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イギリス軍車両2題 (エアフィックス 1/76)

  by 翔バナイカイ 栗人@ケータイ



 翔バナイカイなのにまたこんなの作ってました。
第二次大戦中、イギリス軍が行くところどこでも見られたという車両を2つご紹介。

1.ブレンガンキャリアー(ユニバーサルキャリアー)


 ガーデンロイド豆戦車をベースに開発された装軌式輸送車で、人員物資の輸送や砲の牽引、偵察戦闘等に広く使われたものです。大戦前後を通じた総生産台数が11万台以上ということで、史上最も多く生産された戦闘車両と言われています。正にイギリス軍あるところ必ず見られた、という車両です。
キットは6ポンド対戦車砲とセットで初版発売が1964年。未だに現役のご長寿キットです。車体は箱組み、足回りは履帯と転輪が一発成型という簡単な構成。隙間無く素直に組んでいけば組立は容易。しかしキットの車体外板パーツの厚みが約1mm。これだと実物では厚みが70~80mm(M4シャーマンや4号戦車の装甲なみ)になってしまいますので、上側の縁を削って薄く見えるようにしました。
キャリアー本体はこれで完成ですが、そのままでは寂しいので兵員フィギュアや荷物を色々載せて賑やかにしてみました。ここで、1/72~1/76クラスでイギリス軍装備品のパーツがあまり出ていないことに悩まされました。このため4名の搭乗者のうちイギリス軍特有のブロディヘルメットをかぶったヘッドも2名分しか調達できず、残り2名はベレー帽でがまんしてもらいました。メーカさん、イギリス軍装備品のグレードアップパーツは市場の穴場ですよ。ちなみに今回の制作を通じ、ベレー帽にイギリス式とフランス式とがある、ということを恥ずかしながら初めて知りました。プラモ作りを通じて意外な知識が得られるものですね。


所属部隊マーキングや車両番号は「適当」であります。つっこみはご容赦!


車体内外に色々荷物を乗せてみました。
ラックに置かれた小銃が英軍のものではなくドイツ軍のもののようだって? 
それは気のせいでしょう。



車体側面に下がっているのがドイツ軍の雑嚢のようだって? それも気のせいです。


6ポンド対戦車砲の防盾パーツも縁を削って薄く見えるようにしています。

2.オースチン K2/Y救急車

 この救急車も大戦中イギリス軍あるところ必ず見られたという車両で、一度に負傷者を27人運んだ例も伝えられるようにいざという時に頼りになる車両でした。
キットは「RAF EMERGENCY SET」としてK6消防車との組み合わせで初版発売が1969年。こちらも未だに現役のご長寿キットです。本キットも簡単な構成ですが、古いものであるゆえ、
・パーツ間の勘合調整をきちんと行い隙間なく組み上げる。
・4輪が接地してかつ車体が水平になるように組み上げる。
という点に注力して制作を進めました。加えてキットで省略されている車体後端の折り畳みステップを追加しています(これがないと後部キャビンへの昇降に苦労するはず!)。またフロントウィンドウはフレームのみの表現となっておりドライバーが吹きさらしになるのは気の毒なので、窓ガラスを含めてフロントウィンドウ全体をクリアープラ板で作り直してみました(元々平面構成なのでこの工作は簡単でした)。その他、バックミラーもアクセントになりそうなので追加しています。
 塗装は、さる高貴な方が大戦中に運転しておられた車両のマーキングで仕上げました。車体各所の赤十字マーキングはクラブの友人が作ってくれたマスキングシートを使っての塗装仕上げ、その他の車両標識は全て手描き塗装であります。しかしその車両番号をこのスケールではっきりと描き込むのは私には無理でそれらしくごまかしています(汗)。
ちなみに「RAF EMERGENCY SET」については、イギリスのマニアの間から「大戦中、RAFはK2救急車を使っていなかった」とか「セットにある消防車は戦後タイプだ」といったお小言が色々出ているそうです。どこの国でもマニアはうるさい!(笑)




省略されていたキャビン後部のステップを追加したので乗り降りも楽になりそう。 




かの高貴な方と本車とのカラー記録写真の構図を真似て撮ってみました。フィギュアは1/72のものをベースにしたため、車両と並べるとご本人よりも大柄となってしまいましたがご容赦を。RIP。


運転席付近のアップ。ごついハンドルの横にこれまた大きいギアレバーとブレーキレバーが立っています。これを大戦当時まだ十代の王女様がガッチャンガッチャンやっていたのかと想像すると、なんだか頼もしく感じます。RIP。


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