Home >  (Photo) CV3/33 <博物館実機写真<2022年5月号

 

(Photo) CV3/33

by  コルディッツ
博物館実機写真

 1929年にイタリア陸軍は、イギリスのガーデンロイドMk.Ⅵ戦車を購入し、かつフィアット・アンサルド社にライセンス生産させ、 CV29として採用しました。CVはイタリア語のカルロ・ベローチェ(快速戦車)の頭文字です。ガーデンロイドMk.Ⅵ戦車は乗員2名で軽装甲、武装は機関銃のみの豆戦車ですが、何より経済的で、有力な近代兵器を持たないエチオピアとの戦争では、有益な戦車でした。1933年にはフィアット・アンサルド社が、CV29の車台を延長し、戦闘室の周囲を装甲板で囲う、独自の改善を取り入れた豆戦車を製作しました。豆戦車をイタリア陸軍はCV33として制式化し、大量生産が行われ、世界各国に輸出されました。
 1935年のエチオピア侵攻、1936年のスペイン内戦では反乱軍の支援に、CV33とその発展型のCV35が投入されています。1940年6月にイタリアが第二次世界大戦に参戦した時点で、イタリアの戦車保有台数の75%は、CV33とその系列でした。
 しかし第二次世界大戦では、最大装甲厚13.5mm、武装8mm連装機関銃、重量3トン台の豆戦車では、第一線での運用は難しく、ガーデンロイドMkⅥ戦車を母体に、各国で独自の発展を遂げた数多の豆戦車と同様に、後方に退きます。なお1938年から名称がL.3/33に改称されました。L3は重量3トン級の軽戦車の意味です。
※ 本稿は博物館の標示、Wikipediaを参照しました。

   ガーデンロイドMk.Ⅵ
 戦車博物館(パロラ)にて         2018年7月撮影


  全ての豆戦車の母体です。
 L.3/33 (戦争記念館の標示)
 戦争記念館(キャンベラ)にて       2018年4月撮影



 オーストラリア軍がトブルクでイタリア軍から捕獲した「トロフィー」です。戦闘室の組立に溶接が用いられた跡があります。


 エンジンは、フィアットSPA CV3-005 水冷直列4気筒ガソリンで、43馬力。最大速度は整地で42km/h、不整地で15km/h。
 リアエンジン・フロントドライブ方式です。


  戦闘室には8mm連装機関銃を設置。




  戦闘室の天板。




 CV33 (中国人民革命軍事博物館の標示)
 中国人民革命軍事博物館(北京)にて    2019年4月撮影



 中国内戦時に国民党軍が使用していた車輌で、1949年に上海で捕獲したもののようです。




   ただし戦闘室の組立がリベット接合で、1936年に中華民国がイタリアからCV35を20輌輸入したという記事がWikipediaにありましたので、CV35が正しいのではないかと思います。








 L3/33 (博物館の標示)
 戦車博物館(ボービントン)にて      2010年7月撮影
 火炎放射戦車で機銃を廃し火炎放射器を設置しています。牽引する装甲トレーラーに燃料と圧縮ガスが搭載されています。
北アフリカ戦線での捕獲品とありました。



Home >(Photo) CV3/33 <博物館実機写真<2022年5月号
Vol.165  2022 May.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
                 editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー

「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」


プラモデル模型資料記事


TOTAL PAGE