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(Photo) アンリオHD.1

by  コルディッツ
博物館実機写真
 アンリオHD.1は1916年6月16日に初飛行に成功した、フランスで開発された複葉単座戦闘機です。母国フランスではスパッドⅦに押されて不遇でしたが、ベルギーやイタリアで活躍しました。
 ベルギーは125機購入、同国のエースのウィリー・コッペンの乗機になりました。イタリアではニューポール・マッキ社がライセンス生産を行い、831機を生産しています。全生産機数は1,200なので、約7割が海外で生産された戦闘機になります。
※ 本稿は博物館の掲示と「世界の軍用機図鑑」(コスミック出版)、「折りびなのアンリオ」(「続・ヒコーキの心」収録佐貫亦男 著 光人社NF文庫)を参照しました。

 Hanriot HD.1  19309/76         2017年12月撮影
 イタリア軍事航空史博物館(Vigna Di Valle)にて


 展示機は21機撃墜のエース、Flavio Torello Baracchini の乗機です。パーソナルマークがトランプとはイタリアらしいと感銘を受けました。


 エンジンはル・ローン9JB(110馬力)。最高速度184km/h、武装はヴィッカース機関銃(7.7mm)1又は2挺。
 アンリオ社はソッピース1 1/2 ストラッターのライセンス生産をしていたので、HD.1にソッピースの面影を感じます。
 ソッピース・キャメルは上翼は水平、下翼に上反角ありですが、HD.1は逆に上翼に4度の上反角、下翼が水平です。


 故佐貫亦男教授のエッセイ「折りびなのアンリオ」にキャメルとアンリオの主翼について「どちらがカッコいいかは、ソリッドモデルを作って見るとすぐわかる。アンリオ流がはるかに粋で、 キャメル流はまるで野暮である」という愉しい一節がありました。




 アンリオHD.1は操縦性と上昇性能が優れ、良好な視界もあり、イタリアのパイロットから愛されました。「折りびなのアンリオ」に、戦争を生き延びた26機撃墜のエース、シルビオ・スカローニの言として「運動性がよいため、性能のよいオーストリア機に対して、いつでも戦闘を切り上げることができた」とありました。






 第一次世界大戦後にスイス空軍もアンリオHD.1を運用しました。
 Hanriot HD.1  653
 スイス空軍博物館(デューベンドルフ)にて 2007年10月撮影




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