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 Bell P-400 Airacobra
(Monogram 1/48 Bell P-39 Airacobra)

by 大山 盛幹



 Monogram 1/48 Bell P-39 Airacobraは、中学3年の夏休み、航空情報の新キット紹介記事をみて、香川県高松市のセントラル・ホビーで購入した初めてのMonogram のキットであり、また、セントラル・ホビーのおじさんに教えてもらったピースコン ヤング88で塗装した初めてのキットでもありました。 



 当時、同じMonogramの1/48 P-51BやF4Fは600円でしたが、P-39は900円とワンランク上の価格でした(プラモガイド1971年版142頁には、「内部を見せるようにして、これだけで50%も価格がアップしたと考えるのは早計かもしれないが、いささか冗長のきらいがある。」と書かれています。でも、星五つの最高評価でした)。しかしながら、「ご機嫌最高Monogram」のキャッチフレーズに違わないキットでした。今回は、そんな思い出のあるMonogram 1/48 Bell P-39 Airacobraを半世紀の年月を経て再び製作してみました。



 1936年に出されたアメリカ陸軍の高々度新型迎撃機の要求へ応えて、Bell社が出した回答がXP-39です。その形態は新機軸が山盛りで、胴体中央(操縦席の後)に液冷式のエンジンを置き、プロペラ軸を通して装備される37 mm機関砲を機首に装備していました。また、米国の単発戦闘機で初めて前輪式降着装置を備えましたが、これにより離着陸時の視界も従来の戦闘機と比べて良好だったとのことです。またキャノピーは涙滴型だがスライド式ではなく、コックピットへの出入りは自動車のような側面ドアから行うと言う変則的なものでした。
高々度戦闘機として排気タービン過給器を備えた試作機は、1939年4月6日に初飛行し、クリーン状態で最大速度628 km/h、上昇率1,219 m/minなどの高性能を発揮しましたが、陸軍は排気タービンを外して生産するように指示しました。このため、新鮮味のない平凡な中高度戦闘機となってしまい、大半がレンドリース機としてソ連に振り向けられました。主な量産型としてP-39C、D、L、N、Q等があります。
P-400は、イギリス空軍へ輸出されたP-39C相当の「Airacobra1」と呼ばれる機体ですが、カタログ性能はいいのですが、実際は期待はずれの性能でしかなかったため早々にイギリスでの運用は停止され、大半は、ソ連へのレンドリース機となり、残った一部の機体はアメリカ陸軍が引き取ることとなりました。この機体は、機首の37㎜機関砲を発射速度の速い20㎜機関砲に換装されていました。



1/48のP-39のキットは、Monogram、Eduald、Hasegawaをはじめとして多くのキットが発売されており、近作のEdualdやHasegawaのキットは出来のいいキットです。
 さて、Monogram のキットは初版が1969年と50年以上前のキットで、P-39D-1、D-2、L-1、P-400の4種類が作れるコンパーチブルになっており、排気管等のパーツも各型の違いが押さえられています。米国で発売後、日本でもまずTomyから、そしてHasegawaからも版売されていました。
 キットは、発売時期からも想像できるように、凸のモールドです。ただ、可動全盛だった他のMonogramのキットとは異なり、プロペラ、車輪を除き一切可動部はありません。その代わりと言うのか、胴体右側の機首武装とエンジンのアクセスパネルを外して内部を見ることができるようになっています。



  さて、製作ですが、21世紀の水準にするには、すべて筋彫りを彫り直すのでしょうが、当時の雰囲気を感じるためにモールドはそのままとしました。キットは、胴体下部に透明のつっかい棒で前脚姿勢を維持するようになっていますが、写真のように機首の20㎜機関砲の銃身に鉛の錘をつけて自立するようにしてあります。



 機首武装部、コクピット、エンジンのモールドはよくできており丁寧に塗り分け、墨入れするだけで実感十分な仕上がりになります。コクピット直後の空気取入口は水平の仕切りがありますのでプラ板で追加しておきます。



キット付属のデカールは経年変化で黄変しバラバラと剥がれており、ほとんどが使用できませんでしたので、マーキングは機首の目玉を除きデカールを型紙にして塗装で仕上げました。デカールを数枚コピーし、裏面に両面テープを貼り、切り取ったものを型紙として使用しています。シャークマウスの塗装手順は、まず白で口全体にあたる部分を塗装します。次に歯と口の中の部分をマスキングして、唇の赤を塗装します。今度は唇と歯をマスキングして口の中の黒を塗装します。



 そして最後に、シャークマウス全体をマスキングして上下面の塗装に移ります。機体全体は、イギリスに輸出される機体をアメリカが引き取っていますので、上面はダークアースとダークグリーン、下面がスカイとしましたが、増槽はアメリカ仕様ということでニュートラルグレーとしました。マーキングは1942年 ガダルカナル島所在のP-400を装備したアメリカ陸軍347戦闘航空群67戦闘飛行隊所属機です。



資料としては、Detail&Scale №63「P-39 Airacobra (1999年)」、Squadron/Signal のIn Action №43「P-39 Airacobra in Action (1980年)」、そして、文林堂 世界の傑作機 旧版34号(1973年)、新版36号(1992年)を参考にしました。




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