Home > (Photo) スピットファイア Mk.Ⅸc EN199 <博物館実機写真<2023年2月号

 

(Photo) スピットファイア Mk.Ⅸc EN199

by  コルディッツ
博物館実機写真

 イギリスを代表するのはスピットファイアと思いますが、日本でも、大方は紹介され尽くしているので、何もすることがないと思っていました。ところがマルタ航空博物館に展示されているMk.Ⅸc EN199について、管見ではあまり触れられていない様子でしたので、紹介させて頂くことにしました。宜しくお願い致します。
※ 本稿は博物館の標示とウェブサイトを参照しました。

 Supermarine Spitfire Mk.Ⅸc EN199
 マルタ航空博物館(Ta Qali)        2012年1月撮影


 同機は1942年11月28日に初飛行し、1943年1月13日にジブラルタル
に船便で送られました。1月29日にRonald 'Ras'Berry D.F.C 中佐の
操縦で最初の戦闘に参加しました。展示機の胴体に書かれた「R◎B」
は中佐のイニシャルに依ります。この時の所属は第81スコードロン。


C型主翼でブローニング7.7mm機関銃4挺(1挺当り350発)と
イスパノスイザ20mm機関砲2門(1門当り120発)を装備します。


 エンジンはロールス・ロイス マーリン 61で1,650馬力。




 主翼下面の左のラジエーターが大型化され、左右対称になり
ました。私は非対称の方が英国機らしくて好きなんですが…
 北アフリカ戦線らしい防塵用エアフィルターも装備。


 右主翼端の航法灯。


 EN199機は飛行隊を異動しながら、トーチ作戦やチュニジア
戦役に参加します。その後マルタ島Ta Qaliに移動、ハスキー
作戦に参加。




 連合軍の前進に従い、イタリア本土に移動します。1945年
10月にマルタ島に戻ります。
 1947年5月27日、RAFからマルタ島のボーイスカウト飛行団に
提供され退役します。有刺鉄線に囲まれて保存されましたが、
多くのパーツが記念品として持ち去れてしまいました。

 丸形のバックミラーがアクセントになっています。





 1974年にマルタ国立戦争博物館創設を目指す協会が創設され、
EN199の保存が論じられます。1990年代初期に、EN199のレストア
と保存を行うボランティア・グループがスタートし、これが
マルタ航空博物館創立の始まりとなりました。
 1995年にレストアが完了し、バレッタVEデイ50周年記念式典
に展示され、マルタ航空博物館の所蔵となりました。




Home >(Photo) スピットファイア Mk.Ⅸc EN199 <博物館実機写真<2023年2月号
Vol.174  2023 February.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
                 editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー

「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」


プラモデル模型資料記事


TOTAL PAGE