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(Photo) IMAM Ro.37bis Lince

by  コルディッツ
博物館実機写真

 2023年の日本の十二支は兎ですが、チベット、タイ、ベトナムでは猫に なります。猫好きとしては、一生に1回くらいは猫年のお祝いをしたく、猫に因むヒコーキを紹介させて頂くことにします。
 イタリア語のLinceは英語のLynxで、オオヤマネコの意味ですが、IMAM Ro.37偵察機の愛称でもあります。複葉複座の同機は単発機で1933年11月に初飛行し、1935年からイタリア空軍に配備され、スペイン内戦で実戦デビューしました。第二次世界大戦初期に英仏海峡とロシア戦線を除く、イタリア軍の登場した戦線に出没し、偵察以外に直協や軽爆として運用され、東アフリカでは戦闘機としても運用されています。
※ 本稿は博物館の標示、「大戦間爆撃機」(鶴書房)、「世界の軍用機 図鑑」(コスミック出版)を参照しました。 

 IMAM Ro.37bis Lince MM11341/110-12  2017年12月撮影
 イタリア軍航空史博物館(Vigna di Valle)にて


   IMAMは、Industrie Meccaniche Aeronautiche Meridionaliの
大文字を拾った会社名です。末尾のMeridionaliから我が国の文献
では「メリディオナリ」と表記されることが多いようです。この
社名になる前がRomeo(ロメオ)航空機会社なので、同社製品は
Roの略称が付けられると資料にありました。


 IMAM社のRo系列は、第二次世界大戦ではあまりパッとしない印象
ですが、Ro.37リンチェと、同機から発展したRo.43水上機は、例外
と思います。


 開発時はフィアットA.30RA液冷V型550hp搭載で237機生産され、
その後ピアッジオアP.Ⅸ RC40空冷星型9気筒560hp搭載のbisが開発
され、332機が生産されました。




 胴体は深く、後部の偵察手席の側面窓は大きく取り、明かりを
とり、視界を広くするようにしています。


 また後部座席の風防上部も閉じ、風が入って地図等が飛ばない
ように工夫しています。




 固定武装は機首上面にブレダSAFAT 7.7mm機関銃2挺で、後部座席
には同機関銃を旋回式に1挺装備します。また胴体下に12~15kgの
爆弾を12発搭載可能です。






 イタリア空軍に採用された外、ウルグアイに10機、ハンガリーに
14機、オーストリアに8機、アフガ二スタンに16機、エクアドルに
1機が輸出されています。



 展示機は1938年にアフガニスタンに輸出された機体で、2006年に
アガニスタン紛争(2001年~2021年)に派遣されたイタリア軍部隊
が発見し、イタリアに里帰りし、2011年にレストアが完了したもの
です。イタリアのレストア技術は素晴らしいですね。


   アフガニスタンで発見時の写真と、里帰りした直後の展示写真
が、イタリア軍事航空史博物館に展示されていました。




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