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 SR53-T (AZmodel 1/72)

  by 加藤 寛之



 「SR53」の文字で喜んで、よく確かめもせずに購入した。そのときは「流行の架空塗装のデカールね」くらいの気持ちだった。棚の上に置いてあったのだが、ある日「Tって何?」と気づいた。実機のSR53は基本がロケットエンジンで、補助に小型ジェットエンジンを搭載した混合動力機。試作の2機のみだったはずで、練習機型があるはずがない。構想はあったようだが、全体が架空だったのだ。とはいえキットに罪はないので、作ることにした。



 簡易金型だから、パーツ間の整合性がそれなりであることは承知済み。ところが複座化方法がお手軽で、機首を延長して風防をそれらしくしただけ。「前脚はもっと後ろにしたいな」「機首を長くしたので、重心が前になりすぎだろう」「機首が延びていれば垂直尾翼も大きくしないとマズイだろう」と思う。でも、買っちゃったので仕方がない。
 パーツ割りはいたって簡単明瞭で、迷うようなものではない。機首に座席周りや前脚庫があるものの、ボ~っと延長した機首のおかげで錘の入れ場所には苦労しない。計器盤はプラパーツでそれらしく出来ている。これは、パーツの実情に合わせて切ったり削ったりして取り付ける。
 主翼は表面がヘロヘロに歪んでいる。そのままでも良いが、私は気になる。全面を削って均し、見栄えを改善。下面は見えないので手を抜くけれども、前縁下面はまっすぐ感が出るようにちゃんと削る。ここをちゃんとしないと、厚みがクタクタして見えてしまう。見方をかえれば、前縁下面を整えれば厚みの不具合をごまかせるということでもある。
 主翼と胴体の接着は、ほぼ自由になる状態。実機はやや強めの下反角があるので、そうなるように整形して接着する。
 垂直尾翼パーツは、厚すぎる。これは前縁を黒塗りにすることで感じにくくして対処することにした。架空というのは、こんなところが便利だ。
風防は、多少の調整でまあOK。
変な形のものが組みあがった。



 塗装は架空だから、好きなように塗ればよい。ライトニングを参考にして塗ってみた。前述のように、ボロ隠しでもある。塗装図は箱の裏側に刷ってあるのだが、この形がキットとまるで違う。まあ、いいか。

 SR53は、エアフィックスが大昔にキット化した。だいぶ前にエアフィックスが経営不振になったころ、そのキットらしいモノが他社から発売されたことがあり、それを組んだことがある。実機はカッコいいのに、キットはとんでもなく辛い状態だった。その記憶が「SR53」の文字に惑わされた理由だ。
 機会があれば、次は冷静に対処したい。



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