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特集 船

英国駆逐艦J級 ジャーヴィス (アオシマ 1/700)

  by 寿



 「船」の特集と言うことで思わず作ってみました英国駆逐艦。ちょっと前に作った船も駆逐艦だったけれどまぁいいや。船はヒコーキほどに場所取らないし「色塗って候」なら大して手間もかからないしね・・・・たぶん。 



 船はどんな艦種でもチマチマしたパーツを地道に組上げてゆく「精密盆栽」的なモデリングだからあんまり長時間作業できないのが辛いところ。でも「1/700の船はおひねりしない」と決めているから気楽なもんですよ。老眼進んでエッチングパーツすらしんどい昨今だから細かいところが見えないし。



  そこでちょびっと思った。だったらむしろ細かいところは気にしなきゃ良いのでワ?それなら緻密パーツを一切無視して塗りだけで満足できる、人にも財布にもやさしい素敵モデリングなのではないかしらん。見えなきゃ誰も気にしないし気にもならない。宙に舞ってる産毛よりも小さな綿埃なんぞ一々気に留める人が居るでしょうか?そりゃあ拡大鏡でも持ってくれば見えるけれど。子細緻密なズームアップなんぞ模型誌だけで充分ですよ。



  だいたいそもそも虫眼鏡や顕微鏡持参で模型の展示会にやって来るモデラーなんぞ見たためしがない。そんな御仁がいらっしゃったら逆に吃驚だよ。あんた何処の探偵さん、それとも鑑識のお仕事をやっている方ですか。展示台の上に完成品をだーっと並べても見ていく人は大抵肉眼ですがな。見えないモノは無いのと一緒。ユーレイだって見えなきゃ居ないのと変わらないでしょ?
  基本わたしは職人気質的一機入魂などではなく大量生産大量建造モデリングを旨としております。ですので、ぱぱっと仕上げて「これでイイのだ」なのであります。模型の良いところは自分の技術の及ばないところを勝手にオミットできるところ。「あれ、これって○○○○作ってないよ」とか言われたら「省略の美学、センスの違いだ」と逃げちゃえばヨロシイのです。超絶技巧はそっち方面がお得意な方に丸投げお任せなのであります。



 いやぁなんちゅうかね、模型誌で艦船のウルトラ精密模型なんぞを見てるとですね「わたしには絶対ムリ」って腕組み胸張って確信しちゃいますからね。雲の上の存在ですからね。もう眺めるだけで満足でありますです、ハイ。プラモはお気楽にほほいのほいで作った方が楽しいし完成品も増えて嬉しいしで、精神衛生上すこぶる具合がよろしい。趣味でストレス溜めるっていうのも何だかなーって思うしね。
 莫迦やろう、辛くなったら一旦お休みして他のキット作ればイイんだよ。
 そんな具合に吠える幻聴を聞いた。でもそうやってお手つきキットは増えてゆくのだよね。
 さーて、ジャーヴィスは完成したから今度はどんな船にしようかな。久々に戦艦なんていいかもね。でもたぶん、直ぐには完成しないのだろうけれど。
 船は一度深みに入ったら抜け出せなくなっちゃいますよ。用心用心。   

製作の詳細

(写真1)何はともあれ船は船体がないと始まんない。この状態までなら三〇分もあれば出来ちゃう。でも長いのはこれからなんだよなぁ。

(写真2) 上部構造物をぱぱっと貼り付けて陰になる部分にシャドーを入れとく。小スケール物は陰影がキモだでのう。


(写真3)なんかここまで一瞬のように見えるけれど実は全然そんなことは無くって、すでに三週間ほど経過しております。他のキットの合間に作っているってコトもあるけれど、正直目が追いつかなくて連続で作業できないのよ。集中力も持続しなくてさぁ~。エッチングなんぞに凝り始めたら完成はもう間違いなく年単位だ。世の艦船モデラーの皆様はどうやって作ってるんだろ。
 でも昨今のアオシマは素晴らしいね。「見よ、このパーツ精度」ってな案配で実に精密緻密。マストなんて真ちゅう線にすり替える必要も無いし、ほぼストレート組みです。旧金型の「扶桑」はかなりアレだったけれど、ちょっと前に新金でリメイクしちゃったしね。お陰で両方買っちゃったよ、もうっ。
 船に対する姿勢も技術もあの頃とはもはや別次元であります。

(写真4) 船体上部の構造部が大体できたら小物も塗って行きましょうかね(しかしこの時点ですでに半年以上放置されていたのは内緒だ)。いつものよーにランナーに付いた状態でちまちまと塗っていきます。ゲートの処理が、って言う人もいるけれど切り飛ばした後に軽くタッチアップすれば良いだけの話だし何つってもこっちの方が塗り易いでのう。




(写真5) 今回も船底にネオジム磁石付けてみました。駆逐艦って小さいからすぐコロンって転んじゃうんだよね。転倒防止とベースへの脱着を鑑みて、ってヤツです。

(写真6) ベースは適当な板きれにあらかじめ所定の位置へ釘を打って、磁石のくっつく場所にしときます。


(写真7) 海面も欲しいのでティッシュペーパーにダークブルーをべたべた塗ってそれにします。

(写真8) ミディアムブルーをムラムラに塗って(ムッシュむらむらだ)ホワイトでドライブラシしたら出来上がり。簡単でいいのう。艦種艦名のラベルがあればそれっぽく見えるから不思議。駆逐艦は同級の隻数多いから銘板でキチンとアピール出来るっていうのは結構重要なんじゃないかしらん。特に船は他のジャンル以上にコレクション性が大事な要素だと思うので。


(写真9) ちょっと比較写真をば。やっぱ小さいなぁ駆逐艦、1/700が小スケールっていうのもあるけれど。マストのホワイト・エンサインが良いアクセントです。船に旗は必須なのだなと改めて思った次第。

(写真10) あー、書き忘れるところだった。ポンポン砲はファインモールドのナノドレッドシリーズから四連装のヤツをチョイス。でも小さ過ぎるので塗るのが一苦労。ここまで接写しないと見えないからキットのヤツでも良かったかもしんない。でも思わず衝動買いしちゃったヤツだし使わなきゃ勿体ないしで装着と相成りました。





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