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特集 アメリカ

紫電改(アメリカ鹵獲機) (スワローモデル(トミー)1/32)

  by E.H.NOBU



 皆様、コンニチハ E.H.NOBUです♪
Webmodelers 3月号第1特集”アメリカ”用に
スワローモデル(トミー)1/32紫電改(アメリカ鹵獲機)が完成いたしましたのでご紹介いたします。
  このキットがトミーから発売された時点で32スケールでは長い間日模のキット(1/35)しかなく 待望の新作キットとして喜んだものでしたが
現在ではハセガワの決定版がありますので 今回はキットの持ち味である機体全面に打たれた緻密なリベットを活かして製作したいと思います。



  このキットで褒めるべきはプラの材質です。
最近作ったキットは新旧問わず瞬間接着剤を使うと亀裂が入ったり
割れたりすることが多かったのですが
このキットは瞬間接着剤で無理やり接着しても全く亀裂が入りませんでした。
これは作るうえで大いに助かりました。
またキャノピー中央部は複雑な下部のカーブがちゃんと再現されており
後縁部分の薄さも特筆ものです。
しかしながら手を加えていないパーツは前部風防とキャノピー中央部・主翼上面パーツのみで あとは全てのパーツがそのままでは使えなかったので大変苦労いたしました。



  今回手を加えた箇所です。
スピンナーの穴を広げ分割線のスジボリ追加
プロペラブレード延長・付け根にカウンターウエイト自作追加
エンジンプラグコード・ディストリビューターリング・プッシュロッド・補器類自作追加
カウルフラップ分割線追加
オイルクーラーは不要な穴を埋めてフラップを閉じる
増槽タンク長さの延長・支柱加工
主輪扉薄くして内側モールド作り直し・開閉機構自作追加
主脚収納庫全て自作作り直し
主脚柱全て自作作り直し・ブレーキパイプ追加
主脚柱引き込み用支柱全て自作作り直し・スプリング追加
主輪トレッドスジボリ・開閉用パーツ自作追加
主脚柱扉薄く削って長さ延長・固定具追加
主翼下面不要な穴を埋めて爆弾架モールド追加・懸架フック自作追加
20mm機銃は別売り真鍮パーツに交換
ピトー管自作
コックピット全て自作(計器盤・操作盤はUVレジンにて複製)
ヘッドレスト作り直し
胴体明かり取り窓追加
後部キャノピー内側取り付けピン削除磨き直し
アンテナ柱自作作り直し
キャノピー可動用溝を埋める
垂直尾翼前縁に瞬間接着剤を盛って丸める
ラダー操作桿修正自作・ラダートリムタブ操作桿自作
尾灯電球自作追加・透明化
尾輪形状修正
水平尾翼エレベーター付け根形状修正・マスバランスモールド修正



  先ずはエンジンから
残念ながらモーターライズの影響で 日模並みのエンジン表現ですので
実機写真やハセガワのキットを参考に
プッシュロッド・プラグコード・ディストリビューターリング
クランクケース上下の補器類を追加工作をしておきました↓


主脚は全く似ていない酷い出来なので全て各種プラ材&真鍮線で作り直しました。
タイヤにはトレッドを毛引きで6本掘り込み、ホイルハブ中央の開閉用パーツは真鍮材で作りました↓


  今度は主脚収納部を作ります。
現在のように実機資料が充実していなかった時代に作られたキットなので
仕方ないのですがキットの主脚収納部は実機とはまるで異なりますので
キットの収納部分は切り飛ばして実機写真やハセガワのキットを参考に
各種プラ材・プラ板&洋白線でで作り直しました。
主脚柱の受けとなるエルボー部分はランナーのL字部分です↓


  キットは垂直尾翼の面積が狭いので 紫電21型甲ということになります。
甲型では爆弾が最大4発積めるように 主翼下面に左右2か所づつ爆弾支持架がありますので 実機写真を参考に1mm幅と2mm幅のタガネで それらしくモールドしておきました↓


 そのモールドした爆弾架にはプラペーパーで作ったフックを最後に接着します↓


  次はコックピットの工作です。
ここもモーターライズの影響で大昔の日模とまったく同じ
上げ底表現の情けないコックピットとなっています。


  幸いにも現代では資料本にコックピットの詳しい写真がたくさんありますし
ハセガワのキットというお手本もありますので
ここは各種プラ材&金属を使ってのフルスクラッチとなりました。
各レバーの握り玉や照明灯、操縦桿基部のキャンバスはUVレジンで作ると簡単です。






  計器盤は当初はハセガワのキットのデカールをプラ板に貼って使うつもりでしたが あまりにも平面すぎるので諦めて初めての試みとして
おゆプラ&UVレジンでハセガワのキットのパーツを複製しました↓


  シートベルトはファインモールド製
照準器は取り外した状態としますので基部のみプラ板で再現
苦労のかいあってハセガワに負けない立派なコックピットが出来ました↓


  コックピットが出来たので今度はプロペラを作ります。
キットのプロペラはハセガワのキットと比べると
寸法が短いのでプラ板をかまして延長後ヤスリで形を整えました。
プロペラブレード付け根も貧弱なのでプラパイプで太くしてから
スピンナーから覗くカウンターウエイト部分を実機写真を参考にプラ材で追加し
スピンナーの切り欠き部分もこのカウンターウエイトを避けるための特徴的な
大きな切り欠きがありませんので実機写真を参考に丸ヤスリで大きく削り込みました↓


  増槽タンクを作ります。
キットの増槽タンクはハセガワのキットに比べると
かなり短くしかも太いのですが全て作り直すのは大変なので
長さだけを修正することにします。

  キットのパーツを接着したら 前部・後部の2個に切り分けて
直径がほぼ等しいハセガワ1/32P-51Dの108ガロンタンクの
中央部を挟んで長さを延長しました↓


  今回の紫電改は以前から作ってみたかったこのマーキングにします↓


  終戦後アメリカへ運ぶ為に集められた6機の紫電改のうちの一機です。
カウリングの塗り分けが独特なのは一目瞭然ですが
他の機と違って20ミリ機銃がついています。
照準器は他の機同様外してあるようです。
増槽タンクは明灰白色。
車輪扉と主脚柱扉内側は黒色。
主翼前縁の味方識別帯は上面色でオーバースプレーされているようです。
国籍マークは日の丸の上から米軍のマークを塗ってあるようで
サイズ・位置は元の日の丸と同じみたいです。
その米軍国籍マークは規格とは少し違うようで袖の短冊部分が
星の部分に食い込んでいます。
更に胴体の国籍マークは袖に青い縁取りはなく星の周りだけが
丸く青く塗られています。(元の日の丸部分)
そして主翼下面の国籍マークは左右両側の翼下面に描かれています。
(こちらは袖に青い縁取りあり)
残念ながら主翼上面の写真をみたことがありませんので
主翼上面は想像ですが左翼のみに国籍マークで
胴体の国籍マーク同様袖の青い縁取りはなしとします。
これらは恐らくシーブルーの米海軍機の国籍マークが
白い部分だけになったように濃緑色とインシグニアブルーの明度差が
あまりなかったからではないかと推測します。
機番についてはこの機体の尾部が写った写真をみたことがないので
TAI 003 号機としました。

  今回はキットのリベット表現を利用して
て実機で目立つ塗装剥がれに挑戦してみました。
下地にシルバーを塗っておいて上面色を吹いた後
リベット線に沿って爪楊枝で引っ搔きました↓


  機体の塗装が終了したので
先に作ってあった部品を取付けます。
車輪カバーの開閉機構はロッド部分をアルミ線その他をプラ板、ギターの弦で作りました↓


  主脚柱には紫電改の主脚でよく目立つ引き込みリンクを作ります。
プラ丸棒とプラ板でステー部分を作り
ギターの弦#5でスプリング部分を作ります↓



 それでは完成した雄姿をご笑覧ください。






 最後までお付き合いいただきありがとうございましたm(__)m



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