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ブリュースターF2A-2 バッファロー(タミヤ1/48)

by 小山新一


(実機について)
 ブリュースター・バッファローは、そもそもアメリカ海軍が複葉艦上戦闘機から脱却すべく、数社のメーカーに開発を命じた機体であった。各社から提出された案の中から、ブリュースター社のものが採用され、1936年試作発注がなされる。
 アメリカ海軍が初期型F2A-1の引き渡しを受けたのが1938年であった。バッファローはこうして、アメリカ海軍初の単葉艦戦としたデビューしたのである。この頃、欧州ではソ連のフィンランド侵攻が始まり、アメリカは40数機をフィンランドに送ることになる。フィンランド戦線において、本機はソ連のI-16、I-153などと交戦、圧倒的な強さを発揮したそうな。
 改良型F2A-2はアメリカ海軍に配備される一方、イギリスにも送られ、この一部がバッファローMk-1と呼ばれ、1940年から極東方面に配備される。中で、イギリス連邦の防衛に当たった部隊が、太平洋戦争開始とともにわが日本の戦闘機と対戦することになった。フィンランドでソ連機を圧倒したバッファローであったが、シナ事変やノモンハンで実戦を経験した歴戦パイロットが操縦する隼や零戦の敵ではなく、一方的な敗北を喫した。
 隼の制式採用が1941年、零戦が1940年だから、バッファローは一世代前の機体であり、性能的にも見劣りがするのはやむを得ぬことであった。
2機体左側面(機首から)



(模型の制作 )
 うっすらと黄ばんだ取説のタイトルに、「1/48 傑作機シリーズ №8」とある。本キットはタミヤが1/50シリーズをやめ、新たに/48を始めた第8作目に当たることがわかる。「傑作機シリーズ」とうたっているが、飛行機ファンの本機に対する印象は凡作機のイメージが強い。文林堂の「世界の傑作機」シリーズにもそうした訳で含まれていないから、資料の少ない機体といわねばならない。
 そうでありながら、タミヤのキットの出来はすこぶる良く、取説の実機解説も必要にして十分である。部品構成もよく考えられていて、パーツを細分化せず、しかもディテール感をそこなっていない。 

ボックス


 合いの悪い箇所は機首カウリングと胴体ぐらいか。ここはパテで修正せねばならぬが、他はスムーズに進む。アメリカ海軍向けとイギリス空軍向けとの違いも、きちんとパーツが準備されている。組立てながら、絶えず気にしていたのがデカールであった。「貼れるかしらん?」との不安である。
前作マルサン1/100のEEライトニングの蛇の目が貼れたので、何とかなるのではとの楽観もあったのだが・・・。
 で、イギリス機の定番、上面がダーク・グリーンとダーク・アース、下面スカイ&ブラックの迷彩を筆塗りで仕上げ、蛇の目のデカールをお湯にひたしたのであった。結果は悲惨なものであった。よく、古いデカールが使えない表現として、「バラバラに割れて、使いものにならない」と言ったものがある。だが、このバッファローのデカールは、水に浮かべた海苔のように、ちりぢりに溶けてしまったのだ。 

機体右側面(後方から)


 ここで、田口編集長の場合はデカールの再生・自作となるのだが、当方いまの所このスキルなし(スキャナー未所持だし)。で、どうしたかと言えば、いきつけの模型店にいき、タミヤから新しいデカールを取り寄せてもらったのである。715円なりのデカールが届いたのが、10日ほど経った頃であったろうか。だが、家に帰って取説の塗装説明図と照合して唖然とする。デカールに再現されていた部隊マークが違う!あわててタミヤのホーム・ページを開き、1/48スケールの商品ページを探すと、こうあった。
「1/48シリーズ NO94 ブリュースターB339バッファロー 太平洋戦線」
要するに1/48シリーズの初期製品を再投入するにあたり、キットNOもデカールも一新したわけだ。ちなみに、新キットにある「B339」とは、バッファローの陸上型に付された型式コードであるらしい。困ったのは新しいデカールの貼り付け位置だ。イギリス迷彩は同じだが、コード・レターの微妙な位置などがわからない。結局、商品紹介にある完成写真とボックス・アートを参考に、何とか貼ることを得た。 

機体左側面(後方から)

 貼り終えたのち、控えめに汚しをかけて完成となる。

機体下面(スカイ&黒の2色塗装)


日本軍のパイロットと整備兵に囲まれて(鹵獲機にみえる?)



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