころだったそうだ。私もブームにのって多少の収集をしたが、その時の残骸に「世界一周航空路線開設記念」切手がある。1967年発行で15円。世界一周航路の地図の中央に日本航空のDC-8が描かれている。私はこの切手の発行で路線開設を知ったことを覚えている。

『航空ファン』1967年3月号の裏表紙は日本航空の広告で、離陸するDC-8の写真とともに、次のように書かれている。

「世界一周線開設 日本の翼の栄光と威信をかけて、日航機は2つの大洋、3つの大陸を越えます。100社に及ぶ国際航空会社を圧倒して、史上4番目。日本航空がついに空の偉業を成し遂げたのです。日本の空の曙です。その日、昭和42年3月6日。世界一周へ離陸。」

 東京オリンピックから2年半、「日本の翼の栄光と威信をかけて」という表現は、世界に向かって飛躍しようとニッポンが一丸となって立ち向かっていた時代を感じさせる。

旅の栞にあるDC-8絵葉書

 せっかく盛り上がったところで申し訳ないが、そのころに日本航空が乗客に配ったのであろう「JAL 旅の栞 TRAVEL KIT」という記念品には、
「…日ごろの皆様のご愛顧により、日本航空は着々とその翼を世界にひろげ、長い間の念願でありました世界一周線も1967年3月7日に完成いたしました。」
とある。『航空ファン』は世界一周へ離陸した3月6日、栞は「完成」(着陸かな?)した3月7日。現在(2020年12月)時点の会社ホームページには3月の何日までは書かれていない。出発と完成の差で、同じといえば同じなのかもしれないが、どちらが公式なのだろうか。

記念印


  世界一周線は1972年まで運航され終わったそうだ。どこで読んだのか覚えていないが、大西洋線は乗客が少なく空気を運んでいるようだったと書いてあったように思う。事故での機材不足も一因であったらしい。
 今、航空業界は試練の時である。日本航空の世界一周線開設は、ただひたすらに上へ上へ、高く高くと駆け上がっていったニッポンの一つの時代を象徴する栄光の記録だ。

旅の栞にある世界一周線地図



  Home ><日本航空史> 日本航空 世界一周線の開設>コラム>2022年1月号

Vol.161 2022 Janualy.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved / editor Hiromichi Taguchi
                  田口博通 / 無断転載を禁ず/  リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」

プラモデル模型製作記事


TOTAL PAGE