「私のお薦めキット ベスト10・ニューキット編」
|
| by 田口博通 |
創刊記念号恒例のベスト10企画ですので、今回は最近のニューキットを取り上げました。月刊航空情報のニューキットレビュー欄と月刊Webmodelersに掲載したキットを中心に、皆様にお奨め10キットを一挙ご紹介します。
惜しくも選外となったのは タミヤ 1/48 P-38J, 同 1/48 F-4Bファントムでした。
|
第10位 造形村 1/32 Hs129B-2
造形村からHs129シリーズ第一弾としてリリースされた B2/R3は主翼下面に30発入りドラム式マガジン搭載のMk101/30mm機関砲を装備したタイプです。
キットはこの機関砲の他、ノーム・ローン「14M」エンジン、胴体内の隔壁と装備品、主翼桁構造や燃料タンクまで再現された部品点数320点余りの手の込んだキットです。コンパクトな小型双発機とはいえ、1/32ですから、かなりの大きさになり、お値段13,000円也というキットです。
作るのにはそれなりの覚悟が必要で、完成まで結構苦労しますが、組み立てを十二分に楽しむことができます。WM2022年4月号掲載
|
第9位 エアフィックス 1/48 ムスタング Mk.Ⅳ /P-51K
1/48ムスタングという激戦区に登場した最新のニューキットです。
このキットで印象的なのは、3DCAD設計ゆえか,設計者の考えすぎかそれとも趣味に走ったかで、コクピットなど機体内部が、まるで部品が3Dパズルのごとくに立体的に組み合わせるようになっていることです。
そのコクピットは要領よく再現されており、胴体下部エアインテークダクトが詳細に再現され、尾輪収容部までが一体で新鮮な構成で、パズルと組み立てを楽しみたい人向きのキットです。
WM2020年11月号掲載
|
第8位 プラッツ 1/144 C-46D
カルトグラフデカールが付属し、赤い警戒塗装の派手な空軍仕様機が作れます。さくっと組め、ストレスなしに完成。仕上がりは美しく、お奨めです。
WM2021年6月号掲載 |
第7位 アオシマ 1/144 航空自衛隊C-2輸送機
アオシマから機動戦闘車付で発売された1/144航空自衛隊C2輸送機です。1/144でも全長、全幅30cmの大型モデルとなり、C-2の巨大さが実感できます。後部のカーゴ扉とランプ扉は閉開選択式のギミック付で、機動戦闘車の搭載シーンが再現可能で遊びを楽しめるのがいかにもアオシマらしい所です。
シロナガスクジラのような機体形状だけでなく、カーゴ室内部のフレームや折り畳み座席、ローディングフロアなどが再現され、素晴らしい表現となっています。
WM2021年6月号掲載
|
第6位 FTOYS 1/72 フルアクション F-86F ブルーインパルス
いわゆる「食玩」ですが、とにかく驚きの食玩です。
塗装済み組み立てキットという「食玩」形態をとっていますが、日本のプラモデルも50年かけて遂にここまで到達したかと正直、組んでいて感動を覚えました。
1540円（税込）という価格でここまで作りこんだエフトイズの設計者に拍手。前縁スラット、フラップ、エルロン、主脚、前脚、エアブレーキなど動くところは全て可動で、エンジン内蔵、と素晴らしいです。部品は塗装済みですし、一作をお薦めします。
機銃も内蔵しており、シルバー塗装のF86F戦闘機型の発売が待ち焦がれます。
WM2022年2月号 掲載
|
第5位 ファインモールド 1/72 航空自衛隊F-2B戦闘機
胴体上部は新しく複座専用の金型が起こされ 一体成型となっているので組み立てやすく、また、エアインテークなど複座で変更された部分も新部品で、きちっとフォローされているのはさすがファインモールドです。
話題の主翼上面のねじ跡や、詳細なスジボリも特筆もので 一見の価値があります。モールド部品もかっちりと的確で、各部品も勘合がよく 大変組み立て易いF2Bでした。
組み立て説明書の組み立て指示の図もわかりやすく、パーツ図と塗装図がしっかりとついていて 安心して組み立てと塗装ができました。マーキングデカールは箱絵の第21飛行隊（三沢、松島）と第6飛行隊（築城）、第3飛行隊（百里）付属しています。
WM2022年11月号掲載
|
第4位 Eduald 1/48 F4F-3 ワイルドキャット
リリースほやほやのワイルドキャット初期型のキットで1940年から1942年の6種類の海軍および海兵隊のデカールと着色エッチングパーツ、塗装用マスクシールが付属しています。
キットの構成はエルロンと方向舵、昇降舵は別パーツで可動状態にもでき、コクピット内やエンジンは見事で、バルクヘッドと主脚部も詳細な出来です。モールドは凹パネルラインと凹加工のリベット、それと繊細な凸リベット彫刻の組み合わせで素晴らしい仕上げとなっていました。
惜しいのは主脚の組み立てがこのキットの最難関で、細いロッド部品の組み合わせで,接着すべき箇所が説明図では今一つ判りづらい所。落ち着いて組んでいく必要があります。
WM2023年1月号掲載
|
第3位 ICM 1/48 OV-10Aブロンコ
ウクライナのメーカーICMから新金型で発売された1/48 OV-10Aです。このOV-10Aはスタイル感が抜群で、グレーの少しやわらかめのプラスチックでモールドされており、凸と凹を併用した詳細なリベット表現が素晴らしいですが、精密に再現しようとするあまり部品数が非常に多くなっており、組み立て易くはありませんので組み立てにはそれなりの覚悟が必要。ベトナム参戦機ファンには絶対お薦めです。
WM2022年4月号掲載
|
第2位 MENGモデル 1/48 EA-18G
先に発売されたF-18E,Fのバージョン替えで,グラウラーの特徴である主翼端のAN/ALQ-218ポッドが追加されています。
主翼下にはAN/ALQ-99ジャミングポッド、増加燃料タンク、AGM-88空対地ミサイルとAIM-120C空対空ミサイルが付属して満載感たっぷり。機首上部の機関砲を取り外して装備された電子戦アンテナも追加され、電子戦機グラウラーが文句なしに再現できます。
WM2022年9月号掲載
|
第1位 エアフィックス 1/48 バッカニア S.2C/D
2月下旬発売の月刊航空情報4月号ニューキットレビュー欄に掲載されるのでご覧ください。1/48で￥16,500はお財布にずっしりと負担ですが、キットの完成度は流石のエアフィックスです。完全新金型のバッカニアは申し分のないキットで久々の感動の完成品となりました。
エルロンとフラップ、方向舵は別パーツとなっており、可動状態の再現も可能です。主翼は折り畳み用断面部品も付属しており、折り畳み状態を選択可能。エアダクト、エンジンなど内蔵部品も凝っています。
特徴的な尾部エアブレーキは精密で開状態も選択できるのは大変嬉しいです。
|
|
