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特集 プロペラ

VOUGHT XF5U-1 FLYING PANCAKE
(HOBBY SPOT U/HASEGAWA1/72) 

by 五六式(TYPE-56)



 プロペラ特集に合わせてフライングパンケーキを作りました。

 凄くプロペラです。これ以上無いくらいプロペラです。

<実機について>
 1942年に初飛行したヴォート社の円盤翼実験機V-173を元に実用機として製造されたのがXF5U-1フライングパンケーキである。V-173は,STOL性能や旋回性能に優れていたが,ジェット機の発達によりフライングパンケーキの存在意義が薄れ,XF5U-1は,初飛行すらすることなくその開発は中止されてしまった。

<キットについて>


 1989年頃に模型店ホビースポットUのオリジナルキット第2弾(第1弾は,ベルX-1。後に,タミヤからウォーバードのNo33として再販。)として開発されたものです。その後,金型がハセガワにわたり,1992年に再販されました。(※ホビースポットUからの発売はなかったという説もあります。また,ホビースポットUからリリースされたキットの箱絵の画像が見つかりました。どちらが本当なのかはよく分かりません。)今回製作したのは,ハセガワからの再販版(箱にホビースポットUのマークが印刷されています。)です。 

 パネルラインは,凹モールド,計器盤には,デカール,プロペラ回転機構の組み込みに配慮と近代的な飛行機キットの要件を満たしています。 

 しかし,機体左側に無視できないヒケがあることや細くてすぐに折れそうな脚柱,左右4枚ずつピッチを自分で決めて取りつけなければならないプロペラブレードなど・・・何だか嫌な予感がします。

<製作>
     
 
 まずは,大きなヒケの処理とコクピットの組み立てから。ヒケのある部分にパネルラインがあるので手間がかかります。

右の写真は,ひけている分の裏側です。機体の厚みとラインを確保するために厚みをつけたものと思われます。ヒケができるのは,メーカーも重々承知していていたようで肉抜き穴を開けるなどある程度の対策を施しているのが分かります。

エンジンの空気取り入れ口の部品は,取りつけると本体との間に大きな隙間や段差ができます。プラ板やプラパテで整形しますが,成形が終わるまで全く美しくないのでうんざりです。・・・逃げちゃダメだ,逃げちゃダメだ・・・。 

   片側4枚のプロペラブレードは,全部別部品で,これらを取りつけるときは,自分でピッチを付けてやらなければなりません。・・・面倒。きれいに仕上がらない未来が見えました。
 塗装図を見ると,機体下面右側の国籍マークは,主脚カバーにかかっていますが,実機写真には・・・無い・・・。プロペラの前面は,木肌の色が残っているように描かれていますが,実機写真を見ると真っ黒・・・汗・・・。開発の過程で塗装が一部変更されたのかもしれません。

 上記の理由で余った国籍マークで試してみたところ,デカールは見事にひび割れてしまいました。ということで,リキッドデカールフィルムで保護しました。プロペラについているマーキングは救えなかったので貼り付けていません。

<完成>


機首のマーキングは,空飛ぶ絨毯に乗っているバックスバニー。塗装説明図では,ネイビーブルーが指定されていましたが,グロスシーブルーだったかもしれません。



まさにフライングパンケーキ。尾翼のマスバランス(と思います。)の部品は,華奢で取りつけに苦労しました。



 円盤翼実験機V-173の試験結果から,STOL性能や旋回性能は良好な機体になるはずでしたが,プロペラの回転面の占有面積が大きく,ロケット弾や爆弾の使用は不可能で戦闘機としては???でした・・・汗・・・。


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