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特集 日本

  橘花と火龍(エフトイズ/バンダイ 1/144)

  by  Windy Wing 2013

 今回は帝国最初で最後のジェット戦闘攻撃機「中島橘花」と「中島キ201火龍」をご紹介いたします。

<エフトイズ 1/144 「中島橘花」鹿屋基地 第302海軍航空隊所属「集成白狐隊」>


 まずは帝国海軍ジェット攻撃機「橘花」を<エフトイズ 1/144 初期ジェット機コレクション>のフィギュアにMYKデザインの「仮想兵器」シリーズのデカールを使用して、鹿屋302航所属機に仕上げました。ネ二〇型エンジン2基では出力不足とのことで、試作機同様、この機体にも補助噴進器を追加装備したのですが、今回製作して初めて、この装置は空中投棄しないと主脚が収納できない構造であることを知りました。しかしもし、試作2号機がこの噴進器を装備していなければ離陸に失敗することもなかったわけで、結局、どちらに転んでも飛び上がることはできなかった帝国最後の試験飛行をこの装置は寂しく象徴しているようです。

<エフトイズ 1/144 「中島橘花」大村基地 第352海軍航空隊所属「迅雷橘花隊」>


 つづいて、こちらは同じくMYKデカールを使った大村352航所属機で、一見して三菱「雷電」の血脈を引く海軍局地戦闘機であることがわかります。一応、期待通りのエンジン出力をもって実戦配備された状態を想定し、小さな機体に精一杯の20mm砲を一門、胴体下面に装備させましたが、その限られた弾数と短い滞空時間で高々度から飛来するB-29相手にどれほどの戦果を挙げられたかはいささか疑問です。


<バンダイ 1/144 「中島キ201火龍」清洲飛行場 飛行第5戦隊所属「火龍神風隊」>



 一方、帝国陸軍ジェット戦闘機「火龍」はドイツから送られた設計図に基づき、メッサーシュミットMe262A-1をほぼそのままの形で再現する計画だったそうなので、こちらはバンダイの傑作<ウイングクラブ コレクションL Me262A>に陸軍正式戦の流れを汲む褪色系塗装を施してみました。なお、このカラーリングは<ウシモデル>発売のレジンキット<1/72 日本陸軍 試作戦闘襲撃機 中島キ201火龍>から補助噴進器や電探ともども、そのコンセプトを拝借したものです。




 いわゆる「架空戦記」は負け犬の遠吠えのようで、個人的にはあまり好きではないのですが、ムチャ振りでもなんでも「やれ」と言われたら、海のものとも山のものとも分からぬジェット機を一年足らずで形にしてしまうその日本人の凄さだけは、一日150万回のワクチンを打ち尽くしたこの国に今なお息づいているとしみじみ感じます。


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