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by 田口 博通 Hiromichi Taguchi      /

Big キット作り倒し (第4回) 
He-111H  プロモデラー 1/48  

 押入れを占領するBigキットを作り倒し バーンとスペースを空けようというBigな連載コーナー。
 1/32と限らず、巨大な箱なら なんでも取り出します。
 デビスモンサンにモスポールされた可哀想なBigキットが再び、皆様のお役に立ちます。
 
  第4回目は モノグラム プロモデラー 1/48の ハインケルHE-111 です。箱も大きいですが、48爆撃機ともなると翼長46cm。双発でも 完成すると周囲を圧倒する大きさです。 飾る場所が無いと 大枚はたいたにかかわらず、涙を飲んで、押入れにモスポールされた方も多いはず。今回は 完成して、ますます 嵩張る結果となりました。しかし、さすが プロモデラー。 モールドもシャープだし、なんといっても風防の透明度も抜群で、素晴らしい仕上がりです。



■実機について
 バトルオブブリテンの時、燃え盛るロンドンの高空に舞っていたのが ルフトバッフェで唯一、双発の爆撃機として実用化された He111シリーズです。1935年の初飛行から大戦終結まで使われました。He111には17の多くのバージョンがあり、モノグラムのキットは H-4型と H-5型が選べるようになっています。
 H-4型は KG55"Griffin Squadron"の、1ton爆弾を積んで 胴体下面をつやけし黒に塗り、1941年のバトルオブブリテンの夜間爆撃に参加した機体です。
 H-5型は KG26 イタリアで爆撃や雷撃に参加した標準塗装の機体となっています。
 ■キットの印象
 金型は韓国で製作されたようで、シャープなスジボリで、パネルラインの表現は控えめです。リベットは彫刻されていないので、モノグラム タッチではないが、胴体内部部品の詳細彫刻などを見ると、モノグラムらしさを感じることができます。
コクピットアセンブリーは、機体塗装後に組み込めるようになっており、組み立て易く考慮されています。
 車輪は接地面が平らになっていて 機体の重さを表現できるようになっています。


■コクピットと胴体の製作 ■ リベット追加
 コクピット部品は 実機マニュアルを参考にしたようで、詳細なモールドとなっています。内部塗装は RLMグレーで全て行い、座席をブラックグレー(グンゼNo.116)で塗り分けておきます。
 写真のように、キャノピーを通して、内部がよく見えるので、バーントアンバーの油彩でウォッシングし、明るめの色でドライブラシしておくと 引き立ちます。
 
 胴体内部とバルクヘッドも RLMグレーです。窓の透明部品は、外面が面一になるように調整します。
 尾輪は胴体張り合わせ前に組み込むように指定されているが、取り付け部の下半分を切り欠いて、最後に取り付けられるようにしておくと、組み立て中に折ることがなくなります。
 胴体は30cm以上の長さなので、幅10mmほどのノリシロをプラ板で短冊状に作って、接着強度を高めることがコツであります
主翼はうちわのように大きいにかかわらず、複雑な曲線の厚翼をうまく再現しています。翼断面も素晴らしいものがあります。翼のところどころにヒケがあるので、パテで整形しておきましょう。
 
 パネルラインだけで、すっきりとしすぎ、リベットがないので、全面にリベットうちを行いました。まず全面を1000番のサフェーサーで塗装し、十分乾燥させた後、行っています。
 サフェーサー塗装後の方が、リベットが打ちやすいのです。図面を見ながら、鉛筆でリベットラインを下書きします。
主翼が大きいので 透明プラ板で 長さ20cmくらいの テンプレートを数枚 作っておくと 作業がし易いでしょう。
 この下書き線の上に、テンプレートを当てながら、リベットを ゆっくりと 打ってゆきますが、さすがに全面を打つのに 2日くらいかかりました。それでも、一個一個リベットを打つよりも、「リベットルーレット」を使うと画一的にはなりますが、能率的であります。






■ 塗装
 塗装は、KG26を選択し、下面 RLM65 ライトブルー 
上面 RLM71 ダークグリーン、RML70 ブラックグリーンで
いずれもグンゼカラーを使いました。
胴体帯、尾翼、カウリング、スピンナーはホワイト。プロペラはつやけし黒としてあります。
爆弾は さび色が混ざったようなつやけし黒にしました。
小物取り付け
 コクピットアセンブリーや機銃を取り付ける前に 主脚を取り付けるようにします。
 キャノピーは外面色を塗る前にブラックグレーで下塗りすることをお忘れなく。機銃とコクピットアセンブリーを組み込み、キャノピーを接着すると ほぼ形が見えてきます。
 アンテナ柱はシンチュウ線をたたいて断面形状を削り、また、ピトー管はシンチュウパイプと洋白線を組み合わせて、自作しました。





デカール
 デカールは スケールマスター製が入っており、使いやすいものです。白も下地が透けず、黒などの印刷も はっきりしていて 良いデカールです。 ハーケンクロイツは入っておらず、今回は貼っておりません。Mr.マークセッターと マークソフターを使って、 キッに しっかりとなじませて、デカールの周りの透明部は 乾燥後 できるだけ カミソリで 切り取っておきます。
最後に、つやを揃えるのと、デカールの保護のため 全面に フラットクリアを吹き付けて、塗装は完了です。
  ■完成
 特大サイズのHe111が完成です。
今回はリベットを追加したので 時間がかかってしまいましたが、大味にならずに済みました。それだけの効果はあったということでしょう。 あまりの大きさに ガラスケースの中を占領されてしまいましたが、ど迫力です。完成すると深い満足に浸れること 請け合いであります。

リベットを追加したので、パネルラインの周囲の情報量が増えたような気がする。



 

Vol.4 2009 May.        www.webmodelers.com          Office webmodelers all right reserved   無断転載を禁ず  リンクフリー
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