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特集 可動

フィアット G.50 (ハセガワ(セクター)1/48)

  by 老人とプラモ

 フィアットG.50は1936年に発表されたイタリア空軍のR計画(イタリア初の全金属製・単葉・引込脚の戦闘機を求める)に応じて開発されました。初飛行は1937年2月26日だそうで、日本の零戦より2年ちょっと早いですね。

 1939年11月にソ連がフィンランドに突如侵攻した冬戦争で、戦闘機の調達に窮したフィンランドが何とか確保したのが35機のフィアットG.50。折からの欧州戦雲のおかげでフィンランドには なかなか届かず1940年6月からの継続戦争に間に合って戦力化できたそうです。

 キットはフィンランド空軍第26戦隊の6番機として作りました。パイロットのオイヴァ・トゥオミネン准士官はG.50で23機を撃墜(通算では44機撃墜)のエースです。胴体側面のFA-26はフィアット社が発行した機番で第26戦隊の意味ではありません。尾翼の撃墜マークは白い縦棒が8本、そのほかに青い(白枠つき)縦棒や白枠だけや、長さが半分のものが描いてあります(細かい意味は不明)。



 フィアット社はG.50を当時の最新技術で作り上げようとしたようですが、イタリア空軍のパイロットの意見を取り入れ、操縦席は視界の良い開放式、しかも、やや持ち上がった配置になっています。



武装は12.7mm機銃が二丁、照準器は光像式、主車輪支持はフォーク型。最新技術とそうでないところが混合しています。キットの主車輪格納部は浅く、とても入りそうにありませんが、そのままに組んでいます(見えないので)。



この方向で見るとなかなか逞しそうです。しかし当時の最新鋭機の割には空力的に洗練されているようには見えません。排気管も風呂の煙突を下に向けたように見えます。



 第二特集のお題は「可動」でしたので ソケットを右の尾翼の下に設け、プロペラが電動となっています。操縦席開口は日本の一式戦なみに狭くフィギュアを乗せることができませんでした(コックピットも見えずらいので手抜きしています)。



 モノの本によるとG.50は イタリアでさえ二線級と評価されたようですが、フィンランドの第26戦隊は G.50の交換部品が無くなるまで使用し、継続戦争の期間にG.50を4機損失に対し99機の撃墜を報告しています。性能はそこそこでも頑丈で稼働率が良かったことに加え、何といっても 使う方の敢闘精神の勝利でしょうか。



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