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特集 ドイツ機

 Henschel Hs 126A-1 (ICM 1/48)

by 大山 盛幹



 2022年8月号で1/72のHs 126の作例が掲載されているにも関わらず、今回もHs 126となりますが「ドイツ機」の特集に合わせて、1/48 Henschel Hs 126A-1を製作しました。



 1939年中頃に登場したHs 126 は Henschel 社によってHs 122 を発展させる形で開発されたドイツ軍初の本格的短距離偵察機です。乗員は操縦手と後方銃手兼偵察員の2名で、主翼はパラソル配置、脚は固定式でした。エンジンのトルクの関係から、垂直尾翼が左に偏向しており、その垂直尾翼に直角に水平尾翼がつけられていますので、主翼と水平尾翼は平行になっていないという外形上の特徴があります。
 短距離離陸性能と低速飛行性能に優れており、第二次世界大戦の初期には、近距離偵察や地上軍との直協任務に活躍しました。しかし、後継の Fi156 や Fw189 が登場すると本来の任務からは退き、その後はグライダー曳航機や夜間攻撃機として運用されたものの、1941年に生産が終了し、1942年に前線から引き揚げられました。



 さて、Hs 126A のキットは、1/72では、Italeri、Airfix、Match Box、Revell(RevellのキットはMatch BoxとItaleroiの金型の2種類あります)、Brengun、KP等から発売されています。1/48のキットではFonderie Miniature、ICM、Italeri(このキットはICMのOEMです)から発売されており、今回はICMの3種類のキットの内、2010年初版のHs126A-1を製作しました。
ICMのキットは、表面は梨地ながら筋彫りできれいなキットで、透明パーツはMonogramのように非常に透明度の高くて薄いもので、製作意欲がかきたてられます。パーツは非常に細かく繊細に出来ていますが、細いパーツは非常に脆く、バリ取りをしただけで折れてしまいました。このため、細く強度の足りないパーツは真鍮線で作り替えました。



  組み上がったキットは当にHs126ですが、どうも全体のバランスが悪く、胴長の様に感じます(全長はズバリ1/48になっていました)。コクピットは、細かくできておりシートベルトを付加する程度で実感十分に組み上がります。
このキットの最大の難所はエンジン周りと主翼の取り付けでした。まず、エンジン周りについてですが、エンジン架もパーツ化されており、これにエンジンパーツを取り付けるようになっています。しかし、胴体パーツにそのまま取り付けると偏心するようですので、中心に来るように調整が必要です。さらに、インストラクションにはカウリングを胴体に固定する方法が明確に示されておらず、方法は作者に委ねられていました。作例は、胴体側に1時、5時、7時そして11時の場所に0.8㎜の真鍮線を埋め込み、これにカウリングを接着して固定しました。
次に主翼の取り付けですが、主翼下面の支柱取り付け位置が窪んでいるだけで強度が出ないため、支柱基部がすっぽり入る穴を開口して、ここに差し込むようにしました。ただ、支柱パーツが長くてプラが柔らかいせいかこれでも主翼がぐらつくため、支柱も真鍮線で作り替えた方がよかったと後悔しております。
主脚柱、スパッツはイモ付け指定でしたので、金属線を埋め込んで補強してあります。また、偵察席の旋回機銃の照星はエッチングパーツを使用しました。照門はキットのままです。



 デカールはキット付属の物を使用しましたが、薄くて密着度もよく筋彫りに馴染み余白の少ない上質の物でした。付属デカールのエンブレムは誤りがあって、エンブレムの赤と白の部分が実際は逆で、地色が赤、戦車からの羽は白が正しいです(作例は未修正です)。
塗装は、上面がRLM70、RLM71のスプリンター迷彩、下面はRLM65です。胴体側面の偵察員の視認目安ラインはデカールが用意されていますが、細くて一度貼ると位置修正が困難だったため塗装にしました。マーキングは1941年ギリシャ戦線の第31偵察航空団所属機です。



  資料としては、地味な機体のためモノグラフとしてはMushroom Model Publicationsの№8108「Henschel Hs126 (2008年)」くらいしかありませんが、細部写真、カラー側面図、現存機のカラー写真に加えてマニュアルからと思われるイラストも豊富でこれがベストの資料と思います(最近、同じ出版社からCamera On №30「Henschel Hs126 (2022年)」が発売されています。こちらはA4版の頁に原則2枚ずつの写真を配置した写真集です)。
これ以外にはSquadron/Signal のIn Action №2「Luftwaffe in Action (1972年)」、そして、Ian Allan「German Aircraft Marking 1939-1945 (1977年)」の2~3頁に見開きでクリアーな写真が掲載されています。エンブレムの確認には、Hikoki Publicationsの
「Luftwaffe Emblems1939-1945(1998年)」を参考にしました。





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